財源案
山崎元の試算によれば年金・生活保護・雇用保険・児童手当や各種控除をベーシックインカムに置き換えることで、1円も増税することなく日本国民全員に毎月に4万6000円のベーシックインカムを支給することが可能であるとする。具体的には日本の社会保障給付費は平成21年度で総額99兆8500億円であり、ここから医療の30兆8400億円を差し引くと69兆円となる、これを人口を1億2500万人として単純に割ると月額4万6000円となる[23]。小沢修司も月額5万円程度のベーシックインカム支給ならば増税せずに現行の税制のままで可能と試算している[24]。
ベーシックインカムの支給額は日本では月額5万〜10万円程度で議論されることが多く、様々な財源案が提起されている。一方で多くの提案の背景には租税徴収確保主義("集めれば良い")があり、民主主義と財産権の観点から課税の正当性を記述する必要がある(目的税)。
たとえば受益が課税の正当性の根拠だと安直に短絡している議論もあり、公的分配の背景に財産権の公的侵害があるばあい、公平・公正の観点から、慎重かつ明確に政策目的とその限界が記述されるべきものである(租税法律主義・租税公平主義)。かつてウィリアムズが唱えたような部分的BIとも呼ばれる少額のBIを考えるとする。純粋な5万円の支給のみでは無収入者の場合は最低限の生活は困難であろうが、政府が無収入者・低収入者に住居を無料ないし低額で提供すれば十分生活は可能である、という見解もある。この際、ミーンズテストは行わず、希望者全員に住居を提供するという形でよい。日本では、特に過疎地域の住居の空き家が増加してきているという現状があり、そういった住居を国が買い取り、無収入者・低収入者に提供すれば良い、という見解もある。[要出典]
また、5万円という額の支給があれば失業手当が無くとも、給付額でスーツを購入でき交通費も賄えるため就職活動が十分可能となり、何らかの資格取得の費用も調達できる。このように、「働く以前の問題」を解消するだけで、新たに職に就ける人々も多い。「より多くの収入を得たい人に平等のチャンスが与えられる」という点は、部分的BIの大きな存在意義の一つであろう、という見解もある。そして何より、5万円という低い額に支給額を設定することにより、BI実施による就労のインセンティブの低下は抑えられるであろう、という見解もある。ここでもう一つ考えなければならないのは、疾病や障害を抱えている人の中には就職するという選択肢がない場合もある、ということである。すなわち彼らが問題なく生活を送っていくために何らかの考慮をする必要がある。これについては疾病や障害の度合いに応じて、BI給付額を増額 ないし医療や介護などにかかる費用を減免あるいは免除するなどして現物給付面を充実させるなどして対応することが望ましい、と言う見解もある。[要出典]
税収