小説家になるための戦略ノート   作者:坂崎文明
<< 前の話次の話 >>  38/265  ライトノベル小説家の資質とは?

 

AMG体験説明会 「電撃デビューのために」レポート(ライトノベル作法研究所より)
http://www.raitonoveru.jp/howto/h2/a.html
 
 今回、ライトノベル作家になるための資質について考えます。
 まず、以下のサイトとかを、全部、ざっと読んでみて下さい。
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  つぎに話されたのは、執筆にあたっての心構え。
 新人賞に応募する作品の題材には、自分が好きなものを書くのがまず基本として、
 段階を踏んで読者(読み手)との距離をはかるように、すり寄せも行うのも必要であるとのこと。
 参考までに、商業作品の場合は、

    エゴ    サービス
     5  :  5   無理(商品にならない)
     4  :  6
        ~      範疇(作家のスタンス、編集者しだい)
     1  :  9
     0  :  10  読者に見破られる(書き手がシンドイ)

 というのが一般的。ただし、新人賞応募ではそこまで気にする事はない。
 それでも、読者を想定することは大切で、自分の書いた作品を
 どれくらいの人間が好きになってくれるかは、頭の片隅には留めておくとよいとのこと。
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作家の年収とは、実際にはどのくらいあるのか?
http://novelgakuen.com/saka.html

ライトノベル作家になりたい人へ 作者:B森式
http://ncode.syosetu.com/n7096bb/
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 あなたがなろうで自分の気の向くまま好き勝手書いて総合評価ランキングベストテン入りするようなら、きっと問題はないでしょう。どうぞこれからも頑張ってください。

 けれど、ランキング入りしているものについて、「何でこんな物がランキング入りしているのか分からない」という場合、あなたの感性は「読者」と離れている可能性が高いです。つまり、あなたの書く物は読者の好みでは無い可能性も高いです。

 読者を言い換えるなら、「大衆」です。

 あなたは、どんな読者を想定して物語を書きましたか?

 自分と似たような相手ですか? 

 ではあなたと似たような相手は、この日本に何人いますか?

 そういう人たちにしか売れない物を、出版社が欲しがると思いますか?

 そういうことです。
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ライトノベル作家目指して三年頑張った結果wwww
http://naomani.com/articles/16517.html

ラノベ作家になるには
http://ranobebook.sakuraweb.com/narutameni.html

ラノベ作家になるには
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1081690175

ラノベ作家になりたい君へ
http://anond.hatelabo.jp/20130329203456

ラノベ作家の処世術
http://ranobebook.sakuraweb.com/

 さて、このあたりの情報をまとめると、目安として3年ぐらい投稿して50~100作ぐらいは書いて、新人賞に引っかからなければ、ラノベ作家はあきらめた方がいいということです。

 「小説家になろう」でランキング上位にいかない、読者の支持がない、という場合、これはその人の作品が面白くない、今の読者の傾向にはあってないということです。

 テンプレは人気作品を書くための条件ですが、これを否定する時点でその人に「ラノベ作家になる資質のひとつがない」のかもしれません。

 読者の現実に適応できてないのかもしれないと思います。

 あの栗本薫でさえ、デビュー作「僕らの時代」という推理小説で江戸川乱歩賞(この賞を取った人の作家生存率は高いらしい。すごい賞だけど)で新人賞対策をしたようです。

 その後、短編など書きつつ、早川書房から「グインサーガ」、角川書店の野生時代かな?に連載しつつ「魔界水滸伝」を書き始めています。

 本当に書きたい小説は「新人賞を通りにくい」ことを知っていて、あえて推理小説でデビューしたようです。

 まあ、小説の天才なので、そういう芸当もできたんでしょうけど。 

 僕のように40歳以上だと時代小説(時代考証とかかなり難しい)を書くのが本当のところです。年齢的にはラノベは30歳ぐらいまででしょう。そういう要素をラノべ的に料理して、今風にアレンジできるなら別ですし、作家としての柔軟性、環境適応力も必要でしょう。

 あきらめて他の新人賞に応募したら、すんなり通るということもあるかもしれません。

 栗本薫も他の漫画家を挫折して小説家になった人も、自分が受け入れられる場所を見つけて花開いた例は多いです。

 その人のジャンル適応力とか、小説家としても資質の違いもありますし。

 それと、僕もここに挙げたサイト以外の物も沢山みているのですが、新人賞を受賞しても、その作品を編集者と相談しつつ、全面改稿、書き直しができる作家が生き残れるようです。

 『とある魔術の禁書目録』の鎌池和馬氏のエピソードを紹介します。
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第9回電撃ゲーム小説大賞に『シュレディンガーの街』を応募、第3次選考まで残るも落選[2]。しかし、応募した作品そのものは担当編集者の三木一馬の目に留まり、後に三木から「書いてみないか?」と連絡を受けて執筆を始める[2]。それから1年ほどの間「武者修行」として何本も試作執筆のやりとりと話し合いを続け[2][3][注 2]、さらに6、7回の改稿を重ねて書き上げた作品『とある魔術の禁書目録』で2004年4月にデビュー。第1巻は当初売れなかった時のリスクを考え単巻完結のつもりで書いたが[4]、無名の新人としては快挙とされるほど相当売れたとのことで[5]、その後のシリーズ化が決まった。

「注 2] 試作のプロットや原稿を書いては没にされる、といった過程をひたすら繰り返したという。三木曰く「殴り合いのようなガチの打ち合わせ」。
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 大衆という名の読者はごく普通の人々です。

 マイアック過ぎても(薀蓄うんちくも必要だけど)、簡単すぎてもいけないし、わかりやすくないといけないし、といって作家の書きたいことを入れるのは前提だし、それがないと作品を書く意味がないです。

 読者の反応を見ながら自分の作品の本質は変えずに、アレンジを変えていくことができる柔軟性が大事です。

 栗本薫によれば「頑固で強情だけど、妙に素直で変わり身が早く、引きこもりのニート」が作家に向いた性格という話もあります。

 できれば書く速度が早く、作品を量産できる作家がライトノベル作家には向いています。

 次回は『とある魔術の禁書目録』の鎌池和馬氏のお話です。


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