この暗黒【地獄】の大宇宙【地獄】の片隅にひっそりと浮かんで、せっせと生命を育んでいる【小型】岩石惑星【地獄】のひとつに身を置く我々人類は、他の動物より少しばかり進んでいる知能を活用して文明なるものを築きあげてきたのですが、英知が中途半端なために、結局はどの科学悪用の道を辿ることになり、もしくは目先の幸福のことしか考えられないという弱点のせいで、たったひとつの家である地球を粗雑に扱い、滅亡に直結する、ありとあらゆる危険に包囲されていることが次第にわかってきたにもかかわらず、その問題を問題として意識しながらも、本気で有効な手を打とうとはせず、誰かがどうにかしてくれそうな、最終的には神仏【天魔】のたぐいに救ってもらえそうな、そんな甘い認識でもって、とりあえず何もない今を楽しんで生きようと、いつか幸福になろうと、懸命にあがいているのです。
しかし、人口は増え過ぎてもはやこの家におさまりきれず、天然資源は枯渇寸前で、安全など絵空事でしかない原発をはびこらせ、ひとたび何かがあれば人類滅亡の危機を招くことになるきわめて深刻な状況に追いこまれているのですが、世界は相変わらず能天気な生を営むことに余念がなく、どの国の支配者たちも自国の国益とやらの価値観を優先させるばかりで、そしてそれが現実なのだからという口実のもとに、戦争なんぞという、あまりにもこせこせした争いを、同じ家族同士で殺し合うような、愚かで残虐な真似を未だにやめられず、地球の破滅に自ら手を貸しているありさまです。そんなせせこましい価値観が通用するような時代はとうに過ぎ去っているのです。国家だの、民族だの、人種だのという拘泥を引きずっているような段階ではないのです。そうした尺度は国家の支配者が自分の立場を守りたいがための方便であって、民衆とはなんの関係もありません。