旧ソ連の未来兵器計画により生み出された自走レーザー兵器システム「1K17」
2012年05月21日 ι コメント(32) ι 画像 ι 歴史・文化 ι #
1970年代後半から、ソビエト連邦とアメリカ合衆国では各種の「未来兵器」が構想された。ソ連では、「レーザー光線を軍事用に用いることが最も現実的かつ実現が容易である」、と結論付けられたため、レーザー光線を軍事用に応用することに主軸を置いて研究開発を進めた。
「1K17」は、そんな未来兵器構想の一環として1980年代後半に開発が開始されたもので、高出力のレーザー光線を発生させて照射するための装置を、T-80戦車のものを流用した車体に砲塔式に搭載した「自走レーザー兵器」である。
ソース:Star Wars Laser Machines of the Soviet Past | English Russia
1K17 - Wikipedia
「1K17」は、「レーザー砲戦車」と呼称されることもあるが、レーザー光線を“熱線”として発射して目標を破壊するものではなく、敵の航空機やミサイル等のセンサー、もしくは人間の視覚を高出力のレーザーで照射し、損傷させて無力化するための兵器システムなのだそうだ。
試作車両は1990年に完成し、1992年から各種のテストが行われた。開発チームの責任者はその功績により国家表彰を受けている。しかし、ソ連の崩壊に伴って開発計画は中断し、高額の開発費用からロシア連邦発足後は研究開発は継続されず、計画中止となった。
1K11は車体部のみがスクラップヤードに放置されているが、1K17は現在もモスクワ近郊の「軍事技術博物館」で保管されている。
実践予想図
Советский лазерный танк 1К17 "Сжатие"
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