遊☆戯☆王
曖昧さ回避    この項目では、高橋和希の漫画『遊☆戯☆王』、およびシリーズ全般について説明しています。その他の用法については「遊☆戯☆王 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
遊☆戯☆王
ジャンル    少年漫画、バトル漫画
漫画
作者    高橋和希
出版社    集英社
掲載誌    週刊少年ジャンプ
レーベル    ジャンプ・コミックス
集英社コミック文庫
発表号    1996年42号 - 2004年15号
巻数    単行本 全38巻+ガイドブック1巻
文庫版 全22巻
話数    全343話
アニメ作品
遊☆戯☆王 (アニメ第1作)
遊☆戯☆王デュエルモンスターズ
遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX
遊☆戯☆王5D's
遊☆戯☆王ZEXAL / ZEXAL II
遊☆戯☆王ARC-V
遊☆戯☆王VRAINS
派生漫画作品
遊☆戯☆王R
遊☆戯☆王GX
遊☆戯☆王5D's (漫画)
遊☆戯☆王ZEXAL
遊☆戯☆王 Dチーム・ゼアル
遊☆戯☆王ARC-V
遊☆戯☆王ARC-V 最強デュエリスト遊矢!!
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プロジェクト    漫画
ポータル    漫画
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関連項目
『遊☆戯☆王』(ゆうぎおう, YU-GI-OH!)は、高橋和希による日本の漫画および、それを原作としたメディアミックス作品。『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)にて1996年42号(1996年9月30日号)から2004年15号(2004年3月22日号)まで連載された。単行本(ジャンプ・コミックス)は全38巻、文庫版(集英社コミック文庫)は全22巻。


目次  
1    作品解説
1.1    特別読切
1.2    マジック&ウィザーズ
2    物語
2.1    学園編
2.2    DEATH-T編
2.3    RPG編
2.4    決闘者の王国編
2.5    D・D・D編
2.6    バトルシティ編
2.7    王(ファラオ)の記憶編
2.7.1    闘いの儀
3    登場キャラクター
3.1    モンスターカード
4    千年アイテム
5    作中に登場するゲーム
6    関連書籍
6.1    単行本
6.2    文庫版
6.3    小説
6.4    ガイドブック
6.5    画集
7    関連作品
8    アニメ
8.1    テレビアニメ
8.1.1    東映アニメーション制作版
8.1.2    NAS制作版
8.1.2.1    後続作品
8.1.3    日本国外作品
8.2    劇場用アニメ
9    ゲーム
10    脚注
11    外部リンク


作品解説
ひ弱でいじめられっ子だった高校生、武藤遊戯が、古代エジプトより伝わる闇のアイテム「千年パズル」を解いたことを契機に、彼の中に別人格であるもう1人の遊戯(闇遊戯[1])へと姿を変え、闇の番人となって世の悪人たちを次々と過激な「闇のゲーム」で叩きのめし、最後には恐ろしい「罰ゲーム」を与えていくというダークファンタジーおよびダークヒーロー(アンチヒーロー)の要素を持った物語。当の高橋和希によれば、本作のコンセプトは「主人公が絶対人を殴らない格闘モノ」[2]。原作単行本第1巻には、「身の回りの"不思議"をテーマとする」という記述もある。ちなみに最初の頃は怪奇漫画を書こうと思っていた[3]。
初期は一話完結式で、遊戯が毎回、悪人相手にさまざまなゲームを繰り広げていく内容であった。しかし、シャーディー編での人気低迷を受け、読者に好評だった架空のカードゲーム「マジック&ウィザーズ」を再登場[4]させたことで、人気を回復。以降は、「マジック&ウィザーズ」を中心とした話にシフトしていくことになる。また、SFの要素も取り入れるようになっている。
「友情」が大きなテーマとなっており、気弱だった遊戯が様々な仲間たちと出会い、友情を育み、そして成長していくという要素が物語の鍵となっている。このテーマは高橋にとって大きなこだわりであり、主人公、遊戯の「遊(ゆう)」と、かつては遊戯をいじめていたが親友となる同級生「城之内克也」の「城(じょう)」をあわせることで「友情」になるなど、キャラクター名にも反映されている。
コミックスおよび関連書籍の日本国内での累計発行部数は、2008年の時点で3600万部を突破している。
特別読切
2016年公開の劇場版『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』と連動して、原作者・高橋が自ら執筆した読切作品『TRANSCEND・GAME 遊☆戯☆王』(トランセンド・ゲーム ゆうぎおう)が、『週刊少年ジャンプ』2016年19号(4月11日発売)、20号(4月18日発売)に2号連続で掲載された。原作漫画『遊☆戯☆王』の最終話である第343話の後で、劇場版の前日譚となる物語が描かれた。原作者・高橋が執筆した『遊☆戯☆王』作品が、同誌へ掲載されるのは、連載が終了した04年3月以来、12年ぶりとなる[5]。
マジック&ウィザーズ
「マジック&ウィザーズ」(以下、M&W)とは、本作に登場する架空のトレーディングカードゲームである。実在のカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』(MtG)がモチーフとなっている[6]。本作の初期ではさまざまなオリジナルゲームが登場し、M&Wもその一つであったが、M&Wは原作漫画に登場するゲームの中でも読者から特に大きな反響を呼んだため、結果として作品自体が初期のさまざまなゲームを駆使して悪を討つという設定から、「カードゲームに秘められた古代エジプトの神秘の力を巡る戦い」へと変遷し、中盤以降はカードゲーム専従の物語が展開するようになる。
その突出した人気から、キャラクターグッズの一環で1998年にバンダイより『遊☆戯☆王カードダス』として、1999年にはコナミより『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』(遊戯王OCG)として二度実商品化されている。特にコナミから発売された遊戯王OCGは単なるキャラクターグッズの枠を超えた人気となり、2011年には累計販売枚数251億7000万枚を突破。「世界一販売枚数の多いトレーディング・カードゲーム」としてギネス認定されている[7]。2013年3月には「参加人数が最も多いトレーディングカードゲームトーナメント」としてもギネス認定された。テレビゲームをはじめとした関連商品も数多く発売され、トレーディングカードゲームを題材した類似作品が国内外問わず多数発表されている。
物語[編集]
作者は学園編、DEATH-T編、RPG編、決闘者の王国編、D・D・D編、バトルシティ編、王の記憶編の全7章としている。
学園編[編集]
第1巻(遊闘1) - 第4巻(遊闘25)、第5巻(遊闘41) - 第6巻(遊闘49)
ゲーム好きな高校生、「武藤遊戯」は、いじめに遭って友達がいなかった。彼は祖父の双六から貰った、誰も解いたことのない古代エジプトの秘宝「千年パズル」を8年間も組み立て続けていた。パズルを解くことに成功したその瞬間、ゲームの天才としての技量を身につけた大胆不敵なもう一つの人格・闇遊戯が覚醒する。以降、遊戯自らも気が付かないままに闇遊戯は表出し、世の中にはびこるならず者に「闇のゲーム」を挑み、敗北すれば恐ろしい「罰ゲーム」を下して成敗してゆく闇の番人となる。
そんなある日、友人の「城之内克也」らとカードゲーム「M&W(マジック&ウィザーズ)」をプレイしていた遊戯は、M&Wの強豪で同級生の「海馬瀬人」に、双六の大切なカード「青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)」を盗まれる。遊戯の心を傷つけた海馬を倒し、ブルーアイズを奪い返すため、闇遊戯はM&Wで海馬に勝負を挑む[8]。
その後、遊戯はエジプトから訪れた謎の青年「シャーディー」との出会いを経て、千年パズルに秘められた謎に足を踏み入れてゆくこととなる。
DEATH-T編[編集]
第4巻(遊闘26) - 第5巻(遊闘40)
闇遊戯にM&Wで敗北した海馬は、遊戯に対する逆恨みから「DEATH-T(死のテーマパーク)」という復讐計画を遂行する。自身が社長を務める「海馬コーポレーション」の財力を用いてテーマパーク「海馬ランド」を建設していた海馬は、そこに設置された死のアトラクション「DEATH-T」に遊戯たちを招き入れる。海馬は、事前に拉致していた双六に「デュエルボックス」でデュエルを挑み、さらには敗北した双六の信じる心が宿ったカード「青眼の白龍」を破り捨てたうえに、自身が体験した罰ゲームの擬似体験を老体の双六に冷徹にも下す。双六を助けるためDEATH-Tに挑むことになった遊戯たちは、海馬が仕掛ける危険なアトラクションや様々な刺客との闘いを潜り抜け、海馬の待つ最上階へと向かう。
RPG編[編集]
第6巻(遊闘50) - 第7巻(遊闘59)
不思議な雰囲気を持つ美少年「獏良了」が、遊戯たちのクラスに転校してくる。獏良は転校を繰り返し、自ら友達を作ろうとしない孤独な少年であった。獏良が所有する千年アイテムの1つ「千年リング」は、遊戯の千年パズル同様にもう一つの人格を宿していた。しかし、その人格は凶悪そのものであり、獏良の知らぬうちに彼の友人を次々と襲っており、獏良が転校を繰り返す原因となっていた。何も知らない遊戯たちは、獏良を心配して家を訪れる。獏良はかつての二の舞にならないために遊戯たちを拒絶するが、もう一つの人格「バクラ」によって肉体を乗っ取られる。バクラは遊戯たちを上手く欺き、彼らとTRPG「モンスターワールド」を開始する。しかし、徐々にそれが命をも落としかねない闇のゲームであったことが明らかとなってゆく。遊戯たちは困惑するなか、モンスターワールドで絶対的支配者・ゲームマスターに君臨するバクラに命がけの勝負を挑む。この戦いの中で、遊戯は初めて闇遊戯と対面する。
決闘者の王国編[編集]
第7巻(遊闘60) - 第15巻(遊闘133)
M&W全国大会決勝戦の日、それをテレビで観戦する遊戯のもとに、M&Wの創造者である「ペガサス・J・クロフォード」から1通のビデオレターが届く。ビデオレターに映ったペガサスは、遊戯にビデオの中でデュエルを挑むと宣言する。困惑しながらもデュエルを開始する遊戯だが、1ターン目のやりとりで闇のゲームであることに気付き、闇遊戯が戦う。闇遊戯はペガサスの策略に苦しみながらもあと一歩のところまで追いつめるが、ビデオテープの時間切れによって敗北する。その罰ゲームとして、双六の魂がビデオテープに封印される。ペガサスは双六を助ける条件として、自らが主宰するM&W大会「決闘者の王国(デュエリストキングダム)」への参加を要求し、そして最後に自分が千年アイテムの1つ「千年眼(ミレニアム・アイ)」の所有者であることを告げる。遊戯は双六を救うため、「決闘者の王国」への参加を決意。一方、城之内は離れ離れに暮らす妹、川井静香から送られたビデオレターを見て、彼女が先天性の病気で近く失明すると知る。最先端の医療を受けさせて静香の目を治すと決めた城之内もまた、賞金を勝ち取るために王国に参加。ペガサス島で始まった「決闘者の王国」には国内各地から名だたるデュエリストが集い、様々な思いが交錯するなか、遊戯たちはそれぞれの目標を果たすために激戦を勝ち抜いていく。彼らの前に海馬の弟・モクバが現れ、ペガサスが海馬コーポレーション占領を企てていることを話す。だが、その直後にモクバはペガサスに拉致される。そのころ、DEATH-Tで闇遊戯の罰ゲームを受けて以来、意識不明の状態が続いていた海馬も意識を取り戻し、モクバ救出と自社防衛のために島を訪れる。
王国編のデュエルは、「上級モンスターカード召喚に生け贄(現在はリリースに改称)が不要、ライフポイント2000、ダイレクト・アタック不可[9]」といった、バトルシティ編以降のルールとは違うルールである。また、ソリッドビジョンシステムはテーブル型で、この王国編ではのちの次世代決闘盤(デュエルディスク)の雛型である投げる決闘盤も登場する。
D・D・D編[編集]
第16巻(遊闘134) - 第17巻(遊闘145)
「決闘者の王国」での闘いから数日。遊戯たちの住む童実野町に最新ゲーム店「ブラック・クラウン」がオープンする。店オリジナルの新作ゲーム「D・D・D(ドラゴン・ダイス&ダンジョンズ)」を購入しようとブラック・クラウンに赴いた遊戯は、店主のMr.クラウンの罠で千年パズルを奪われる。双六に強い恨みを持つMr.クラウンはその恨みを晴らすため、D・D・Dの創造主である息子「御伽龍児」と遊戯を対戦させる。千年パズルが奪われた遊戯は、パズルと闇遊戯を取り戻すために自分一人の力で戦いに臨む。
バトルシティ編[編集]
第17巻(遊闘146) - 第31巻(遊闘278)
海馬は童実野美術館でエジプト政府要人・エジプト考古局長官の「イシズ・イシュタール」と出会う。彼女は、海馬に「3枚の神のカード」にまつわる伝説と、その神のカードの内2枚がレアカード強奪集団「グールズ」によって奪われたことを聞かせ、残された1枚である「オベリスクの巨神兵」を託すとともに、奪われた神のカードの奪還を依頼。海馬は依頼を承諾し、カード奪還のためにアンティルールを適用したデュエル大会「バトルシティ」の開催を宣言する。時を同じくして、童実野美術館を訪れた闇遊戯はエジプトで出土した5枚の大きな石版を目の当たりにする。そこに刻まれていた、まさしく彼自身の姿を模した彫刻に闇遊戯は驚くが、自らの失われた記憶を取り戻す鍵が神のカードにあると推測する。
一方、グールズ側もバトルシティに向けて動き出す。バトルシティ開催前夜、城之内は自分の切り札である「真紅眼の黒竜」をグールズのレア・ハンターに奪われる。翌日に真紅眼は闇遊戯の手で奪還されるが、この一件で己の未熟さを思い知らされた城之内は真紅眼を闇遊戯に預けてバトルシティを戦い、自分が真の決闘者になったその時に真紅眼を受け取り、改めて闇遊戯とデュエルすることを誓う。また、「オシリスの天空竜」と「ラーの翼神竜」、千年アイテムの1つ「千年ロッド」の所持者であるグールズの総帥「マリク」も童実野町を訪れ、海馬の持つオベリスクとその他のレアカード、さらには闇遊戯の命を狙って部下とともに活動を開始する。遊戯、城之内、海馬、マリクは決勝トーナメントに勝ち上がるが、そこには奇しくも千年アイテムと、そしてそれに少なからぬ因縁を持つ者たちが集まっていた。だが、大会がいよいよ終幕に近づいたとき、マリクに宿っていた邪悪な人格が目覚めたことで事態は急変する。
王(ファラオ)の記憶編[編集]
第32巻(遊闘279) - 第38巻(遊闘343)
バトルシティ大会を制した闇遊戯は、3枚の神のカードを手に入れる。神のカードを童実野美術館の石版の前にかざした瞬間、闇遊戯は古代エジプトの王宮の王座に身を置いていた。闇遊戯は、千年アイテムを身に付けた側近や六神官から「ファラオ」と呼ばれるが、自身の真の名は分からずじまいとなる。その直後、沢山の金銀財宝を抱える「盗賊王バクラ」が王宮に侵入する。神官らとバクラは互いに魔物や精霊を召喚して「ディアハ」と呼ばれる戦闘を行うが、その姿はまさしく現代のM&Wそのものであった。バクラの強力な精霊に次第に神官団は圧倒されはじめたため、闇遊戯は神を率いてバクラに戦いを挑む。一方、美術館に残された遊戯たちは闇遊戯の本当の名と記憶を明らかにすべく、闇遊戯(ファラオ)の記憶の世界へ入り込み、やがて王の真の名が封印されている王家の谷に向かう。しかし、その奥にはバクラが立ちはだかり、遊戯にM&Wでの戦いを挑む。両者の戦いが激化していく中、彼らはファラオの真の名「アテム」を探り当てる。
作者は当初、王に過去に起こった実際の出来事を描こうと思っていたが、それでは遊戯たちが登場しないため、千年パズルが再現する史実とは異なる世界になったと文庫本第19巻のインタビューで語っている。
原作初期の学園編や、獏良が初登場したモンスターワールド編を布石とした本編のクライマックスである。物語上の様々な謎や伏線はほぼこの章で明らかとなる。
闘いの儀[編集]
すべての記憶を取り戻したアテム。1か月後、アテムを冥界に帰すため、イシュタール家の誘いでエジプトを訪れた遊戯たちは、マリクから「闘いの儀」について聞かされる。誰かがアテムとデュエルを行い、魂を安らかに眠らせる必要があるという。その戦いは遊戯が自らの意思で受けることとなる。ルクソールの王家の神殿で、遊戯とアテムの最後のデュエルが開始される。仲間たちに見守られるなか、二人はお互いに一歩も引かず、一デュエリストとして真剣勝負を繰り広げる。
闘いの儀は、展開が省略されずに描かれたデュエルの中では、最初の遊戯vs海馬戦の次に短いデュエルとなっている。これは、作者が連載終盤に吐血するなどの体調不良に見舞われたため、予定より連載終了時期を早めたためである。アニメでは原作をもとに大幅な肉付けがなされ、アテムがラーを操るシーンも描かれている。