いい加減な数合わせの論理を優先させ、肝心の政策は単なるお飾りでしかなく、すでにその無能さは明々白々たる事実として定まっているにもかかわらず、厚顔無恥なあいつらは、またしても遣り手の政治家然とした態度で立候補し、醜悪な愛想笑いと実現不可能な夢を振りまいて、手に余る地位に返り咲こうとしています。そして国民はまだかれらを信じようとし、中身がまったく変わっていないどころか、当選を重ねるたびに無能なくせにこすっからさが増すだけの悪党であることが証明されるばかりの、そんな輩を、いったい何を根拠にしているのか定かではないのですが、今度こそやってくれるのではないかという期待を胸に秘め、性懲りもなくかれらを支持するのです。つまり、同じ幼稚な手口に幾度でも引っ掛かる愚かなカモと見なされているのです。そして、事実、その通りなのです、
民主主義の意義を輝かせるための必須条件は、選挙民たる国民の資質いかんに掛かっています。つまり、周りの雰囲気にも、打算にも、まやかしの手口にも、時代の流れにも影響されずに、自分の判断で、自分の眼力で、自分の理念で一票を投じることができる、自立の精神を具えているかどうかが鍵になるのです。こんなことは民主主義国家の基本中の基本であるのに、敗戦によって押しつけられた民主主義はこの事大主義に毒されつづけている日本に未だ根付いておらず、ために、結果として醜悪な国家体制でありつづけ、またしてもあの非人間的な全体主義へと転がりこむ危険性を色濃く宿しているのです。法的にはともかく、本質的には投票する資格がまったくない人々が、せっかくの民主主義を台無しにし、踏みにじって、こんなお粗末な国に仕立て上げているのです。