うつ病は心だけでなく体にも影響を与える。うつ病が及ぼす様々な症状
2014年10月09日 ι コメント(59) ι 知る ι 料理・健康・暮らし ι #
うつ病は、心の病と言われているが心だけではない。人それぞれに症状が違い様々な影響をおよぼす。その病について、「まるで虚空に捕らえられるようだ」と表現する人もいれば、「暗雲のようだ」という人もいる。
その個人的な感覚がどのようなものであろうと、その病が体にも悪影響をおよぼすことがあるのを知らない人は多い。
身体と心に悪影響をおよぼすうつ
うつ病患者は診断されているだけでも、世界で3億5千万人いると言われている。一口にうつ病といっても、単純にその病の過酷さを語るのは難しい。うつの特徴には”悲しみ”があげられることは多いが、その体や心への影響はそれをはるかに超え、しばしば日常生活を困難にしてしまう。研究によると、うつはやる気だけでなく、仕事の成績や生産性を低下させることがあるという。
うつの影響とは以下のようなものだ。
身体的症状
頭痛:
米ミシガン大学総合うつ病センターの責任者であるジョンF・グレデン医師によると、このような苦痛はうつの兆候の中でも代表的なものの一つであり、特に青年期に多いという。うつを患う多くの人々からは、それは鈍い痛みで、緊張性頭痛を引き起こす場合があるという報告がある。また、うつは人々に高い偏頭痛のリスクをもたらすこともある。
消化不良:
同医師によると、さらにうつを患う人々は胃腸の調子が悪くなることが多いという。それだけでなく極度のストレスによって大腸炎や胃潰瘍を悪化させる可能性を示唆する報告もある。
エネルギーの欠乏:
様々な形のうつを抱える多くの人々が疲労感を訴え、さらに共通する症状の一つを作る。研究によると、うつはやる気を減らし、仕事の成績を下げることがあるという結果が出ている。たとえうつと診断をされなくても、「自分の元気の無さは低血糖や甲状腺のような別の病気なのではないか」と考える人は多いという。
食欲と体重の増減:
うつは食生活を著しく変化させることがある。つまり食事の量がひどく増えたり、逆に極端に少なくなったりするのだ。その結果、体重が増えたり減ったりしてしまう。
関節と筋肉の痛み:
うつはその症状に苦しむ人々に痛みをもたらすが、それが特定の疾患の初期症状につながっている可能性もある。同医師によるとうつによって関節と筋肉の痛みが増えるという。むしろ線維筋痛症とうつの間には強い関係性があるともいわれる。
睡眠不足:
睡眠パターンの変化はうつの最も典型的なサインの一つ(うつによる情動不安)。さらに不眠症や閉塞型睡眠時無呼吸症と関連している。
吐き気:
うつにより引き起こされる胃の病状の一つとして、胃のむかつきや吐き気だけでなく、下痢になってしまうこともある。どれも不安症に起因する症状だ。
心の症状
不安症:
うつの症状は色々あるが、一般的にうつと不安症は同時に起こるという。この症状には心拍数の上昇や手のひらの発汗、さらにはパニック発作といった身体的な症状を引き起こすおそれがある。
気が滅入り、いつまでもくよくよする:
うつで最悪なのは、非常に視野が狭くなり、他の選択肢が見えなくなってしまうことだ。この中には良いことを無視し、どうしても悪いことにしか集中できなくなってしまう、という状態も含まれる。うまくいかない事に関するネガティブかつ暗い思考にいつまでも集中するのは、うつと強い関係があるかもしれない、とする研究結果もある。
身体の健康を極端に心配する:
あらゆることが体で起こり、全てが身体的苦痛に感じる場合、うつは見過ごされてしまう場合がある。このような痛みがあると、仕事に行ったり集中したり、笑ったり、課題に専念するのが困難になるという。
涙もろくなる:
うつを発症しているあいだは、涙ぐんだり悲しい気分になる時がある。"うつ"と聞くと、多くの人々がこの独特な感情を連想するが、"うつ"と"悲しみ"は同じものではない、という点に注意するのは重要なことだ。
「うつは臨床用語です。"うつだ"と口にする人々がいますが、彼らの言う"うつ"は悲しみを指しています。私たち医師が使うこの言葉は非常に強力で、その区別をするのが大事なんです。」とグレデン医師は話す。
複数の症状の組み合わせ
複数の症状が組み合わされることで、自殺傾向、あらゆることに悲しむ、挫折感、楽しみや普段していた事に興味を失う、罪悪感などを伴う。
うつ病の権威であるグレデン医師によると、身体的な症状が多数あり、それが気分の変化と関わりがある場合、臨床医はうつとの関連性を考慮すべきだという。2種類の症状の同時発生は、怒りや罪悪感から自殺に至るなどの命に関わる結果を引き起こす可能性をはらんでいる。それらの危険な事態が起こる可能性に対処するためには、心と体の両方の有病率に注意することが重要なのだそうだ。
さらにグレデン医師は最後に次のように語っている。「残念ながら私たちは健康管理において、ときとして心と体を別々にしてしまいがちです。なので誰かがいくつかの身体的な症状を訴えれば、臨床医はその症状を診ようとします。すると、気分症状も患う人の身体的な症状が優位になり、その病の根本がつぶされてしまう場合があります。ですがそういった複数の症状は同時に起きるんです。無関係ではありません。その諸症状の根本は同じ症候群なんです。」
via:huffingtonpos・原文翻訳:R
うつ病を自覚していない人が体の不調を訴えて病院に行っても、臨床医が心に問題を抱えていることに気が付かなければ、その症状は更に悪化する。上記肉体的症状がある人で、病院にいっても一向に良くならないという人は一度心療内科に行ってみると良いかもしれない。