まさかのスカイネット?人間の脳に似た自ら進化を遂げる回路が作製される(アメリカ)

2010年04月28日 ι コメント(60) ι 知る ι サイエンス&テクノロジー ι #

 

sukainet

 物質・材料研究機構ナノ計測センターは米ミシガン工科大学、情報通信研究機構と共同で、有機分子を使い、人間の脳に似たプロセスを持つ進化回路を作製した。大規模な並列計算をする脳型コンピューターを作り、自然災害やがん細胞の進化など複雑な現象のシミュレーションなどに応用するという。

 


物材機構・米ミシガン工科大など、人間の脳に似たプロセス持つ進化回路を作製

 開発回路で構成した分子プロセッサーは一度に300ビットの並列計算が可能。有機分子層が持つ自己組織化の性質を利用、脳の神経回路(ニューロン)のように欠陥を自ら修復する機能を持つ。従来の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)を使う進化論的な回路は6、7個の回路数だが、開発回路は10の24乗の回路から選択できるという。

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 自ら進化を遂げる進化的な回路は、1955年にフォン・ノイマンが提案した「セル・オートマトン」モデルに基づく。

 ちなみにセル・オートマトンとは、格子状のセルと単純な規則からなる、離散的計算モデルである。計算可能性理論、数学、理論生物学などの研究で利用される。非常に単純化されたモデルであるが、生命現象、結晶の成長、乱流といった複雑な自然現象を模した、驚くほどに豊かな結果を与えてくれる。
 



浅田彰が説明するセル・オートマトン




 もしこれでロボットたちが人間のように自ら進化をしはじめたのなら、あの映画やあの漫画のような世界がやってくるのかどうかはわからないままなんだ。