大航海時代
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この項目では、15世紀中ごろから17世紀中ごろのヨーロッパ人による植民地主義的な海外進出について説明しています。
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1502年に描かれたカンティーノ平面天球図。現存する最古の平面天球図であり、クリストファー・コロンブスが中央アメリカ、ガスパル・コルテ=レアルがニューファンドランド島、ヴァスコ・ダ・ガマがインド、ペドロ・アルヴァレス・カブラルがブラジルに各々赴いたことが示されている。トルデシリャス条約による分割線も図中左側に描かれている。
大航海時代の主な航路を示した地図
大航海時代(だいこうかいじだい)は、15世紀中ばから17世紀中ばまで続いた、ヨーロッパ人によるアフリカ・アジア・アメリカ大陸への大規模な航海が行われた時代。主にポルトガルとスペインにより行われた。
目次
定義
「大航海時代」の名称は、1963年岩波書店にて「大航海時代叢書」を企画していた際、それまでの「地理上の発見」、「大発見時代」(Age of Discovery / Age of Exploration)といったヨーロッパ人の立場からの見方による名称に対し、新しい視角を持ちたいとの希求から、増田義郎により命名された。増田は、大航海時代の時間的範囲について、議論があると前置きした上で、具体的な始まりと終わりの年を提案している。増田によれば、大航海時代の始まりは、1415年におけるポルトガルのセウタ攻略。終わりの年は、三十年戦争が終結し、ロシア人の探検家セミョン・デジニョフがチュクチ半島のデジニョフ岬に到達した1648年である[1]。
前史
文化・文明の伝播
人類出現以来、隣り合う文化文明は互いに交流し影響を及ぼしあってきた。文化交流は人類に限られたことではなく、道具の使用をも文化と認めるなら、チンパンジーや一部の鳥獣についても、個体間や隣り合う地域を介して文化交流が行われている[2]。人類は言葉や文字を使用するので、より円滑に文化文明を伝播することが可能であるが、極東と西ヨーロッパのように遠隔地に住む人々が直接交流するためには、試行錯誤を経た知識の蓄積や科学技術の進歩が必要であった。