ニューソート
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ニューソート(New Thought、新思考)は、19世紀アメリカ合衆国で始まったキリスト教における潮流のひとつ、一種の異端的宗教・霊性運動である。現世利益の追求を戒めるキリスト教プロテスタント系カルヴァン主義への反発を背景に生まれた[1]。
ニューソートは、アメリカのメスメリスト[2](催眠治療家)・心理療法家フィニアス・クインビー[3]やクリスチャン・サイエンスの創始者メリー・ベーカー・エディの思想を中心としていた。アメリカの対抗文化の流れを汲むニューエイジの源流のひとつであった。ラルフ・ワルド・エマーソンの哲学を支えに徐々に社会に浸透していった[4]。
ニューソートは、聖書の内容を従来とは違う立場から解釈しようとするもので、「人間の意識は宇宙と繋がっている」と考え、その根拠を聖書に求めるのが主流である[5]。
その主張には、「そもそも『原罪』は存在せず、あらゆる人々がキリストの力を内包している」、「正統的宗教哲学は数百年間過ちを犯し続けてきた」といったものが含まれていた。その教えを異端視する者がいる一方、従来の禁欲的キリスト教思想に疑問を抱いていた思想家、労働者、零細農場や工場の経営者らは触発された[6]。
「生長の家」の創設者谷口雅春が光明思想と訳しているように、気持ちを明るく保つことで運命が開ける、というポジティブ・シンキングや、イギリス出身の牧師ジョセフ・マーフィーの成功法則(日本でも著作がベストセラーになっている)などもニューソートの一環であり、いわゆる成功哲学である。
心や思考の性向が健康や経済状態として表れる(思いは現実になる)という考え方は、現代の自己啓発やビジネス書の源流である。日本では、オリソン・スウェット・マーデン(英語版)(1850 - 1924)やウィリアム・ウォーカー・アトキンソン(英語版) (1862 – 1932、別名ヨギ・ラマチャラカ)、ラルフ・ウォルド・トライン(英語版)(1866 - 1958)の翻訳書が明治後期から昭和初期に出版された[1][7]。マーデン、アトキンソンは中村天風、トラインは谷口雅春や京セラの創業者稲盛和夫などに影響を与えた[1][7]。
目次
概要
禁欲を説いたカルヴァン主義への反発として19世紀に生まれた運動で、源流として、新教のカルヴァンに火刑にされた16世紀の神学者・医者・人文主義者セルヴェストス(ミシェル・セルヴェ)や17〜8世紀の科学者・神学者・神秘家エマニュエル・スウェデンボルグを認める向きもある[4]。直接的には、フィニアス・クインビーというメスメリスト(催眠治療家)・心理療法家の治療哲学・病気観が元になっている。彼は、患者の心の在り様が病に影響しており、病気の本質は患者が持つ誤った信念であり、信念を正せば病気が治ると考えた[6]。ニューソート運動は「ポジティブ・シンキング」という言葉を通して普及し、アメリカの価値観[8]や成功哲学や自己啓発のルーツの一つとされている[9]。