ダンバインⅣ登場人物【前】 | V:理衒C2WkWk纒人工地震津波核予報
登場人物
聖戦士
ショウ・ザマ
声 - 中原茂
本作の主人公 で地上人。東京都武蔵野市東吉祥寺の一角に父シュンカと母チヨと共に住んでいる日本人。18歳。仕事一辺倒で家庭を省みない両親に反発し、モトクロスに熱中していた。愛車はホンダGL1000ゴールドウィング・アスペンケイド。乗車中に突如オーラ・ロードが開き召喚されたため、アスペンケイドもバイストン・ウェルに現れており、現地でも何度か運転している。バイストン・ウェルに召喚されてからはアクアブルーに彩色されたダンバインを操り、聖戦士 と呼ばれる。後に「ナの国」の女王シーラ・ラパーナ から供与されたビルバインに乗り換える。
OVA『New Story of Aura Battler DUNBINE』では約700年後のバイストン・ウェルにシオン・ザバ として転生している。 詳細は「ショウ・ザマ」を参照
マーベル・フローズン
声 - 土井美加
アメリカ合衆国テキサス州ダラス出身の大学生。18歳。実家は牧場を経営。正義感・使命感の強い女性で座禅を組む程度だが禅 を嗜む。ショウがドレイク・ルフトの下から離れるきっかけを作り、戦闘でもパートナーとなる。早いうちからナックル・ビー により聖戦士としてバイストン・ウェルへ召喚されており、ショウ達が召喚された頃には既にギブン家の一員となっている。
ギブン家ではショウに次ぐ力量を持つ聖戦士であることから、ダーナ・オシー 、ボゾン 、ボチューン など、順次新型のオーラバトラーに乗り込み、最終的にはショウがビルバインに乗り換えたことでダンバインのメインパイロットとなる。最終決戦ではショウとのコンビネーションアタックでショット・ウェポンとミュージィ・ポーを撃破したものの、その際の黒騎士の一撃でダンバインが大破、これにより腹部に致命傷を負う。負傷を悟られないよう隠しショウと別れた直後、ダンバインの爆発に巻き込まれ戦死する。
当初はニー・ギブンに思いを寄せていたが、その想いは次第にショウへと移っていった。地上からバイストン・ウェルに帰還したショウと再会するなり、飛行中であるにもかかわらずオーラバトラーのコクピットからショウのダンバインへと飛び移り、抱擁と共にショウへの気持ちを明確に自覚してからは周囲も互いも認める仲となる。ただし、一方でライバル心も持っていたようである。
トッド・ギネス
声 - 逢坂秀実 / 堀内賢雄(総集編・聖戦士伝説・ACE2)/ 森田順平(サンライズ英雄譚)
アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンの出身で、アメリカ空軍のパイロット候補生であった。23歳。ショウや後述するトカマク・ロブスキーと同時期にシルキー・マウによってバイストン・ウェルに召喚された地上人。ドレイクの聖戦士としてネイビーブルーのダンバインを与えられた。そのままドレイクに掌握された「アの国」陣営の一員として、ショウ、マーベルらギブン家陣営と幾度となく戦闘を繰り広げる。 空軍時代に自身が目標としていたパイロット、アレン・ブレディが同じく聖戦士として召喚されると己が立場の危うさを悟り、専用のドラムロ を駆ってショウに猛攻を仕掛けるものの敗北し「カルドーラの穴」に墜落する。この時、一時消息不明となるが、ガロウ・ランに身をやつしコモン界 に流されていたナックル・ビー(ニクス・ティタン)に介抱され一命を取り留める。治癒後はドレイクと同盟を結んだ「クの国」のビショット・ハッタ の配下となり、与えられた新型機ビアレス で執拗にショウに挑み続ける。さらに所属を再びアの国へ戻してからはライネックに乗り込んだ。最終決戦直前で膨れ上がったオーラ力によりハイパー化 するが、ショウのビルバインに討たれ死亡する。
陽気で気さくな性格だが、いささか軽薄なところがあり道徳観念も低い。ドレイクの野望を知ってからも、それを阻止することより聖戦士として厚遇されることを優先するなど、利己主義者としての一面が際立って描写されているが、母親想いの一面もあり、最期の言葉も母への呼び掛けである。自身を「東部の落ちこぼれ」と称し、鬱屈した感情を戦場で対峙したマーベルにぶつける場面もあった。バイストン・ウェル勢が地上に浮上した際には、故郷であるボストンが戦火に巻き込まれるのを恐れ、ドレイクの軍勢とアメリカ合衆国との橋渡し役となる。
ドレイクはトッド戦死の報を受けた際、その生前の功績を認め、彼の母親が住むボストンには手を出さない旨を部下に通達する。
池原しげとによる『コミックボンボン』版のコミカライズでは、名誉欲・攻撃性がより強い人物として描かれ、戦死後のドレイクがボストンには手を出さないと誓うシーンも削除されるなど悲劇性の強いキャラクターとなっている。
ゼラーナ隊との戦闘を通じて乗機を通算で6度撃破されており(ダンバイン、ドラムロで2度、ビアレスで2度、ライネック)、これは主要登場人物中最も多い。
トカマク・ロブスキー
声 - 戸谷公次
地上ではソ連のハリコフ(現在はウクライナの都市)に住む失業者だった。22歳。以前は軍にいたようだが、召喚された時点では退役している。
ショウやトッドと同時期にバイストン・ウェルに召喚される。ダークグリーンのダンバインを与えられるも、慣熟飛行中にニーらの襲撃に遭い、マーベルの乗るダーナ・オシーに撃墜され物語の開始早々に死亡する。(ニーに撃墜されたとする資料も存在する。)
ゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』では、展開によっては仲間にできるが、能力はショウやトッドに及ばない扱いになっている。
アレン・ブレディ
声 - 若本紀昭(ナレーションも兼任)
後述するジェリル・クチビやフェイ・チェンカと共に召喚された地上人。トッドの空軍時代の先輩であり、彼の召喚は、そのことを知り功を焦ったトッドがショウとの戦いに敗れ消息不明となる間接的な原因ともなる。軍では優秀なパイロットだったようで、オーラバトラーの操縦にも自信を見せていた。試験的にドラムロに搭乗した後は火力の充実したレプラカーンではなく、最新鋭ではないが機動性に優れるビランビー を愛機としたことも彼の性格を雄弁に物語る事象と言えよう。大した努力をせずとも目覚しい成果を挙げる天才肌のタイプだが、それゆえに自信家で他人を簡単に見下す傾向があるなど、性格にはかなりの問題があった。ショウのダンバインを止めを刺す寸前のところまで追い詰めたこと(この時はトッドの乗るビアレス に邪魔をされている)もあり、口先だけではない実力を備えていたが、ビルバインの初陣となる戦闘で乗機ごと一刀両断にされる。この時、機体は爆散しアレン自身は海に投げ出される形となり生死は不明となったが、総監督の富野由悠季は、『アニメック』誌のインタビューで「間違いなく死んでいる。不明に見えるのはスタッフの勘違いゆえ」と答えている[要文献特定詳細情報 ] 。なお、撃墜されたのは死亡時の1度のみ。
『コミックボンボン』版のコミカライズにも登場するが、ショウと1度交戦するだけで戦死シーンも描かれない完全な脇役である。
ジェリル・クチビ
声 - 大塚智子
ショウやトッドらに続き(劇中での)第二陣として召喚された地上人。22歳。逆立つ真っ赤な髪と青いメッシュが特徴的な女性。娼婦の母親からは養育放棄 されて育ち、「ダブリンの鼻つまみ」と自嘲する。ロックシンガーとして生計を立てていた。
試験的に与えられていたドラムロ以降はレプラカーン に搭乗。その武装と戦闘スタイルが性に合っていたのか、以後3度撃墜されたものの最期まで愛機とした。自分を負かしたショウに嫉妬と憎しみを抱き、敵として追い回す。地上での恵まれない生い立ちや生活環境の反動からか、突如異世界に召喚されたにもかかわらず動揺や不安の色を一切見せることはなく、むしろ自身の置かれた状況に喜悦さえ見出していた。非常に強力な悪意のオーラ力を持っているとフォイゾンやエレからは恐れられている。舞台が再び地上界に戻ってからは、ドレイク軍の本隊とは離れ地上のギリシャ空軍の部隊を味方に付ける。兵士達はジェリルのオーラ力に影響されて彼女を「ジャンヌ・ダルク の再来」と英雄視した。その後、ビルバインとの戦闘中にオーラ力が暴走したことでレプラカーンごとハイパー化し、すんでのところまでショウを追い詰めたものの機体がハイパー化に耐え切れず自壊、最期はショウの直撃を喰らったが、ショウの攻撃による爆死というよりは、ニーの問いかけにショウが「ジェリルはオーラ力を制御できなくて死んでいった。自分一人でな」と語ったように、ジェリルの機体が自壊した際には既に亡くなっていたものと思われる描写ともなっている。彼女を英雄視していた兵士達はジェリルの死と共に我に返り、前言を撤回している。
『コミックボンボン』版のコミカライズでは口調が女性的になり、バーンの指揮にも従っておりアニメに比べるとかなり大人しめの性格になっている。
フェイ・チェンカ
声 - 三橋洋一
アレンやジェリルと共に召喚された地上人。中国人。バイストン・ウェルに来る前は売れない俳優をやっており、賞賛や喝采には縁遠い自身の境遇に辟易としていたようで、召喚後の様子やセリフでは新天地での新たな生活に期待を膨らませていた。
自信家のアレンと気性の荒いジェリルを冷静になだめるなど、第二陣の中では比較的まともな性格で2人のまとめ役を果たしていた。しかし一方では、功名心が強くキザな一面もあり、ゼラーナ隊にかくまわれたリムル・ルフト奪還の作戦をミュージィ・ポーに持ち掛けられた際には申し出を快諾している。その後、多島海に浮かぶカトンの島に潜伏するゼラーナを発見したミュージィの要請により、レプラカーンで陽動に出るとショウのダンバインと交戦した。この時、善戦するだけの力を持ちながらドレイクの走狗となっているフェイに対しショウは非難の言葉を浴びせたが、当のフェイ自身はこれを一蹴。直後に自身の投げたグリネイド(手榴弾)を跳ね返され自爆する形で第二陣最初の戦死者となる。劇中では優れた索敵能力のほか、ゼラーナ隊の移動経路を看破するなど参謀向きと言える。
『コミックボンボン』版のコミカライズにも登場するが台詞が一言もない。
ゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』では仲間にできるが、トカマク同様、能力はショウやトッドに及ばない扱いになっている。
ギブン家 (反ドレイク勢力)
ニー・ギブン
声 - 安宅誠
アの国の地方領主ロムン・ギブンの息子。23歳。父母を殺された後はギブン家当主として、アの国及びバイストン・ウェルに平穏を取り戻すためドレイクと戦う。オーラシップ・ゼラーナの艦長を務める一方、自らオーラバトラーに乗り込み戦うこともある。マーベルやキーン、チャムなど好意を寄せる女性は多かったが、当人はドレイクの一人娘リムルと惹かれあっており、彼女を思うあまり周囲の者に辛く当たることもあった。そのためショウとは対立することも多かったが、次第に一同をまとめ上げるリーダーに成長していく。物語終盤でゼラーナが轟沈すると最終決戦ではボチューン に乗り込み、我が子リムルを手に掛けたルーザを討ち、逃走しようとするドレイクも自らの手で討ち取るが、直後にドラムロの編隊からトリオ・コンビネーションの直撃を受け搭乗機が大破。機体から投げ出された自身もその炎に身を焼かれる壮絶な最期を遂げる。
湖川友謙によると髪型はミンキーモモが元であるとのこと。
主な搭乗機体はボゾン 、ボチューン 。
キーン・キッス
声 - ×× / 木藤聡子(総集編)
ギブン家に仕えるキッス家の娘。16歳。明朗快活で行動的。ギブン家に対する忠義とニーへの好意からギブン家陣営に付き、理想だけでは生きて行けないと一族と家臣の安泰を第一としてドレイク側に付いた父と袂を分かつ。ウイングキャリバー・フォウの専任パイロットになり、オーラバトラーが量産体制に入ってからはボチューンにも搭乗するようになる。精鋭揃いのゼラーナ隊の中では力量が低く苦戦することが多いが、地上浮上後は敵指揮官機を損傷後退させたり、トッド搭乗のライネックがゼラーナに襲いかかった際にはオーラ光を発散させながらこれを迎撃し、マーベルやショウを驚かせている。リムルがゼラーナ隊にいた時には、わがまま放題のリムルに何かと注意するも、逆に反発されて受け入れられることはなかった。最終決戦の最中、ウィル・ウィプス を攻撃した際に半ば事故的にブブリィ と衝突、撃墜され命を落とす。
『コミックボンボン』版のコミカライズでは浮上後、米軍への攻撃を主張するなどやや軽はずみな人物として描かれている。
湖川友謙の好みのキャラクターである。
チャム・ファウ
声 - 川村万梨阿
ニー達について回る赤毛 のミ・フェラリオ。作中序盤は成り行きからドレイクについていたショウを罵倒して蹴飛ばすなどしていたが、後にドレイクを離れたショウがキーンを助けた際にその優しさに触れ、以降仲間として信頼を深めていく。当初は通信手段の確保や雑用をこなす程度の賑やかし要員だったが、苦戦するショウの助力ができるはずとダンバインに同乗するようになる。コスチュームは水色のハイレグ レオタード 、のちに左胸にりんごのマークが入った真っ赤な自作の戦闘服を着用する。本人によると手先が器用で、シーラ・ラパーナ の容姿を模したようなロングスカート姿も披露している。最終決戦中に、単独でドレイクの策略をシーラとその配下にあったエル、ベルに伝えるためビルバインから脱出して伝えに行こうとするもシーラの霊力で途中で吹き飛ばされてしまい、バイストン・ウェルに関係する全ての者が消滅した後、ただ独り地上に残され海上を漂っていたところをアメリカ海軍に救出される。本作は当初から「ミ・フェラリオの語る物語である」という形式をとっていたが、そのミ・フェラリオとはチャムであることがエピローグで明かされた。語り終えた月の夜、いずこへかと去る。
湖川友謙によると、いわゆるオタク狙いのキャラクターであり、クローバーから人形として単独で商品化され、これは劇中にも登場している。
次作『重戦機エルガイム』にキャラクターが流用され、リリス・ファウとしてレギュラー出演。映画『チョロQダグラム』にもカメオ出演している。
挿入歌の「水色の輝き」の歌詞は『チャム・ファウのラヴソング』のイメージで書かれた。
『ザテレビジョン』のアニメキャラクター初の表紙になった(1984年 1月27日号)。
声を演じた川村は放映当時、『アニメック』誌でコスプレ姿を披露している。
ドワ・グロウ
声 - 若本紀昭
オーラシップ・ゼラーナの操舵士。ゼラーナが撃沈された後はオーラバトラーに乗り込む。
ドルプル・ギロン
声 - 戸谷公次
ラウの国のオーラマシン開発に際し技術指導を行った技師。ニーから「ショット・ウエポンの下に居た鍛冶屋で、ダンバインやゼラーナの開発に携わった」と紹介されている。ニーやマーベルらギブン家一同からの信頼も厚く、ゼラーナ隊と合流した際には手厚く迎え入れられていた。後にゼラーナの機関士を務める。
コタノ・ルオ
声 - 江口晴康
ゼラーナのクルー。主に機体の整備を行っているが機銃員を担当したこともある。ゼラーナ撃沈時も生存していたが、その後は登場していない。
ロムン・ギブン
声 - 立沢雅人
アの国でドレイク領と隣接する土地を治める地方領主の1人で、ニー・ギブンの父親。46歳。ドレイクの野望にいち早く気付き、対抗勢力の先駆けとなる。独自にオーラマシン(ゼラーナやダーナ・オシーなど)を開発し、息子のニーを使ってドレイク領へ夜襲を仕掛けさせるなどの武力行使を行う一方で、ドレイク側の騎士団長バーン・バニングスには金を使って寝返りを求めるなど、策士としての一面も持っていた。調略に失敗したバーンの報復により居館や妻を失った後も、ゼラーナへの補給物資を搬送するなど奔走したが、その最中、ガラリア・ニャムヒー のバラウ に捕らえられ月の森で敢えない最期を遂げる。
ホン・ワン
声 - 龍田直樹
ギブン家に仕えるガロウ・ラン 。種族特性の素早さを活かしての伝令や斥候 など、物語序盤でたびたび活躍する。当初は地上人に偏見めいたものを密かに持っていたようだが、自分を気遣ってくれるショウとの関わりで考えを改め、その後は偵察行動を共にするなど、ショウを慕っての行動が少なからずある。
ツオー
男性のミ・フェラリオ。ギブン家の「語り部=耳にした会話を一言一句記憶し復唱する特殊能力を持つ者」で、ロムンは自身の館に訪れたバーンとの会話を彼に記憶させ、ドレイクに反逆の意志があることを国王に直接上申しようとした。ツオーはロムンの妻カーロと共に国王への使者として王都に向かうが、それを知ったバーンのドラムロによって馬車ごと吹き飛ばされる。
キブツ・キッス
声 - 植田敏生
キーン・キッスの父親。代々ギブン家に仕えていたが、ドレイクの圧倒的な力の前になす術もなく、一族郎党を思う気持ちから心ならずもドレイクに恭順する。その後バーンの指揮下に入るが、姦計に利用されダンバインとの戦闘により戦死する。
アの国
ドレイク・ルフト
声 - 大木正司 / 柴田秀勝(総集編)/ 塚田正昭(サンライズ英雄譚)
アの国の地方領主。後に国王。43歳。禿頭の偉丈夫で、お館様とも呼ばれる。ショット・ウェポンによってもたらされたオーラマシンの武力を使いバイストン・ウェル全土を征服する野望を抱く。ショウを始めとする地上人を聖戦士として召喚した。主君だったアの国王フラオン・エルフを討ち下克上を果たした後、隣国のクの国と結び周辺国への侵攻を開始する。地上では自らは戦闘を避けて戦力を温存し、アメリカを脅して目的を果たそうと間接的に立ち回るなど政治家としても計算高い。
いわゆる「悪の象徴」としての一面も強いが、領主としては思慮深く冷徹かつ豪胆で、覇者に相応しい器量の持ち主である。持てるオーラ力も強大で「シーラやエレに負けないくらい」とチャム・ファウに評される。
己の身を挺して妻を艦砲射撃からかばったり、娘の身を案じるといった家族愛や、戦死したトッド の功績に免じ彼の故郷を戦火に巻き込まぬよう配慮したり、黒騎士の正体を看破した上で正体には触れずにその心意気に理解を示すといった人間的な魅力もあり、「性根からの極悪人ではない」のだが、夫として父としての認識不足によって、リムルの出奔やルーザの不義を招くこととなってしまうなど、周囲の人間、特に家族との関係はうまくいっていなかった。
ルーザが不義を働いており、自らはその謀略とオーラ力に踊らされていたことを知った際には、自らの無知を嘆きつつ、静かな怒りを燃やす。最終決戦でグラン・ガランに特攻される直前、ルーザの影響から脱した上で自らの実力を試したいという未練が生じ、オーラマシンを手土産にアメリカでの再起を目指したがウィル・ウィプスからブル・ベガーで脱出を図ったところを、ニー のボチューンに捕捉されて討ち取られる。
『TVアニメマガジン』版コミカライズでは小物の悪役として描かれており、容貌も強面である。
バーン・バニングス/黒騎士
声 - 速水奨
ドレイク軍の騎士団長。23歳。剣術や馬術に通じる。コモンでありながら高いオーラ力を持ち、オーラマシンのパイロットとして非凡な才を発揮する。オーラ増幅器のない物語初期からドラムロに搭乗し、ビランビーを駆ってからは地上人であるトッドを上回る戦果を挙げていた。気質は勇猛果敢かつ忠義一筋。反面、自信過剰ゆえの詰めの甘さや功を焦っての勇み足、ガラリアやトッドを持て余し気味と人心掌握術にも欠け、キブツ・キッスの一族を捨て駒として使い総戦力を低下させるなど、前線で軍を預かる指揮官としてはいささか器量が小さい感が否めない。戦功欲しさに裏切りや抜け駆けを平然と計り、自身の醜態を知られれば命の恩人でも葬るなど騎士道 にも怪しいものがある。
当初はドレイクからの信任も厚く、若くして軍の中核を任され数々の重要な任務に従事するが、ショウ・ザマら3人の地上人の招来と前後して彼の前途には暗雲が立ち込めるようになる。ドレイクの娘婿の座を餌に奮起を促されるなどしたが、エルフ城攻めの際に犯した失策が決め手となり指揮官職更迭の憂き目に遭う。第25話ではショットの私兵としてレプラカーンに乗り込み、ショウに挑み追い込むも、パワーアップしていたダンバインとショウのオーラ力に逆転されて敗れ、キャリアとプライドを完全に打ち砕かれたかに見えた。
第31話から突如ズワァース に乗って登場。黒騎士 を名乗り、Gペンを思わせる意匠の仮面で素顔を覆っている。その正体が失脚したバーンであるということはごく一部の者達にしか明かされていない。しかし、特徴的な長髪はさらされたままであり、縁深き者達にはその正体を看破されていたようである。素顔を隠す理由を顔面の戦傷と偽っているが、実際には過去の挫折を恥じて正体を隠しているに過ぎない。利害が一致したショットの私兵となり、汚名をすすぐ機会をうかがっていた。だがショウの前では敗北を重ね、仮面を外し涙する醜態を重ねる結果となる。
ショウを激しく憎悪するさまは“悪意の象徴”として描かれ、皮肉にもそれがオーラ力を異常なまでに増大させる結果になった。最終決戦では仮面を脱ぎ捨て、素顔のバーン・バニングスとして白兵戦でショウと刺し違えるという最期を遂げる。
物語初期はドラムロに搭乗。その後はビランビー、レプラカーン、黒騎士になってからはズワァース、ブブリィ、ガラバと、アの国の新鋭機にはほとんど搭乗している。一度だけライネックを借りて出撃した他に、ビアレスにも搭乗だけはしたが作戦中止で出撃はしなかった。
『コミックボンボン』版のコミカライズでは、古風な女性観を持つ実直な性格に改善されており、黒騎士になった後もドレイクへの忠義を貫きビショットの抜け駆け行為を諭している。また、ジェリル達地上人を上手に統制するなど指揮官してもアニメよりは有能である。
『TVアニメマガジン』版コミカライズでは浮上時のみ黒騎士になるものの、次号では素顔に戻っている。最終回ではドレイク暗殺後にショットの寝返りを知り、戸惑いの表情で祝賀会に参加しているところをハイパー化したショウの特攻を受けて死亡する。
OVA『New Story of Aura Battler DUNBINE』ではラバーン・ザラマンドとして転生している。再び黒騎士を名乗りズワウス を駆る。
ショット・ウェポン
アメリカ合衆国・カリフォルニア州出身の地上人。28歳。地上ではロボット工学の権威だった。バイストン・ウェル固有のオーラ力を利用して強力なオーラマシンを作り上げドレイクに協力する。詳しい理由は不明だが、一時は幼なじみのジャバと共にオーストラリアで強制労働を強いられていた。漁夫の利を狙う策士で、ゆくゆくはドレイクをも排除し自らが支配者になろうとする野心家である。その野望を吐露してミュージィ・ポーを取り込み、専用オーラ・クルーザー「スプリガン 」で独自に立ち回る。当初ミュージィを単なる手駒の一つとしか見ていなかったが、やがて相思相愛の仲となる。
最終決戦でショウとマーベルのコンビネーションアタックによりミュージィと共に倒されるが、オーラマシンを作り上げ戦禍を招いた重罪人として「死ねない」運命を科せられ、以後、死を求めて700年に渡ってバイストン・ウェルをさまよう亡霊となる。その物語はOVA『New Story of Aura Battler DUNBINE』にて語られる。
『コミックボンボン』版のコミカライズでは、日和見主義ではあるがドレイクへの謀反も働かず、悪役描写は少ない。『TVアニメマガジン』版コミカライズでは黒幕およびボスキャラクター的な存在であり、ドレイクの暗殺及びゼラーナとゴラオンの撃墜に成功する。スプリガンで部下達と祝賀会を開いていたところをハイパー化したショウの特攻に巻き込まれ、怨嗟の叫びをあげながら焼死する。
ルーザ・ルフト
声 - 火野捷子
ドレイク・ルフトの妻。38歳。クの国王ビショットと密通し、ドレイク亡き後の実権掌握を画策する毒婦。夫のドレイクや情夫のビショットはもちろん、実娘のリムルすらも自らの野望を果たすための手駒としか見ておらず、攻め寄せるニーらに対して彼女を人質に取ることもあった。また、非常に気位が高く自分より身分の低い者に少しでも無礼を受けたと判断すれば容赦ない制裁を下す。最終局面では自らを「全ての混乱の元」と断罪するリムルを罵り、ことも無げに射殺。その直後の惨状に出くわしたニーに「お前」呼ばわりされたことに憤激するもボチューンのオーラバルカンで射殺される。なお、作中では「ビショットと仲が良い」とショウが言う程度の表現にとどめており、男女の関係を思わせる描写はない。
リムル・ルフト
声 - 色川京子
ドレイク・ルフトの一人娘。17歳。父親からは「美しく誰からも愛される女性であってくれればよい」と溺愛されているが、母親からは便利な手駒としか看做されていない。ニー・ギブンとは相思相愛の仲で幾度となくニーの下へ走ろうとしたが、その度に連れ戻されている。オーラマシンの操縦についての心得とパイロット適性もある程度はあったようで、ゼラーナに身を寄せていた際にはダーナ・オシーでの戦闘も経験している。しかし、お嬢様的なわがままぶりでゼラーナのクルー達を振り回した挙句、独断で出撃して突出。制御不能になり結局トッドが雇ったガロウ・ランに連れ戻されている。実の母であるルーザの姦計を知り誅殺を試みるが、拳銃で眉間を至近距離で撃ち抜かれ、返り討ちに遭う。
OVA『New Story of Aura Battler DUNBINE』ではレムル・ジルフィードとして転生している。
ミュージィ・ポー
声 - 横尾まり
リムルの家庭教師として音楽を教えていたが、高いオーラ力を見込まれて戦士となり、ショットの愛人となる。当初は淑やかな性格だったが徐々に好戦的になっていき、黒騎士やトッドと並ぶ強敵となってショウ達に立ち塞がる。ショットを一途に愛し続けた情熱的な女性で、ショウとマーベルの攻撃からショットをかばいブブリィで自ら盾となり、ダンバインにダメージを与え爆発する機体から投げ出されるが、ショットに助けられ、最後は手を取り合って爆散するスプリガンと運命を共にする。父や兄弟も戦士として登場。搭乗したオーラマシンはビランビー、ライネック、ズワァース、ブブリィなど。
『コミックボンボン』版のコミカライズでは初登場時から厳しい性格をしており、リムルから恐れられている。また、ショットの裏切りがないため、あまり出番がない。
ゼット・ライト
声 - 立木文彦
ショット・ウェポンとともにオーラマシンを開発したアメリカ国籍の地上人。オーラマシンのコンピュータ・セクションの開発は彼の手によるものだが、ショットに手柄を取られ、世渡り上手なショットが自分より厚遇されていることに不満を抱いている。自身の口先では否定していたが、ガラリアに惚れている。オーラ・ロードを通って召喚されたことから、聖戦士として登用された他の地上人達には及ばないにしても、それなりのオーラ力は持っており、地上浮上後には自らオーラマシンを駆って戦うこともあった。乗機はビランビー、バストール、ブブリィ。己と黒騎士とが同様に世渡り下手で武骨な職人気質だったことに気付き、お互いの技術屋魂と騎士道精神とを認め合うが、直後の出撃にて戦死する。
ガラリア・ニャムヒー
声 - 西城美希 / 伊倉一恵(総集編・聖戦士伝説)/ 安達忍(スーパーロボット大戦シリーズ) / 岩本裕美子(サンライズ英雄譚)
ドレイク配下の女騎士。21歳。敵前逃亡者の娘として蔑まれて育ったために人一倍名誉欲が強く、バーンをライバル視していた。似た境遇のゼットとはウマが合ったようで、新型のオーラ増幅器を搭載したオーラバトラー・バストール をゼットから与えられる。
エルフ城攻防戦でショウと交戦した際、互いのオーラ力の干渉からショウのダンバインと共に地上界に出てしまう。突如単独で異世界に投げ出され混乱したまま東京上空を迷走し、大型旅客機を撃墜、さらには駆けつけたショウとの交戦で新宿副都心を壊滅させるなどの甚大な被害をもたらし、死者は30万人にも上る。そのことから人目を避け、秩父山中に一時期潜伏し、空腹に耐えきれず登山者などから強奪を行う。その際、スポーツドリンクには違和感を覚えていたが、米飯やお茶の類は味覚に合った模様。強奪がばれて追われる身になるとバストールを起動、そこをショウに捕捉され再会する。ようやく現状を把握してショウの説得に応じ、バイストン・ウェルに帰還しようとするが、オーラ・ロードを抜ける寸前でバストールが負荷に耐えきれず爆死する。しかし、書籍によってはコモンであるガラリアのオーラ力がオーラ・ロードに耐えられなかった、ともなっており正式な理由は判然としていない。
OVA『New Story of Aura Battler DUNBINE』ではベラーナ・ガリアッハとして転生している。
ゲーム『聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説』では、展開によって仲間にできるが、素顔を隠し「ヴァルキリア」の偽名を名乗って参戦となる。
フラオン・エルフ
声 - 山田俊司
アの国の国王。政事に疎く享楽三昧にふける狭量な人物で、ドレイクに玩具で篭絡され大した吟味もせずにミの国討伐の勅令を発布するなど、典型的な暗君。ラウの国王フォイゾン・ゴウの要請によるゼラーナ隊の来援により一度はエルフ城の防衛に成功するも、自分の意に逆らったとの理由から夜襲の援軍要請を蹴ったことでゼラーナ隊を敗走させ、勝機を失う。その直後の援軍も前面に出させようとするなど、横暴を極めた。以降も気まぐれからくる朝令暮改により戦力を無駄に消耗させた挙句、家臣にも見限られ、落城の際に城壁から転落し敢えない最期を遂げる。
ミズル・ズロム
声 - 戸谷公次
ドレイク・ルフト配下の武将。オーラ・シップ「ブル・ベガー型」1番艦の艦長を任されている。地上人の管理も彼の管轄下である模様で、アレン達3人をトッド達よりも扱いにくいとこぼしていた。第30話以降には登場せず、消息は不明となっている。
ペンチ・ポー
声 - 郷里大輔
ミュージィ、ピピ、オールの父。ドレイク軍所属。ラース・ワウを脱走したリムルを連れ戻そうとするが、ホン・ワンとの一騎討ちの最中、落下してきたミュージィ搭乗のビランビーの下敷きになり圧死する。第21話のみ登場。
ピピ・ポー、オール・ポー
声 - 三ツ矢雄二(ピピ) / ××(オール)
ミュージィの弟たち。同じく軍人である父と共に姉の下に馳せ参じるも、敢えなく戦死する。
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