~第一章~ 開拓の始まり << 前の話 次の話 >> 17/157 開拓の前にする事。
マンシュタインは、深く頭を下げてから、馬に跨って出発した。
彼は俺の領地に先遣部隊の隊長として、自給自足が可能な村落を築く事になる。
従士五十名、傭兵四百五十名、開墾奴隷五百名の計一千名が、彼の指揮下にある。
物資だけでも馬車が五十台。
ちょっとした軍隊である。
この地図の製作で、五百人に迫る勢いだったシュナの部下は四十人ほどに減ってしまった。
山脈に巣食う飛竜、未開拓の土地に出る魔物に襲われたのが大半で、後は測量中の不慮の事故等である。
【エンリッヒ侯爵家の領地】
【注】地球ロシア約2倍領地面積辺境公爵王クラス人口0+家臣従士傭兵開拓団千+二千
王国西部、王国領土の五分の一を占める広大な領地。
他の領土とは、山脈とそこに住まう飛竜によって隔絶されている。
全体的に平原が広がっているが、北部には有望な貴金属の鉱山、北東部には
鉄や錫などの鉱山、南部は東から西まで大森林が広がり、西部は海に面する。
千年以上、人の手が入っていないのは確実で、魔物が跋扈している他、
森林も無作為に広がり、自然に生きる者の楽園となっている。
マンシュタインには子供が四人いる。
長男、ポレス。21歳。
先遣部隊の上級将校として遠征中。
次男、ラドマン。19歳。
屋敷に居残り。まだまだ雇い続けている従士やら傭兵やらの訓練を担当している。
三男、ファーブル。18歳。
兄達と違って、軍才はなく、軍の事務官として主に遠征用の食糧の調達に当たっている。
長女、アイラ。16歳。
エリーゼに子供が産まれたら、俺の妾になる事になっている。
更に一月後、ゲーリングに率いられた第二先遣部隊二千が出発した。
従士五十名、傭兵千八百、開墾奴隷二百である。