日本の博士
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法令に基づく学位 |
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博士の学位 修士の学位 学士の学位 短期大学士の学位 専門職学位 |
専門職学位と修了区分 |
1.専門職大学院の課程 (一般の専門職大学院) 修士(専門職) 2.法科大学院の課程 法務博士(専門職) 3.教職大学院の課程 教職修士(専門職) |
法令に基づく称号 |
準学士 |
告示に基づく称号 |
高度専門士の称号 専門士の称号 |
現在授与されない学位等 |
大博士の学位 得業士の称号 |
関連法令・告示 |
学校教育法 学位規則 専門士及び高度専門士規程 |
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現在の博士の学位については、学校教育法第104条において、大学が大学院の課程を修了した者に博士の学位を授与することとされ、第104条第2項に前項の規定により博士の学位を授与された者と同等以上の学力があると認める者に対し、博士の学位を授与することができるとされている。学位規則第4条では、大学院博士課程を修了した者に博士の学位を授与することが規定されており、同条の第2項では大学院の行う博士論文の審査に合格し、かつ、大学院の博士課程を修了した者と同等以上の学力を有することを確認された者に対し博士の学位の授与を行うことができると規定されている。同規則第4条1項に基づく博士の学位を課程博士、第2項に基づく博士を論文博士と呼び分けることもある。
また、学校教育法第104条第4項および学位規則第6条の2においては、独立行政法人大学評価・学位授与機構が、学校以外の教育施設で大学院博士課程に相当する教育を修了し、機構が行う審査に合格した者に、博士の学位を授与することとされている。
先述の博士と位置付けの異なるものに、法務博士(専門職)がある。法曹養成制度の改革により、2003年以降、専門職大学院の一種である法科大学院において、法務博士(専門職)の学位が新設された。司法試験の受験資格をこの学位取得者に限ることで、司法修習を大幅に簡素化したものである。従って、法学博士とは名称が似ているが異なるものである。
日本での歴史
日本においては、1887年(明治20年)5月21日、学位令(明治20年勅令第13号)が公布せられ、同令第1条により、博士と大博士の二等の学位が定められ、第2条により法学博士、医学博士、工学博士、文学博士、理学博士の五種が定められた。さらに、第3条により、博士学位は大学院の定規試験を通過した者に、帝国大学評議会の許しを得て、授与された。また、この頃は、課程の試験もしくは論文の提出以外の他に、推薦による博士学位の授与が存在していた。推薦を行う権限を有していたのは、文部大臣、帝国大学総長、そして、博士授与者からなる博士会であった。
1898年(明治31年)の学位令改正により、学位は博士の一種となり(結局、「大博士」は授与された者がいないまま廃止となった)、学位授与の資格は、帝国大学大学院にはいり試験を経た者または論文を提出して帝国大学分科大学教授会がこれと同等以上の学力ありと認めた者、もしくは、博士会が学位を授くべき学力ありと認めた者に、文部大臣が授けることとされた。また、薬学博士、農学博士、林学博士、獣医学博士の4種類の学位が追加された。
1914年、勅令第200号として改正学位令が公布され、学位授与の規定がより具体的に規定されるとともに、第10条により、学位の栄誉を汚辱した者にはこれを剥奪する、懲罰規定が盛り込まれるなどより詳細な規定が整備された。戦前においては原則として博士号授与機関は原則として帝国大学に限られ、その希少性から「末は博士か大臣か」と詠われるほど市井において高く評価され、学位の保持者に対しては敬意が表されていた。
1920年の学位令改正では経済学博士、経営学博士、商学博士、政治学博士、神学博士の5種類の学位が追加された。また、この改正により、博士の学位の授与権者が文部大臣から大学へと移譲された。
今日の学位制度における博士の学位は1947年の学校教育法の制定により整備されたものである。1953年、学位規則が制定され、新たな学位として修士の学位が加わり、学位は博士と修士の二等となった。1991年改正学校教育法により、学位は博士、修士に加え学士の三等とされ、それまで専攻分野を冠した学位名称だったものを、すべて博士、修士、学士に統一し、その代わりとして、博士(医学)というように学位の後に専攻名を括弧付きで併記することとされた。同年には、今日の独立行政法人大学評価・学位授与機構の前身となる学位授与機構が発足し、省庁大学校で大学院博士課程の修了に相当する教育課程をへた者に対する博士の学位は、当該大学校及び学位授与機構の審査を経た者に授与されることとなった。2000年、学位授与機構は、大学評価・学位授与機構に改組され、それまでの学位事業は同機構に承継された。更に2005年改正学校教育法により、上記三等の学位に加え短期大学士を加えた四等となり、これによって今日の学位制度が整えられた。