<< 前の話 次の話 >> 27/157 新たな人財。
実質辺境公爵公王領土面積
17世紀三百万石日本(三国志キングダム実際同一十分の一百分の一)千五百万人
19世紀三千万石王国人口一億五千万人
現在家臣団従士傭兵労働奴隷一万人(人員三十倍三百倍人口三千倍必要)
通常17C公務員三十万人従士傭兵十万人
標準19C公務員三百万人従士傭兵百万人規模
サルムート。38歳。
親父の代からエンリッヒ家に仕えていた男で、エンリッヒ家没落の際、フィリップに付いて山中に隠棲した者達の一人だ。
元は庭師で、植物に関する知識が尋常ではなく、良し悪しを見抜く目も持っている。
彼は、穀物や野菜などを、マンシュタインや彼の息子達の部隊に供給する食糧の管理、つまり、保管と輸送の全てを管轄する事になった。
いずれは、領地の食糧生産なんかも見てもらうつもりだ。
ちなみに、農民の出なので、家名はない。
アルフレッド・ヴィユー 。29歳
光る何かを持っている訳ではないが、とにかく堅実に仕事をこなす。
そして、ミスが極端に少なく、期限に遅れる事もない。
地味だが、与えられた仕事はきっちりやるタイプだ。
が、期待以上の仕事はしてくれない。
最初からキートスの部下で、フィリップ経由でうちに雇われているので、身元ははっきりしている。
彼には当家の記録の作成と管理を任せた。
いつ、どこで、誰と、何を、いくらで取引したのか、なんでもないようだが、不正が行われやすい部分であり、またその他の機密も扱う事になる。
彼のような冒険しないタイプが適任だと考えた。
ダルトン・ルフレーヴ。 26歳。
元はマンシュタインの部下で、ラドマンの飛竜討伐部隊所属の従士だった。
任務中に片脚を失う大怪我を負い、キートスの下に入った男である。
彼には全ての物資を調達する役目を与えた。
部隊の行軍にはついていけないにしても、元従士だけあって体力はある。
王国各地を駈けずり回る事になるが、彼なら軽くこなしてくれるだろう。
能力の方は、フィリップが保証したので大丈夫だ。
旅の行程は一月ほどの予定である。
供には、フィリップ、パウロ、サルムート、ダルトン、ラドマンと、従士が五十名、使用人が十名。
俺と家臣達は馬で、ナヴァレを乗せた12頭立ての振動軽減の魔法処理がされた馬車、八頭立ての馬車が三台。うち一台に使用人達が乗り、残りの二台は金貨や旅に必要な物資が積んである。
他にも、渓谷の入口で、ラドマンの飛竜討伐隊三千が野営して俺達を待っている。
現在、家屋は七十軒ほど。
長屋のような建物ばかりで、傭兵や奴隷達がほとんど寝る為だけに利用している。
現在は物資貯蔵用の倉庫の建設が最優先されていて、住居の改善はしばらく後になる。
地面の上でも平気で寝るような連中なので、今のところ感情的な問題にはなっていない。
現在、自前で調達できている物資は水と薪だけで、ほとんど王国側からの輸送に依存しているが、エリーゼの出産が終われば、大半の者は別の土地に移る事になる。
「今後の事を考えますと、一千は残していきたいと考えております。」
この村は、いずれ俺の領地の玄関になる。
既に各ギルドには、支部の設立を要請していて、開拓の進み具合にもよるが、五年後の設立を目指している。
他にも、物資の中継地と言う役割も担う事が予想される。
農業都市を目指すより、商業を伸ばした方が、ここは発展しやすいだろう。
だが、その分、食い物を作らない人間が増える事になる。
穀物は他の土地から持って来ても良いが、野菜や果物は出来るだけ近い場所で作った方が良い。
他に、家畜もかなりの数が必要になる。
鶏よりも、狭い場所で多く飼育でき、肉の量が多い豚、副産物のある羊なんかが有力候補だろう。
商業都市でも、ある程度の生産力を持たせた方が良いのは当たり前だが、意識しないと忘れがちになる。
それらを見据えて、一千。
開墾奴隷八百に、護衛の傭兵二百、と言ったところか。
この村の最終的な目標人口は五千ほどだ。
その他に、領地に入って来たり出ていったりする者が常時二万。
「そうなると、今の畑じゃ足りんな。質より量だ。傭兵を投入してでも、畑を開くべき、かな。」
「それは私がやっている。開墾奴隷五千、傭兵五百。増やせるのは、これが限界だな。後は、移民を待つしかない。」
「フィリップ、お前の苦労がわかんでもないが、奴隷一万、傭兵三千は欲しい。なんとかならんか。」
現在、エンリッヒ家の資産は白金貨に換算しておよそ一千六百万枚。
今年度は既に白金貨四百万枚の大赤字である。
現金は、白金貨四百万枚しか残っていない。
他にも、ダルトンが、エンリッヒ侯爵家の御用商人候補を密かに探している。
食料品、薬品、魔道具、骨董品、武具に強い商会を、それぞれの分野でうちの御用商会にする予定である。
このうち、うちが買い求めるのは食料品だけで、残りはこちらが売る側である。
薬品は、王国の他の地域では希少な薬草が、うちの領内に自生しているのがわかっている。
これを栽培し、薬品に加工もしくは薬草そのものを販売する。
魔道具と骨董品は、俺が古代遺跡を掘り当てた際に売りさばくルート確保の為である。
武具に関しては、既にうちの領地には鉄鉱山や銅山、果ては金山や銀山も、と鉱物資源が豊富である事をシュナが確認している。
常に南北の国境で戦線を抱えている王国では、武具の需要は大変なものだ。