シヴィライゼーションⅠ【等星級GAME】目次概要 

 

シリーズとシド・マイヤーの関わり

シリーズのタイトルに冠されているシド・マイヤー (Sid Meier) の名前だが、彼が実際に制作に関わったのは初代Civilizationと2008年に家庭用ゲーム機向きに展開されたCivilization Revolutionの2作のみである。Civilization II以降の作品では、監修のみを担当し、実際の制作には関わっていない。しかし、主にマーケティング上の理由により彼の名前が冠されている。海外ゲーム情報が乏しかった1990年代の日本では、このような事情がほとんど伝わらず、シリーズ全てを実際にシド・マイヤー本人が制作していると勘違いされることも多かった。
シリーズ第2作のCivilization IIや、外伝のアルファケンタウリを担当したブライアン・レイノルズ(英語版)は、後に独立しBig Huge Games(英語版)でRise of Nationsを担当。また、シリーズ第4作のCivilization IVを担当したソーレン・ジョンソン(英語版)は、その後、エレクトロニックアーツでウィル・ライトの新作Sporeの制作に携わっている。

プラットフォーム

初代Civilizationは、MS-DOSベースのIBM互換機向けに発売された。以後、Windows3.1に対応したCivilization II、Windows95以降の環境に対応したアルファケンタウリとCivilization III。Windows XP以降の環境に対応したCivilization IV、Windows XP SP3 / Vista SP2 / 7/ 8に対応したCivilization Vが発売され、最新作のCivilization ⅥではWindows 7 64bit / 8.1 64bit / 10 64bitに対応するなど、主にパソコン用ゲームとして開発販売されている。
日本国内では98版が1992年に発売、その後Windows、Macintoshや各種ゲーム機用に日本語版が発売されている。
2009年に各種プラットホーム向けに発売されたCivilization Revolutionは、翌年ニンテンドーDS用のものがiPhone/iPad用に移植された。
Civilization Vについては、2014年より、LinuxとLinuxをベースにしたSteam OSでも、サポートされるようになった。ただし、Linuxについては、すべてのディストリビューションがサポートされているわけではなく、一部のディストリビューションをテストしているだけである。
また、有志によりオープンソースで開発されているFreeCivなどのクローンも存在する。

特徴

シヴィライゼーションは、もともと一人用のゲームである。後に多人数対戦用のCivNetが発売され、続編には当初からその機能が組み込まれている。プレイヤーは、ある文明の支配者として、1つか2つの植民者 (Settler) ユニットから帝国の建設を始める(IIIでは、労働者 (Worker) ユニットも与えられる)。2つから6つの競争相手となる文明を設定することができる。ゲームはターン制であり、細かく行動を決めていく必要がある。紀元前4000年からゲームは始まり、21世紀にゲームは終了する。その間にユニットを使い、新しい都市を作り、大地を均し、鉱山を開発し、道、そして後には鉄道を建設することができる。

探検戦争外交の3つは重要な戦略ではあるが、より細かい戦略も重視される。どの都市でどのユニットを生産し、どこに新しい都市を作るか、それにどのように最大の発展をするために都市の周囲を開発していくかもプレイヤーの手にゆだねられる。時にはバーバリアンと呼ばれるどの文明にも属さないユニットが都市を襲撃することもある(バーバリアンは、全ての土地が発見された後には登場しない)。

ゲームを始める前に、どの文明を選ぶか決める。それぞれの文明には得意、不得手とする分野があるが、文明の真価はプレイヤーではなく、コンピューターが動かす時により強く発揮され、文明ごとに戦略方針が変わってくることに表れる。例えばアステカ文明は、強硬な拡張主義を取り、外交より戦争を好む。他に、アメリカモンゴルローマ等の文明を選択することができ、それぞれの文明を代表する歴史的指導者によって指揮される。

時代が進むにつれ、新しい技術が開発される。序盤は、陶芸車輪、それに文字といった技術しか開発できないが、終盤には核技術や宇宙飛行なども開発できるようになる。最初に有効な技術を手に入れることは大きな優位をもたらす。技術の開発により、新しいユニットの生産や都市を発展させる技術の利用、それにその技術から派生する新たな技術の開発ができるようになる。新しい技術はそれまでに獲得された1つ、または複数の技術の組み合わせを元に達成される。車輪の技術を開発する事によりチャリオット・ユニットを生産できるようになり、陶芸の開発終了により、貯蔵用陶器を手に入れたことで穀物貯蔵所を利用できる。このように技術を開発するごとにさらに他の技術が開発できるようになることを、枝分かれする木に例え「テクノロジーツリー」と呼ぶことがある。これ以後、他のゲームでもこのアイデアは利用された(テクノロジー・ツリーのアイデアは最初イギリスで発表され、アメリカではアバロン・ヒル社から発売された同題の多人数ボードゲームに由来する)。

プレイヤーの最終的な目的は武力による征服だけではない。宇宙船を開発し、最初にほかの惑星(アルファ・ケンタウリ)に移住できるかを競うこともできる。国連事務総長選挙で勝てば平和的勝利となる。シリーズが進むにつれ、文化勝利、経済的勝利というルールも追加された。これらは新しいゲームをスタートした時に勝利条件として設定され、いずれかを満たせばその時点で勝利したことになるし、期限までプレイを続けなくてもかまわない(その場合点数で順位がつけられる)。プレイヤーは様々な戦略、プレイスタイルでゲームに挑むことができる。