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【教養としての神秘主義 第1回】

2013.12.10

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キャプテン・ハトン

 

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 本や雑誌、インターネット、そしてSNSによって膨大に情報が飛び交う現代社会において、その情報の真偽をチェックする判断力は重要だ。しかし、ウソかホントかばかり気にしていては「ケツの穴が小さいヤツだ」「細けえことはいいんだよ」などの誹りは免れない。むしろ、真実よりも甘く、大事なウソを楽しめてこそ、余裕がある大人として認められるのではないだろうか。本連載「教養としての神秘主義」では、そんな大人のためのミステリー情報をお伝えしていく――。


教養としての神秘主義 第1回
キャプテン・ハトン


我々が生きる宇宙は実は10次元か11次元ある」。突然、こんな風に教えられたらさぞかし驚いてしまうはずだ。

 しかし、最新の物理学の世界で「宇宙誕生の謎を解く鍵」と呼ばれる「超ひも理論(超弦理論)」では、宇宙の空間次元はそのような認識できない次元まで広がっているとされる。「我々が生きる3次元空間に、時間を加えた4次元の空間次元、さらに5次元、6次元の空間次元が存在し、宇宙誕生の瞬間に3次元の空間次元だけがインフレーションをおこした」……と説明されても常人の想像力ではなかなかついていけないのが正直な感想だろう。試しに、Wikipediaの超ひも理論のページを読んでみてほしい。まるでハードなSF小説を読んでいる気分になるだろう。


■意外と「近い」物理学とニューエイジ思想

 ホンモノの研究者には迷惑な話かもしれないが、超ひも理論で用いられる馴染みのないテクニカル・タームが醸し出す、このSF感覚……。これは、ニューエイジ思想のそれと通じるものがあるのではないだろうか。

 たとえば、「5次元以上の空間次元が宇宙には存在する」という説明は「5次元宇宙へのアセンション」を唱えるニューエイジ信奉者の言葉を彷彿とさせる。ニューエイジ思想では、間もなく地球には、2万6千年に1度の次元上昇の機会が訪れ、アセンションを望み、カルマを取り除くことのできる人間だけが、肉体を持たず“意識だけで生きることができる”という5次元宇宙に移行できる、と信じられている。彼らの物言いは「東洋思想と最新物理学の混合」として読めなくもない。


■キャプテン・ハトンとともに4次元宇宙へ

 さて、アセンションは5次元宇宙への到達が目標とされているが、その前に4次元宇宙への移民計画が密かに進んでいることをご存じだろうか。

 計画責任者は、ギエオルゴス・セレス・ハトン(通称、キャプテン・ハトン)というプレイアデス星人。肩書きはこうだ。


プレイアデス地区戦闘司令官、宇宙間連合艦隊の指揮官、銀河系議会と宇宙間連邦議会における地球代表。
 

 一説によれば北欧系人種のイケメンだといういう彼は、宇宙船フェニックス号から地球に向けてのメッセージを日々発信している。1992年、ラジオ・インタビューに彼が応じた際には「100万隻以上の宇宙船を指揮している」「私のミッションは、この惑星から『神に選ばれた人々』を運ぶことだ」と語った。

 時がくれば我々は、ハトンによって4次元宇宙へと運ばれるのである。

 こうしたハトンからのメッセージをまとめ、一般人にも分かりやすく啓発しようというのがアメリカのラスヴェガスに拠点を置く『フェニックス・ジャーナルズ』である。同団体は、現在、ドリス・エッカーという人物を中心として定期的にフリー・ペーパーを発行している(http://www.phoenixsourcedistributors.com/)。

 その内容は、ハトンからのメッセージのほかに、彼の協力者たちからの寄稿によって構成されている。4次元宇宙への移民計画の遂行とともに、世界経済を牛耳るユダヤ人たちの陰謀や、悪魔主義者たちから人類を守ろうという彼らの意志はとても刺激的だ

 

 

 ハトンのメッセージを受け取る人物たち(いわゆるコンタクティ)の歴史は古く、アメリカの政治学者、マイケル・バーカンが『現代アメリカの陰謀論: 黙示録・秘密結社・ユダヤ人・異星人』(三交社)でまとめているところによれば、1950年代初頭にまでさかのぼる。歴史上初めてUFOの目撃談が報告されたのは1947年のことだというが、その5年後、1952年にはジョージ・アダムスキーが空飛ぶ円盤を目撃したことで有名となった。

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画像は、アダムスキー(左)You Tubeより

 アダムスキーの名前は、「アダムスキー型宇宙船」として、UFO史に残ったが、彼とともに空飛ぶ円盤を目撃したジョージ・ハント・ウィリアムソンはほとんど無名の人物といっていいだろう。しかし、彼こそが史上初めてハトンとコンタクトした男だった。

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画像は、ジョージ・ハント・ウィリアムソン。UFOobcより


■いくつもの顔を持つキャプテン・ハトン

 しかし、ウィリアムソンがコンタクトした異星人は、現在伝えられているハトンのプロフィールとは微妙に異なっている。

 当初、ハトンは人名ではなく「アンドロメダ星雲の惑星ハトン」という地名だった。ハトンが人名に変わるのは、ウィリアムソンの影響を受け、仲間とともに地球外生命体との通信装置を開発した、デトロイトのテレビ修理工、リチャード・T・ミラーの報告からである。

 彼は1954年に通信装置を完成させると、日常的に宇宙人と連絡を取り合い、宇宙船に乗せてもらったこともあるという。通信装置を完成させた20年後の1974年、彼はハトンからのメッセージを初めて受け取っている。ここで興味深いのは、ミラーが『フェニックス・ジャーナルズ』によって伝えられるハトンからのメッセージを「詐欺同然だ」と非難している点だ。ミラーがコンタクトするハトンは、4次元宇宙への移民計画になど関わっていないらしい

 地名なのか、人名なのか。4次元宇宙への移民計画の責任者なのか、そうでないのか。ハトンの存在にはハッキリしないところが多々あるが、無事に我々が4次元宇宙へと運ばれる日がくれば、超ひも理論で語られる「認識しえない5次元以上の宇宙」も容易に理解できるはずだ。ハトンと『フェニックス・ジャーナルズ』の有志たちの活躍によって、人類は世界を支配するロックフェラー財団やユダヤ人たちの支配から抜け出し、本当の自由と、本当の世界認識を手に入れられるのだから……。