アメリカ、児童労働の歴史がわかる30枚の写真(1908年 - 1916年)

2013年08月14日 ι コメント(55) ι 画像 ι 歴史・文化 ι #

 

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 国際的には児童労働を何歳以下の労働とするのかは明確にされていない。国際労働機関(ILO)の「就業の最低年齢に関する条約(第138号)」では、労働を禁止する最低年齢を「義務教育年齢及び、いかなる場合にも、15歳を下回らないもの」とし、「健康、安全又は道徳を損なう恐れのある業務につかせることができる最低年齢は、18歳を下回らないもの」としている。

 現在は貧困地域の児童労働が問題となっているが、かつては日本も、そしてアメリカでも、学校に行かず労働を強いられていた子どもたちがいた。これらの写真は写真家のルイス・ハインが撮ったもので、アメリカでの児童労働の規制を改める助けとなったそうだ。


 

1.1910年6月 米デラウェア州、スタンフォード

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ロス缶詰工場で働く8歳のデイジー・ランフォード。彼女は蓋をする機械の手伝いをするが、その仕事についていけない。そのため1分間に40個の缶の上に蓋をのせる作業場でフルタイムで働く。撮影当時は彼女が缶詰工場で働き始めた最初の年だった。

 

2.1908年8月 米インディアナ州、インディアナポリス

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インディアナポリスの家具工場で働く子ども達。

 

3.1908年9月 米オハイオ州、シンシナティ

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17歳のローレンスJ. ヒルは、ランプ工場の型押し機で4本の指を潰してしまった。

 

4.1908年10月 米ウェストバージニア州

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Lehrガラス製造所で働く2人の少年。

 

5.1908年8月 米インディアナ州、インディアナポリス

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ある紡績工場の昼休み。

 

6.1910年11月 米テネシー州、ファイエット

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エルク紡績工場で糸を紡ぐ子ども達。ルイスによると、一番幼い少女は自分の名前をよく分かってなかったようだ。

 

7.1908年11月 米ノースカロライナ州、リンカールトン

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Daniels Mfg. Co.で紡績工として働く少女。

 

8.1911年5月 米ミシシッピ州、トゥペロ

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イネス・ジョンソン(9歳)と彼女のいとこ(7歳)。二人はいつも糸を巻き取る作業をしていた。

 

9.1908年11月 米ノースカロライナ州、ガストニア

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紡績工場 Loray Mill での仕事を終えて帰宅する児童労働者たち。右端の1番小さな男の子の名はジョン・ムーア (13歳)。彼は6歳からその紡績工場で糸を紡ぐなどの作業をしていた。

 

10.1913年10月 米テキサス州、サンアントニオ

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 3人の兄弟、ボイス(10歳)、ローレンス(7歳)、名前不明の1番下の男の子(5歳)、父親が病を患っているため新聞販売をして互いに支え合っている。三人の仕事は朝6時に始まり午後9時や10時まで新聞を売ることだ。

 

11.1910年5月 米ミシシッピ州、セントルイス

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 一服している新聞配達員の子どもたち

 

12.1908年8月 インディアナ州、インディアナポリス

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 13人のインディアナポリスの新聞配達の少年達。新聞社で野球の特集版を待っている。

 

13.1908年6月 ミズーリ州、セントルイス

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 グランドパークで新聞を売るフランシス・ランスは5歳の少年だ。

 

14.1916年8月 米ケンタッキー州、アルバートン

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 アモス(6歳)とホーラス(4歳)。彼らは父親の農場にあるタバコ工場で、毎日"日が昇ってから沈むまで"害虫の駆除や株分け作業をしていた。

 

15.1916年10月 オクラホマ州、コマンチ郡

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 ジュエル(6歳)とホラルド・ウォーカー(5歳)。共に1日20から25ポンド(約9から11kg)の綿花を摘むのが仕事だ。
 

16.1913年10月 テキサス州、ヒューストン周辺

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 ヒューストン付近の農場で綿花摘みをする4歳のミリー。彼女は1日に8ポンド(4kg近い)綿花を摘んだ。

 

17.1913年2月 サウスカリフォルニア州、ブラフトン

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 ロージー(7歳)は牡蠣の殻むきの正規作業員だった。撮影時、彼女はバーン& プラット缶詰工場で働いて2年目に入っていた。

 

18.1911年1月 ペンシルベニア州、ピッツトン

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 ヒューストン炭鉱のブレーカー・ボーイズ(石炭から不純物を取り除く仕事をする少年たち。)

 

19.1911年1月 ペンシルベニア州、ピッツトン

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 ブレーカー・ボーイズは厳しい雇用主から突かれたり蹴られたりすることもあった。

 

20.1911年6月 バージニア州、リッチモンド

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 新聞配達の少年達。帽子を被るリチャード・グリーン(5歳)とリッチモンド(自称8歳)

 

21.1911年3月 牡蠣の殻むきをする子どもたち

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 ロージーは8歳の牡蠣の殻むき作業員。ダンバー缶詰工場で午前3:00から午後5:00まで毎日働いた。ルイスによると写真の中の幼児もナイフを使えるようになるとすぐに殻むきを学ぶという。

 

22.1911年3月 ミシシッピ州セントルイス、ベイ・ストリート

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 マウド・ダリ(5歳)と彼女の姉グレード・ダリ(3歳)、Peerless Oyster Co.のために一日置きに容器1つ分のエビを捕まえていた。

 

23.1910年11月 アラバマ州、ペルシティ

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 ペルシティ紡績工場で糸巻き作業をする子ども達。

 

24.1910年11月 アラバマ州、バーミンガム

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 掃除人(紡績機周辺の清掃をする)として働いたドニー・コール。
 ルイスが年齢をたずねると、ためらいながら"12歳だよ"と答えたという。

 

25.1913年4月 ジョージア州、コロンバス

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 紡績工場のフェニックス・ミルは、一日に多い時は10食分の夕食を労働者達の所へ運んでいた。

 

26.1909年1月 ジョージア州、オーガスタ

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 紡績工場のGlobe Cotton Millで糸を紡ぐ仕事をする幼い少女。職人の管理者は、普段から彼女を雇っていることを認めた。

 

27.1908年12月 テネシー州、ラウドン

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 多くの幼い労働者達と同じく、とても小柄なこの少女も箱の上に立たなければ機械にとどかなかった。

 

28.1911年2月 サウスカロライナ州、ポートロイヤル

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 ジョージー(6歳)、バーサ(6歳)、ソフィ(10歳)。彼女らはMaggioni缶詰工場で貝の殻むき作業をしていた。

 

29.1909年1月 フロリダ州タンパ

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 Englahardt & Co.にて葉巻製造者として働く子ども達。

 

30.1909年6月 メリーランド州、ボルチモア

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 J. S. Farrand Packing Co.という食料品包装工場でサヤインゲンを扱う幼い子ども達。働くには小さすぎる子ども達は作業する子ども達の膝の上にのせられる。

via:buzzfeed 原文翻訳:R

 動画スライドショー:米国の児童労働、1908年から1920年

 

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