艦載機

  • RX-78 ガンダム
    • ホワイトベースに搭載される予定であったガンダムは本来2機あるいは3機(6機説あり)の予定であったが、サイド7遭遇戦での損失により、2号機1機のみが搭載された(1号機は大破、3号機は中破のため運用は不可能となり、第2話「ガンダム破壊命令」で機密保持のため破壊処分された)。機体番号はWB102であるとされる。この機体は、一般的にはRX-78-2仕様の2号機であるとされるが、後にRX-78-2あるいはRX-78-3仕様の3号機(G-3ガンダム)に載せ換えられたという説もある。しかし、これは2号機にマグネット・コーティングが施されたことによりRX-78-3仕様に近くなった、あるいはRX-78-3仕様そのものになったことから来た誤解とされる。
  • RX-77 ガンキャノン
    • ホワイトベースに搭載される予定であったガンキャノンは本来2機、4機あるいは6機の予定であったが、サイド7遭遇戦での損失により、1機のみが搭載された。機体番号はC108である。この機体 (C108) は少なくとも1号機ではないと思われる(1号機はRX-77-1A ガンキャノンAに改装されたとされるため)。かつて、この機体がRX-77-1仕様であるかRX-77-2仕様であるかはよく分かっておらず、そのためにこの機体をRX-77-1と記述した資料も多数存在したが、現在ではRX-77-2仕様であったことが判明している。そのため、RX-77-1はその姿や仕様は全く不明とされるようになった。
    • なお、ジャブローへの帰港時に機体番号C109の機体が1機追加されたとされ、その後の宇宙戦では計2機で運用されたとされる。但しこれは劇場版による設定であり、テレビアニメ版では補充されていない。
  • RX-75 ガンタンク
    • 本来2機、3機、4機、6機あるいは8機の予定であったとされる。型式番号は一部の資料ではRX-75-4であるとされる。しかし、一説によれば一人乗り用に改装された際に型式番号の変更が行われたとされるが、RX-75-4というのが改装前と改装後のどちらの状態を指すのかは不明である。
    • なお、ジャブローへの帰港時に降ろされ、代わりにガンキャノンC109が補充されたとされる。これは劇場版による設定であり、テレビアニメ版では降ろされておらず、他の機体と共に宇宙空間での戦闘に参戦。通称「ニュータイプ部隊」の一翼を担い続けた。
  • ガンペリー
  • FF-X7 コア・ファイター
  • FF-X7-Bst コア・ブースター
  • Gファイター(Gメカ)
  • ランチ(スペースランチ)

 

劇中での活躍

以下の内容は原則的に劇場版のものであり、テレビアニメ版の内容は都度TV版と記述した。

宇宙世紀0079年9月1日、ジャブローにて竣工。同年9月15日、パオロ・カシアス艦長指揮の下、テストを兼ねルナツーへ向けて出航し、一説によれば9月17日に寄港。そして搭載するRXタイプモビルスーツを受領するため、9月18日、サイド7・1バンチに入港した。物語はここから始まる。

9月15日の大気圏突破時、ジオン公国軍のシャア・アズナブル少佐率いる特務部隊に発見されてしまい、振り切ろうと努力するも結局、捕捉されたままサイド7に入港してしまう。入港直後、モビルスーツ小隊による強襲を受け、パオロ・カシアス大佐は負傷。その後はブライト・ノア士官候補生が艦長代行を務める。同時にパイロットを含む正規士官もほとんどが戦死または負傷してしまっていたため、下士官や訓練兵、サイド7から避難してきた民間人などで暫定的に運用される事となる。搭載する予定であったモビルスーツも多くが破壊、あるいは破棄せざるを得なくなってしまい、RX-78 ガンダム、RX-77 ガンキャノン、RX-75 ガンタンクをそれぞれ1機ずつ収容するのがやっとであった。また、この際に史上初のモビルスーツ同士の戦闘が行われた(サイド7遭遇戦)。

そして、アムロ・レイなどの活躍により、予定より30分遅れで9月18日のうちに出航。追撃を受けながらも9月20日、ルナツーに入港する。その際、再度シャア・アズナブルによる襲撃を受け、パオロ・カシアスは戦死し、宇宙葬が行われた。9月22日、ルナツー司令ワッケイン少佐の命により、サラミス級巡洋艦1隻(艦名はマダガスカルとの説あり)と共にジャブローへ向けて出航する。9月23日、大気圏へ突入するが、その際シャア・アズナブルによる追撃を受け、ジャブローのある南アメリカではなくジオン公国軍占領下の北アメリカに降りてしまう。その後は戦力不足や推進エンジンの不調のため直接南進して南アメリカへ向かう事はできず、途中レビル将軍が派遣したマチルダ・アジャン中尉率いる第136補給部隊の支援を受けながら西進し、搭載兵器の性能やパイロットの能力にも助けられ幾多の戦果を挙げることとなる。

10月4日、シアトルにてジオン公国地球方面軍司令官であるガルマ・ザビ大佐指揮の機動大隊と交戦し、これを殲滅。ガルマ・ザビは戦死する。その後、ガルマ・ザビの残党やランバ・ラル隊による襲撃を受けながらもさらに西進を続け、太平洋を横断し、10月10日、ロブ湖付近に到着(TV版では、10月7日に日本山陰地方)。レビル将軍の命によりオデッサ作戦に参加するため、中央アジアに進路をとる。11月2日、レビル将軍にカスピ海を渡るよう指示されるが、それを守れず中央アジアを進撃中、コア・ブースター(TV版ではガンダム用支援パーツ「Gファイター」)1機を補充される。11月5日、幾度か交戦してきたランバ・ラル隊をついに撃破する(ランバ・ラル大尉は戦死)。その後、ランバ・ラル隊の残党と戦闘し、リュウ・ホセイが戦死する。11月9日には黒い三連星と交戦(TV版では11月6日に初交戦)し、撃破している。黒い三連星パイロット全員と、マチルダ・アジャンが戦死。また、TV版ではジオン公国地球方面軍ヨーロッパ方面指揮官マ・クベ大佐の放った水爆ミサイルをガンダムが迎撃した。

11月18日、ベルファストに入港する。11月19日、21日にジオン公国軍の26潜水戦隊(フラナガン隊)から2度にわたる襲撃を受けるがこれを撃破。フラナガン・ブーンミハル・ラトキエ戦死。11月21日深夜にベルファストを出航する。大西洋を横断し11月27日、ついにジャブローに入港した。実は11月22日からマッドアングラー隊に追尾されており、この入港でジャブローの位置がジオン公国軍に察知されてしまった。11月30日、ジオン公国軍によるジャブロー攻略戦が行われる。ホワイトベースの乗員も参加し、マッドアングラー隊のシャア・アズナブル大佐とガンダムが交戦。また、マッドアングラー隊によってモビルスーツ工場に仕掛けられていた爆弾をホワイトベースの乗員が撤去した。

ジャブローにて地球連邦宇宙軍第2連合艦隊(通称ティアンム艦隊)第13独立部隊に所属が決定され、乗員の正式任官や昇格が行われた。ここでホワイトベースは大幅な改修を行われ、メガ粒子砲は横連装から縦連装に換装された(TV版では横連装のまま)。またその際、ジャブローのドックで建造中であったペガサス級6番艦「SCVA-74」(名称未定、一説によれば後のスタリオン)はホワイトベースの特定修理のための部品取りのために建造を中止し、そのまま終戦まで放置された(建造が続けられたという説もある)。この時コア・ブースター(TV版ではGファイター)1機が配備、補充人員としてスレッガー・ロウ中尉が配属されている。また、この時にガンタンクを降ろし、ガンキャノンC109を補充している(TV版ではガンタンクはそのままで、ガンキャノンC109も補充されていない)。

12月2日に囮艦の4隻の一つとしてジャブローを出航し、ルナツーのワッケイン少佐と合流するため再び宇宙へ向かう(一説によれば13日)。12月4日、ジオン公国軍のキャメル艦隊と交戦し全滅させる。キャメル艦隊長ドレン大尉戦死。その後、サイド6のパルダ・コロニーに入港する。12月5日未明に出航し、ジオン公国軍のコンスコン艦隊と2度交戦。全滅させる(コンスコンは戦死)。

そしてサイド5のテキサスコロニー付近でワッケイン少佐の率いる第3艦隊と合流。12月24日、ソロモン攻略戦に参加。スレッガー・ロウ中尉がビグ・ザムに特攻し戦死するが、ガンダムによってビグ・ザムを撃破(搭乗していたドズル・ザビ中将は戦死)。

12月30日、ア・バオア・クー攻略戦に参加するため集合地点に向かうが、ソーラ・レイにより連邦艦隊はその3分の1を損失(ソーラ・レイ照射)。遅れて到着したホワイトベースはマゼラン級戦艦ルザルを旗艦とする第1大隊に編入され、連邦艦隊再集結の目印とされる。再集結後、連邦艦隊はア・バオア・クーへ向かい、12月31日、ホワイトベースは左舷エンジンに直撃を受けてア・バオア・クーに着底、さらに間もなく右舷エンジンもリック・ドムのジャイアントバズにより破壊され、航行能力を完全に失う。乗員は艦を砦として白兵戦を続けた後、ランチにて総員退去。彼らの見守る中ホワイトベースは大爆発をおこし、完全な艦体破壊、喪失に至った。戦後除籍。

ホワイトベースの乗員は白兵戦を行った後、ランチ2艇でア・バオア・クーを脱出し、一説によればペガサス級強襲揚陸艦ブランリヴァル、あるいはサラミス級巡洋艦フィラデルフィアに回収され、月面グラナダに到着している。彼らはその後、地球連邦政府により英雄として祭り上げられる事になる。

小説版

富野由悠季の小説『機動戦士ガンダム』では、ホワイトベース級強襲揚陸艦1番艦ペガサスとして登場する(2番艦が「ペガサスジュニア」、3番艦が「サラブレッ」)。

サイド7寄港時にガンダム3機、ガンキャノン3機が搬入される予定であったが、ザクの襲撃により、実際に搭載されたMSはガンダム1機、ガンキャノン2機であった。

アニメ版とは異なり、地球に降りないまま転戦し(ガルマのガウとも宇宙で交戦する)、スペースコロニー「テキサス」でガンダム2号機は撃破され、ペガサスも撃沈される。その後、ペガサスの生存者は月の地球側にあった連邦軍の基地「フロント・バック」で再編成された「第127独立戦隊」の中核として、ホワイトベース級2番艦「ペガサスジュニア(ペガサスJ)」(艦名はペガサスにあやかって命名)に配属され、濃いグレーに塗装されマグネット・コーティング処理を施されたガンダム3号機(識別番号G3)及びペガサスから引き継いだガンキャノン「C-108」「C-109」、ジム「324」「325」2機、203戦隊の宇宙戦闘機トマホーク12機、随伴艦としてサラミス級巡洋艦「キプロス」「グレーデン」、ボール4機を与えられている。

第127独立戦隊はソーラ・レイ照射によってレビル指揮下の連邦軍主力が壊滅した後、コレヒドール暗礁宙域の戦闘で「キプロス」「グレーデン」、ガンダム、ガンキャノンC-109を失いながらも、キシリアとシャアに協力してキシリアの座乗する戦艦「ズワメル」とともにジオン本国を急襲し、シャアとともにジオン共和国を建国、ジオン共和国軍の中核として留まったとされる。

この設定は後に『モビルスーツバリエーション』に取り入れられ、グレーのガンダム3号機はG-3ガンダムに、ペガサスJはホワイトベースJr.(ホワイトベースジュニア、艦籍番号:SCV-71)となった。小説版とアニメ版ではペガサスとホワイトベースの立場が異なるため、こちらではホワイトベースにあやかって付けられたという設定とされた。また、『モビルスーツバリエーション』でペガサス級ではなくホワイトベース級が正しいとされ、ホワイトベースが1番艦、ペガサスが2番艦とされているのも小説版の影響である。

ホワイトベースJr.の追加乗組員

デッキ人員
  • キャラハン・スレイ軍曹
パイロット
  • サーカス・マクガバン少尉(ジム324)
  • キリア・マハ中尉(ジム325)

機動戦士ガンダム THE ORIGIN

漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』では、ホワイトベースは補給艦(正確には補給艦に偽装した軍艦)として登場する。こちらも基本的にアニメ版に近い経緯をたどるが、太平洋を横断せずにアメリカ西海岸を南下してジャブローに入っている点が異なる。

その後、ジャブローにて大幅な改装が行われ、本来の姿であるペガサス級宇宙戦艦1番艦ペガサスとして再竣工する。すなわち、本作においては、ホワイトベースとペガサスは同一の艦である。また、ホワイトベースの活躍により戦艦としての有用性が認められ、ホワイトベースがジャブローに到着した時点で2番艦、3番艦も着工され、その後1か月の間に7番艦アルバトロスまで建造されていた。オデッサ作戦開始時(ジャブロー戦の後に変更)には就航していた同型艦が複数作戦に参加している。更にア・バオア・クー攻略戦では、船体を一体化して搭載能力と生産性を高めた改良型が、ジム部隊の母艦として多数投入されている。

THE ORIGINでの追加乗組員

パイロット
  • ヴェルツ大尉(ガンダム01号機)
  • ウィリー・ケンプ中尉(ガンダム02号機)
  • キム伍長(ガンタンク)
  • ニカウ(ガンタンク)
  • ヤン(ガンタンク)
  • シン少尉(ガンキャノン)
  • ダニエル・シェーンベルグ兵長(ガンキャノン、ガンタンク)
  • エトゥル・ベオルバッチェ曹長(ジム)
  • ミカエル・ロドリゴ軍曹(ジム)
  • ウォン・チャン伍長(ジム)
  • イ・ウンジュ少尉(増加装甲型ジム)
  • タカアキ・ヤジマ少尉(増加装甲型ジム)
ブリッジ
  • ラウル中尉
  • 女性士官(官姓名不明)
  • ワッツ少尉
  • リツマ曹長(副通信士)
メカニック
  • マグダレナ・ロッシ少尉(技術担当仕官)
機関
  • ベンジャミン・アダムス曹長(機関長)

脚注

  1. ^ テレビアニメ『機動戦士ガンダム』、映画『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』のカイ・シデンのセリフ「ホワイトベースは船っつっても、宇宙戦艦てほうだからな」。
  2. ^ 講談社ポケット百科シリーズ『機動戦士ガンダム』(1981)。
  3. ^ 富野由悠季の小説『機動戦士ガンダム1 - 3』、小説『機動戦士Zガンダム』。
  4. a b c d e f 『ファンタスティックコレクション・スペシャル 機動戦士ガンダム・マニュアル』(大河原邦男・松崎健一監修、朝日ソノラマ、1981年3月)。
  5. a b c 『アニメック』6号(ラポート、1979年)
  6. a b c d e f 『講談社のポケットカード8 機動戦士ガンダム モビルスーツコレクション』(1982年)
  7. a b 『講談社ポケット百科シリーズ15 ロボット大全集1 機動戦士ガンダム』(1981年)
  8. ^ 第28話、31話より。
  9. ^ バンダイ『模型情報6月号・特別編集/モビルスーツバリエーションハンドブック第4集』(1984年)。
  10. ^ 講談社『機動戦士ガンダムMSVコレクションファイル 宇宙編』(1999年)。
  11. ^ バンダイ『模型情報6月号・特別編集/モビルスーツバリエーションハンドブック第4集』(1984年)。
  12. ^ 講談社ムック「ガンダム解体新書 一年戦争編」より。
  13. ^ 『テレビマガジン』1981年3月号付録「機動戦士ガンダム大事典下巻」(講談社)79頁。
  14. ^ もともと副砲は駆逐艦の様な軽艦艇に対する防御兵装であり、駆逐艦の存在しない本作品に於いて存在価値は疑問符が付く。
  15. ^ 講談社『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション 3 連邦軍編』(1984年)。
  16. ^ みのり書房『ガンダムセンチュリー』(1981年)。
  17. ^ 厳密には講談社発行の書籍『機動戦士ガンダム モビルスーツバリエーション 3 連邦軍編』やバンダイ模型部(現:ホビー事業部)発行の雑誌「模型情報6月号/特別編集モビルスーツバリエーションハンドブック第4集」(共に1984年)
  18. ^ 実際にも、ロード・ネルソン級戦艦メリーランド (戦艦)愛宕 (重巡洋艦)のように、ネームシップと竣工順での一番艦が異なるケースは存在する。
  19. ^ 徳間書店 ロマンアルバム・エクストラ42 『機動戦士ガンダム(劇場版)』116頁
  20. ^ ラポート『アニメック』15号30頁。
  21. ^ 浮遊原理については『ガンダムセンチュリー』に先行するロマンアルバムにおいて記述がある。

関連項目

他のペガサス級兵器


宇宙世紀

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