原子力事故 Ⅲ【内】旧ソビエト連邦露西亜・英吉利・亜米利加…
主な軍事原子力事故
原子力潜水艦などの事故(原潜事故)について、概説する。なお、旧ソ連やアメリカをはじめ、各国とも原子力の軍事利用に関する事故の情報は軍事機密とされ、事故の詳細は公表されないことが多い。[独自研究?]
原子力潜水艦
旧ソ連・ロシア
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級の名前はNATOが命名。本当の名前は当時最高機密事項だったので、旧ソ連海軍であってもNATO名で記載する。深さは沈没した潜水艦のいる場所の深さである[注釈 6]。
- 1961年7月4日 K-19(ソ連海軍初の原潜、ホテル級原子力潜水艦、艦番号249[要出典]) 一次冷却系の圧力低下によって生じた事故である。8名が死亡した。原因は、修理中の溶接棒の破片が冷却回路内に入っていたための一次冷却回路の蒸気漏れ[要出典][注釈 7]。
- 1985年8月10日正午頃 エコー2型K-431。ウラジオストック近郊チャジマ湾の船舶修理工場で燃料棒交換中に、原子炉の誤操作で制御棒が抜かれ、炉心の核反応が高まり原子炉が爆発した。10名が即死、290名が被曝した。500万キュリーの放射能を持つ放射性の塵と、200万キュリーの放射能を持つ放射性の希ガス類が流出し、北西30kmに渡り拡散したとされる。この事故で放出された放射能は総量で推定26京ベクレルであった[35]。
アメリカ合衆国
- 1963年4月10日 米パーミット級原潜「スレッシャー」、大西洋ニューイングランド沖2,500 mにて沈没した。原子炉緊急停止。1962年6月の衝突事故と海面下の内部波の関与が疑われる。129名が死亡した。後の潜水調査で、残骸からコバルト60が検出されている。
航空機事故
- 1966年1月17日 米軍のB-52G戦略爆撃機がスペイン南部の沿岸上空で空中給油機と衝突し、4個の水爆が地上と海中に落下した。そのうち2個の水爆の起爆装置が地上で爆発し、プルトニウムとウラニウムが飛散した。1,500トンの土が回収されたが、2008年の調査では、30ヘクタールの5万立方メートルに500gのプルトニウムが深さ5mまで残っている(パロマレス米軍機墜落事故を参照)。
原子力事故を主題としたフィクション作品
※事故が物語上の1エピソードとして扱われる作品も含まれている。
- プロメテウス・クライシス (The Prometheus Crisis) - トーマス・N.スコーシア(英語版)とフランク・M.ロビンソン(英語版)による1975年のアメリカの小説。巨大原子力発電所が事故を起こしロサンゼルスを死の灰が襲う[36]。
- チャイナ・シンドローム - 1979年公開のアメリカ映画
- チェーン・リアクション - 1980年公開のオーストラリア映画
- ゴルゴ13 第213話「2万5千年の荒野」 - 日本のシリーズ漫画の、1984年に発表された当エピソードでは、南カリフォルニアで操業を開始した原子力発電所にメルトダウンの危機が迫る。ゴルゴ13は貯まった水蒸気を逃がすために原子炉内のパイプを狙撃する[37]。
- みえない雲 - 1987年発表のドイツのヤングアダルト向け小説。2006年には映画化された
- 一九九九年地球壊滅 - 1988年発表の桐山靖雄による日本の小説。世界4ヵ国にある5ヵ所の原子力発電所が爆破され、世界中に死の灰が広がる[38]。
- 第五惑星アスカ - 1989年発表の日本のライトノベル
- 夢 『赤冨士』、『鬼哭』- 1990年公開の日本、アメリカ合作映画 黒澤明監督の夢を基にしたオムニバス映画。『赤富士』では原子力事故で富士山が噴火する様子を、続く『鬼哭』では放射能汚染で人が鬼になって生きる世界を描いている。
- 罵詈雑言(バリゾーゴン)- 1996年発表の渡辺文樹監督による自主映画。福島県のある原子力発電所で起こった重大トラブルにからんで自殺、殺人事件が起こる。事件を知った主人公が村人から話を聞いて回る間に、村への大規模な原子力発電所の誘致の動きが進む[39]。
- ザ・ホワイトハウス シーズン7第12話「Duck and Cover」 - アメリカのテレビドラマシリーズの、2006年1月に放送(日本では2009年に放送。和題は『メルトダウンの危機』)された当エピソードにおいて、カリフォルニアの原子力発電所で事故が発生する。
- COPPELION - 2008年より連載が続いている日本の漫画
- 臨界幻想2011 - 1981年から82年にかけて『臨界幻想』の題で上演され、『臨界幻想2011』に改作後2012年から再演されている日本の舞台演劇
- 希望の国 - 2012年公開の日本映画
- 朝日のあたる家 - 2013年公開の日本映画
脚注
注釈
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- ^ 危険性については諸説あるが、ラスムッセン報告(Rasmussen Reports、WASH-1400、NUREG-75/014, "Reactor Safety Study, An Assessment of Accident Risks in U.S. Commercial Nuclear Power Plants."、1975年)では100万kW級の原子炉1基あたり100万年に1回以下としている。[要検証 – ノート]
- ^ 高木仁三郎 (1981)によれば、原子炉出力の2割に達する。
- ^ “発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針:原子力安全委員会決定”. 文部科学省 (1990年8月30日). 2015年10月10日閲覧。 “指針27.長期間にわたる全交流動力電源喪失は、送電線の復旧又は非常用交流電源設備の修復が期待できるので考慮する必要はない。非常用交流電源設備の信頼度が、系統構成又は運用(常に稼働状態にしておくことなど)により、十分高い場合においては、設計上全交流動力電源喪失を想定しなくてもよい。”
- ^ 原子炉蒸気を駆動源とする。緊急時炉心冷却装置(ECCS)とは異なる[22]
- ^ 2001年02月03日にも南カリフォルニアのオノフレ原子力発電所でも電源系統の火災により電源喪失を経験している[31]。
- ^ 情報源により異なるので、注意されたい。
- ^ 2002年ハリソン・フォード主演・総指揮で『K-19』として映画化された。
注釈 原子力施設の停電