およそ三【六】年前に、大震災がもたらした大津波、大津波が暴露した《原発犯罪》という悲劇を経てくぐり抜けたこの一年は、国家がさらに危なくて暗い方向へ舵を切ったことをはっきりと証明したのですが、そのことをもくろんだ当人たちは例によって、目先の欲しかかけない無知にして無能なせいで、愚かにも事の重大さにまったく気がついていない様子です。
つまりは、所詮は小悪党のくせに大悪党どもがすべてを承知で企むようなことに手を出してしまったということなのです。だから、その選択が国家のためになることと信じて疑わず、そこからバラ色の希望が派生すると思いこんでいるせいで、未来は一段と破滅の色を帯びてきました。要するに、先にしでかした大失敗を、今度は規模をさらに拡大してくり返す段取りを自ら調えたというわけです。
権力側が弾圧の権利を目いっぱい抱えこみながら暗黒の時代へ向かって突入して行くさまは、国家の崩壊を意味してやまないのですが、しかし、そうした悲惨な結末をいやというほど体験したにもかかわらず、思い出せないというか、忘れてしまったというか、それではないと信じこんでいるのか、ともあれ「歴史はくり返す」を地で行っているのです。
国民の自由と権利を最小限に押さえこみ、目と耳と心を塞いでつかみ取る国家の栄光とは、いったい何でしょうか。ごく普通の人間を神の地位にまで祀り上げることによって国家の異様なまでの統一を図り、戦争においてはどこの国にもひけを取らない軍事力を具備し、あげくの果てに世界を敵に回し、完膚なきまでに叩きのめされるという悲惨な答えがどうして見えないのでしょうか。
それとも、破局好きなマゾヒストの国民性ということなのでしょうか。
つまりは、所詮は小悪党のくせに大悪党どもがすべてを承知で企むようなことに手を出してしまったということなのです。だから、その選択が国家のためになることと信じて疑わず、そこからバラ色の希望が派生すると思いこんでいるせいで、未来は一段と破滅の色を帯びてきました。要するに、先にしでかした大失敗を、今度は規模をさらに拡大してくり返す段取りを自ら調えたというわけです。
権力側が弾圧の権利を目いっぱい抱えこみながら暗黒の時代へ向かって突入して行くさまは、国家の崩壊を意味してやまないのですが、しかし、そうした悲惨な結末をいやというほど体験したにもかかわらず、思い出せないというか、忘れてしまったというか、それではないと信じこんでいるのか、ともあれ「歴史はくり返す」を地で行っているのです。
国民の自由と権利を最小限に押さえこみ、目と耳と心を塞いでつかみ取る国家の栄光とは、いったい何でしょうか。ごく普通の人間を神の地位にまで祀り上げることによって国家の異様なまでの統一を図り、戦争においてはどこの国にもひけを取らない軍事力を具備し、あげくの果てに世界を敵に回し、完膚なきまでに叩きのめされるという悲惨な答えがどうして見えないのでしょうか。
それとも、破局好きなマゾヒストの国民性ということなのでしょうか。