博士
この記事には複数の問題があります。改善やノートページでの議論にご協力ください。
|
![]() |
この項目では、学位について説明しています。その他の用法については「博士 (曖昧さ回避)」をご覧ください。 |
博士(はくし、はかせ)は、学位の最高位のひとつ(博士の学位参照)。英語からドクターとも言い[1]、ISCEDレベル6、欧州資格フレームワーク(EQF)ではレベル8と定義されている。
博士 (Doctor) の学位は、国によって多少の差異はあるものの基本的に最上位の学位として位置づけられている。通常は、大学など高等教育機関や学位授与機関(日本においては独立行政法人大学評価・学位授与機構)における修士及びそれと同等の学力があると認められた者が、大学院の博士課程あるいは博士後期課程を修了することで取得できる(課程博士もしくはコースドクターと称する)。また、論文審査により高度な研究能力があると認定された者にも授与されることがある(論文博士と称する)。
博士の取得方法としては、博士課程に在籍して学位審査に合格、修了した者に授与される課程博士と、在学しないまま学位審査に合格した者に授与される論文博士がある。また、学位ではないが、名誉称号としての名誉博士なども存在する。外交儀礼上、各国政府要人等が博士号取得者である場合、官名の後に博士閣下と敬称する事例が見受けられる。
目次
[非表示]
種類[編集]
研究博士[編集]
研究博士(Research Doctorate)では、ピアレビューが行われている出版された学術雑誌に掲載されることが求められる。
英語圏にて最も知られている研究博士は、リベラルアーツ系の哲学博士 (Doctor of Philosophy, Ph.D., or D.Phil.)[2][3]であり、これは世界多くの国で付与されている。
その他の研究博士号には、教育博士 (Doctor of Education, D.Ed., Ed.d)、 芸術博士 (Doctor of Arts, D.A.)、 Doctor of Professional Studies、社会科学博士 (Doctor of Social Science, D.S.Sc.)、 ビジネスマネジメント博士 (Doctor of Business Administration, D.B.A.)、マネジメント博士 (Doctor of Management, D.Mgt.)、 情報セキュリティ博士 (Doctor of Information Security, D.I.S.)、リハビリテーション博士 (Doctor of Rehabilitatin, Rh.D.)、社会福祉学博士 (Doctor of Social Work, D.S.W.)など。工学博士系では様々な名称があり、米国・日本・韓国では Doctor of Engineering (D.Eng.)[4]、 イギリスではEngineering Doctorate[5]、ドイツではDoktor-Ingenieur (Dr.-Ing.)やDoctor rerum naturalium (Dr.rer.nat.)などがある。
神学では、Doctor of Theology (D.Th.)や Doctor of Sacred Theology (D.S.Th.)が研究博士号である。
専門職博士[編集]
「専門職学位」も参照
多くの国では、学術的教育、学術的研究を行っていない分野においても、"doctorates"の専門職博士号を付与している。
たとえば米国とカナダでは、医学博士(Doctor of Medicine, D.M.)、Doctor of Physical Therapy(D.P.T.)、Doctor of Chiropractic(D.C.)、Doctor of Osteopathic Medicine(D.O.)、薬学博士(Doctor of Pharmacy, D.Pharm.), Doctor of Psychology(D.Psy)、Doctor of Social Work(D.S.W.)、Doctor of Behavioral Health(D.B.H.)、Doctor of Dental Surgery(D.D.S.)、Doctor of Veterinary Medicine(D.V.M.),Doctor of Nursing Practice(D.N.P.)などがある。
名誉博士[編集]
詳細は「名誉博士」を参照
肩書き[編集]
英語、ドイツ語などでは、博士への敬称はPh.D.もしくはDr.(ドクター)表記となる(フランス語では点をつけずDrとすることが多い)。会話の時には「ピーエイチディー」は用いない。 医師も博士と同じくDr.(ドクター)と称されるが、この場合のドクターは学位ではなく、職種としての医師に対する形容となる。医師も博士号を取得するためには、独自性のある研究論文や著書を提出し、博士論文審査に合格することが要件となる。
現在では医師免許を持つ人物をM.D.、歯科医師免許ではD.D.S.(D.M.D)、獣医師免許ではD.V.M.と記し、大学院課程にて医学博士号、歯学博士号、獣医学博士号(臨床博士号を含め)を取得した人物には、Ph.D.を併記する(例、M.D., Ph.D. といったように間にカンマを打つのが慣例である)。日本では過去においては医学博士号の所持者が「学位」の意味も含め、肩書きにM.D.(歯学博士号の場合はD.M.D.,D.D.S.)とのみ記していた時期もある。
これら学位とは別に現在の日本では博士学位の有無に拘らず、医師免許、歯科医師免許、獣医師免許を持つ者をドクターと呼称するのが通例である。これに対し、職種として医師ではないが医学博士号を有する者(たとえば医学博士号を持っている看護職)も存在し、彼らもドクターではある。
これら肩書に統一性がみられないのは、戦前の教育制度上は帝国大学卒業生のみに「医学士」が与えられ事実上医学博士が帝国大学出身者に独占されており、また看護職が博士号を取得するなど考えられなかったためである。[独自研究?]明治時代の医籍簿には外国の教育機関で医学を習得したものを「ドクター」と分類していた[6]、などの歴史的経緯があり、またドクターの用語が外来語であるためその用法や解釈に統一性がみられないなどの複雑に錯綜する歴史的経緯に起因する事情がある。
1991年7月以前に授与された博士号では「博士」の前に専攻分野の名称を冠していたが(例えば文学博士、医学博士、理学博士)、1991年7月以降に授与された博士号では「博士(文学)、博士(医学)」のように「博士」に続けて括弧内に専攻分野を併記するようになった。また学位の名称の使用に際しては、授与大学名をも併記しなければならない[7]。