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【CIAハッキング暴露】スノーデンがTwitterで“問題の本質”を指摘! ウィキリークス事件はこう読み解く
2017.03.08
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今月7日、情報漏えいサイト「ウィキリークス」がCIA機密資料「Vault7」を一部公開した。2013年から2016年にかけて収集された8761点にものぼる資料に、CIAによる「ハッキングの事実」が赤裸々に書かれていることが分かり、世界中に衝撃が走っている。
画像は「Daily Mail」より引用
■CIAがスマホを国家的にハッキングしていた!
「ウィキリークス」の発表によると、CIAはiPhone、Andorid、Windows、サムスン社製テレビ、自動車などに「ゼロデイ攻撃(システムの脆弱性を狙った攻撃)」を仕掛けるためのマルウェアやツールを下部組織のEDG(Engineering Development Group)などで作成していたことが明らかになったという。
すでにネット上では大変な騒ぎになっているが、その中でも特に注目を集めているのが元NSA(アメリカ国家安全保障局)職員で、かつて機密情報を暴露したエドワード・スノーデンのTwitterでの発言だ。スノーデンは今回のリークと直接の関係はないが、同資料を「本物のようだ」と語り、さらなる驚愕の事実を暴露している。
画像は「Wikileaks」より引用
Why is this dangerous? Because until closed, any hacker can use the security hole the CIA left open to break into any iPhone in the world. https://t.co/xK0aILAdFI
— Edward Snowden (@Snowden) 2017年3月7日
「まだ全部は読めていないけど、これは本当にすごい資料だ。本物だと思う」
「どうして本物のように見えるか? プログラムやオフィスの名称が本物だからだ。これは内部に通じている人間にしか分からない」
「CIAがテレビを使ったスパイ活動に躍起になっている世界を想像してみるといい。それが現実だ」
「米国政府が自国の電子機器に脆弱性を植え付け、意図的にそれを放置していることが、このCIA資料で明らかになった。言葉も出ない」
「CIAとFBIはアメリカで最も使われているスマートフォンの深刻な脆弱性にとっくに気付いているのに、スパイ活動を行うために放置している」
「どうしてこのことが危険なのか? なぜならCIAが放置しているiPhoneの脆弱性は、修正されるまで世界中のどんなハッカーでも利用できるからだ」
■米政府のハッキングプログラム購入履歴
さらに「米政府が秘密裏にアメリカ製ソフトウェエアを危険に陥れている初の公的証拠」として、システム上の脆弱性を攻撃するプログラムをNSAが購入したことを示す表に言及。
画像は「Twitter」より引用
また過去にNSAは、EMC(現Dell EMC)傘下のセキュリティ会社「RSAセキュリティ」と1000万ドルの契約を結び、暗号化製品に“裏口”を空けるための「欠陥アルゴリズム」を作成、広めていたことも分かっている(2013年12月20日付の「ロイター」)。スノーデンが指摘するように、CIAもシステムの脆弱性を利用しているとしても何の不思議もないだろう。
これまで一部の陰謀論者が再三危惧していた事態、「スマートフォン」による国家規模の盗聴が事実であることがついに明らかになった。ここまでくると、Androidを提供するGoogleやiPhoneを提供するAppleが政府とグルになって国民のプライバシーを丸裸にしている可能性もあるだろう。
画像は「Thinkstock」より引用
その他にも、
・自動車やトラックの制御システムをハッキングした上での暗殺計画
・サムスン社の「スマートテレビ」を“嘘のオフモード(Fake-Off)”にし、盗聴するツールを英情報機関「MI5」と開発
・CIAハッカーらの中心基地が、ドイツ・フランクフルトのアメリカ領事館であること
などが明らかになっている。しかし、今回公開された資料は「Year Zero」と名付けられた「Vault7」の一部に過ぎない上、人物名、Eメールアドレス、IPアドレスなどは伏せられている。「ウィキリークス」創設者ジュリアン・アサンジによると、「Year Zero」だけでもこれまでに漏えいした米国のスパイ行為関連機密資料で最大の規模となっているそうだが、今後さらなる驚愕の事実が飛び出してくるとみて間違いないだろう。全てが白日の下に晒された時、CIAがどのように火消しに走るか、今から見物である。
(編集部)
参考:「Wikileaks」、「The Independent」、「Reuters」、「Twitter」、ほか