一筋縄ではゆかない大問題であるにもかかわらず、突出した政治力を有する自分ならばさも簡単にやってのけられるような言い回しを臆面なくくり返す候補者たちは、すでにして無能ぶりをさんざんさらけ出しているという厳然たる事実をけろりと忘れ、いつもの田舎芝居のパフォーマンスでお茶を濁しながら、どこまでも厚かましく選挙に打って出るその無神経ぶりは呆れ返るほかないのだが、しかし、もっと仰天するのは、すっかり馬脚を現してしまっているかれらにまんまと乗せられて一票を投じる選挙民のあまりと言えばあまりな愚鈍さぶりでしょう。
さほど深く考えもせず、ぼんやりとした観念と、漠然とした願望と、透徹した理解にはほど遠い人物評価にすがって、「感じのいい人だ」とか、「育ちがいいから」とか、「悪いことはやらないだろう」とか、本当に幼稚な、上辺だけの、漠然とした印象を頼りに、口先だけの、実行力のかけらも持ち合わせていない、名誉や権力や社会的出世だけが狙いの輩を性懲りもなく自分たちの代表者として重要な地位に就けてしまうのです。
そして、当然の結果として、いくばくもしないうちにまたしても期待外れという答えが出され、「ああ、この人も所詮は単なる理念の添え物でしかなかったか」という、これまでさんざん味わってきた絶望的な食い違いに呑みこまれ、自分の人物評価に対するいい加減さを反省することもなく、いつまで経っても生気を回復しない、粗野で猥雑な時代に向かって恰好だけのため息を漏らしながら、次の選挙を待つのです。
で、相も変わらぬ選挙結果をいったい誰が歓迎しているかと言えば、御し易い無能者を好きなように操れる、悪賢い官僚と欲深い資本家たちなのです。
さほど深く考えもせず、ぼんやりとした観念と、漠然とした願望と、透徹した理解にはほど遠い人物評価にすがって、「感じのいい人だ」とか、「育ちがいいから」とか、「悪いことはやらないだろう」とか、本当に幼稚な、上辺だけの、漠然とした印象を頼りに、口先だけの、実行力のかけらも持ち合わせていない、名誉や権力や社会的出世だけが狙いの輩を性懲りもなく自分たちの代表者として重要な地位に就けてしまうのです。
そして、当然の結果として、いくばくもしないうちにまたしても期待外れという答えが出され、「ああ、この人も所詮は単なる理念の添え物でしかなかったか」という、これまでさんざん味わってきた絶望的な食い違いに呑みこまれ、自分の人物評価に対するいい加減さを反省することもなく、いつまで経っても生気を回復しない、粗野で猥雑な時代に向かって恰好だけのため息を漏らしながら、次の選挙を待つのです。
で、相も変わらぬ選挙結果をいったい誰が歓迎しているかと言えば、御し易い無能者を好きなように操れる、悪賢い官僚と欲深い資本家たちなのです。