ダンジョンを造ろう   作者:渡良瀬ユウ/ロウ  104/155  

ダンジョンを造ろう 設定

 

 「ダンジョンを造ろう」 魔王誕生と共に置かれる手引書。
 と言っても必ず本の形をしているわけではない。その形は魔王によってさまざまである。
 基本はクエストの確認、達成による報酬を得て、魔素を消費して技能スキルを獲得、

 ダンジョン内の遠視とステータスの確認、保存の効く倉庫、などの性能がある。
 また魔王の質問にもある程度答えてくれる。なお、 サポートセンターまで連絡が行くのは非常に稀、通常はあり得ない。
 また、技能スキルの獲得だが、ツリー表形式である。それぞれ「ダンジョンを造ろう」によって内容も異なる。増やす方法もあるらしいのだが……。

ダンジョン
 魔王が誕生する際に現れる魔王の住処。
 種類は様々で多いのは洞窟型。他にはDPを消費することで集落、村、町と大きくなっていく箱庭型。魔王誕生の場所がどこか建造物だった場合、そこ事ダンジョンかする建物型。自分とダンジョンが一体化している領域型。様々。なお、空間に繋がる扉型は非常に珍しい。
 またダンジョンにはそれぞれ変わった特性がある。例えば配下が眠れば傷が回復する。魔素を消費すれば配下を指定して才能があれば新たな固有技能ユニークスキルを与えられるなど。

レベル
 強さの指標となるもの。生物を殺せば経験値が手に入り、一定以上経験値を得るとレベルが上がり身体能力が若干上昇する。

魔力
 全ての生物の体内に生成される不思議な力。これを消費することにより様々な現象を起こすことが出来る。なお、魔力が枯渇すると息切れを起こしたりする。種族に寄るが、昏倒したり、消滅する場合もある。

魔素
 魔力を持つ生物が死んだ際に発せられる魔力の素。魔王以外に使い道はない。魔王はこれを吸収し、消費することで技能スキルを得る。

進化ランクアップ
 魔物、あるいは魔族がある一定以上のレベルになると起こる。現在の身体が急激に変化し、新たな身体に生まれ変わる。また魔物、魔族は種族により進化進化レベルは異なる。

昇華 (クラスアップ)
 進化に伴い種族が変わること。

職業
 ある一定の条件を満たすことで得られる。稀に先天性の職業もある。職業を得て成長すると技能スキルを得られる。一般的で通常であり唯一の技能スキルの得る方法。また得られる技能スキルは経験などで異なる。一階位(下位)から四階位(最上位)まである。

位階
 魔物、魔族の進化の回数。一階位であれば進化ない。二階位であれば一度進化、三階位であれば二度進化。最高位は四階位であり、三度進化。ただし四階位は魔物のみ進化で到達できる。魔族は三階位まで。四階位は魔王として誕生する。

技能スキル
 魔力を消費して行う技。魔法などもこれに含まれる。身体能力が強化されたり特殊な効果が付く。必殺技である。

固有技能ユニークスキル
 技能と同じだが、職業では得られない。先天性によるものであり、魔物や魔族は生まれた時から何らかの固有技能ユニークスキルを有する。但し性能は良くなく、例えば小悪鬼ゴブリンならば『治癒促進』で怪我の治りが僅かに早くなる程度。但し進化ランクアップ大悪鬼オーガになれば『異常回復』となり「カロリーというか、腹が非常に減る代わりに傷を瞬時に治す」になり強くなる。
 人族は運が良ければ生まれた時に得られる。

魔物
 魔物の定義は広く、言語を有していない生物。犬猫は勿論、魚や虫も全て魔物である。家畜や愛玩動物、野生の人に危害を加える動物も魔物となる。
 特徴としてはレベルが上がりやすく、進化しやすい。また時折昇華ランクアップも稀に出る。

魔族
 言語を有し進化ランクアップする生物。ただし、魔物とは異なり進化ランクアップすることは珍しい。一度でも出来れば一流、集落などでは無条件で長として認められ、三階位となれば非常に珍しく、魔王が居ない限り周囲一帯の支配者となる。四階位は魔王である。

人族
 言語を有し進化ランクアップしない生物。人間だけでなく、エルフやドワーフなども含まれる。特徴として進化ランクアップしないためレベルがいつまでも上がる。職業を得やすい。
 おおよその目安を付けるのであれば、百レベルを超えれば一流であり、二百レベルを超えれば規格外である。222レベル? 人を辞めた化け物としか言えない。

 魔王
 数年に一度、どこかで誕生する四階位の魔族。通常の魔族では決して到達できない領域であり、人族にとって脅威そのもの。基本は傲慢、自分を最優先として他者を奴隷の如く劣悪な扱いをする。現在ここの大陸に確認されているのは五体である。また魔王は自種族の魔族には絶対的な命令をすることが出来る。同種族の魔族は逆らえない。

 オワの大森林(実質的国有領地)無断侵入者(人間)皆殺死

 大陸中央に広がる大きな森。様々な魔物、魔族がいる。自然に溢れていてここでしか取れない植物もある。
 東部 魔王ノブナガが誕生し、ダンジョンがある。東部に生息していた魔族は魔王の配下となり、魔物の数は激減。魔王の配下になることを嫌った魔族、魔王や剣聖から逃げ出した魔物は中央、西へと向かった。
 過去に国家群のユゥラ樹林国が自分たちの支配域を伸ばそうと東部に手を出したことがある。木々を間引き、毒となるものを排除し過ごしやすい環境を作った結果、魔族や魔物にとっても過ごしやすい環境になり数が激増。ユゥラ樹林国は奮戦するも、湧き水のように出てくる魔族と魔物に東部の管理を諦める。
 そのため、東部は中央、西部に比べると風通しなども良く、非常に住みやすい環境。

 中央 オワの大森林の中心。どこからも侵攻を受けることがなかったため、樹齢五百年を軽く超える木々がいくつもある。また間引きなどは行われていないため木々の数が多い。魔族、魔物の数も東から流れ込んできたためやや多くなり始めている。栄養溢れる大地ゆえ、自然も豊富。果実などはたくさんある。

 西部 オワの大森林の西側。首領悪鬼の住む西の山脈に接している場所でもあり、王国の王都に近い場所でもある。
 環境は最悪。木々が乱立しすぎている所為で日の光が届かず、地面はぬかるみ、木々も歪んでいる。またそんな環境の所為か、蛇人ラミアなども生息している。
 元々西の首領悪鬼に命じられ食料確保に来た配下たちや、ここにしかない素材を集めに来た冒険者など、出入りの激しい場所であり、オワの大森林の中でも生き残るのが屈指の難易度の場所だったが、更に東や中央の魔族、魔物が入り込んできた所為で混沌化。三階位の魔物が複数誕生する危険地帯となっている。

名前 ノブナガ
種族 二重の者

ドッペルゲンガーの王
職業 魔王
レベル 1
主な
技能スキル 
 重力 重力を操る。あくまでその場の重力を倍にさせるだけで、玉にしたり、向きを変えたり、無重力などには出来ない。
 異界の知能 異世界の知識や知性などが詰まっている。夢と希望も詰まっていたらいいのに。

 偽りの私 自分を相手の姿に変え、能力や記憶も全て同じとなる『偽る私』の上位互換。『偽る私』では不可能な、任意に作れる身体を設定することで変身することも出来る。ただし、元の身体と差があるほど魔力の消費は激しくなるし、枠も決まっている。また元の身体とかけ離れた身体を作ると動きが分からず苦労する。

 タングステンの身体 偽りの私に作られた全身タングステンの身体。服装はマフィア。分かりやすく言えばタングステンのゴーレム。非常に重く自分で動くのもやっとなほど。非常に硬い。ただし、隠し設定としてタングステンは魔力を通しにくい、絶縁体ほどではないが抵抗値が高い金属であり『重力』など体外に魔力を放出することは技能スキルは使えない。『自動回復』『体温調節』などは多大な魔力を消費することで使用可能となっている。

 歴戦の戦士ノブツナ 作はライルだが、監修はアリスとヴォルト。なお、ほとんどアリスとヴォルトの意見で作られている。巨躯で筋骨隆々で隻眼のおっさん。元々はノブナガがライルに人族の町に入り込むために用意するように指示したのだが、それをアリスとヴォルトが自分好みの身体に鉄拳でライルに作らせた。巨躯で筋骨隆々な強そうな姿はアリスの好み、傷が付いているのはヴォルトの師と同じである。なお、見た目通り筋力は大幅に増量されている。

 ??? 威嚇用の身体。三十秒しかもたない。実はこっそり練習中。

 オワの大森林に誕生した魔王。魔王として自覚がなく、生き残りたいだけ。ダンジョンに引き籠って安全に行きたいと考えている。
 『重力』という強力な技能スキルと『偽りの私』からのタングステンの身体による絶対的な防御力を持つ。また『異常耐性』も複数持っている。他にも『自動回復』により傷を癒して、『体温調節』によりタングステンの状態で火あぶりにされても調節して通常の身体に戻ることが出来る。高温のタングステンの身体で戻ると身体が焼けて死ぬ。
 なお、魔力がなくなると戦闘能力は一般人程度まで落ちる。一階位の魔族にも怯える雑魚である。

僅かなネタバレ
 ノブナガは魔力特化型魔王である。二重の者ドッペルゲンガーなので本来の身体はなく、血などの代わりに魔力が身体を巡っている。そのため、魔力が枯渇すると、体内の血が少なくなるような症状が出て最終的に昏倒する。死ぬことはない。
 近い種族としてアンデットなどが居る。こちらは魔力が枯渇すると消滅する。

二重のドッペルゲンガー
 自分の姿を――というあれ。能力は相手の姿になる。記憶や癖、身体能力など完璧に真似できる。その能力に目を付けられ、『剣聖』により絶滅寸前に。しかし自然発生型なので絶滅はしない。但し一気に狩られ過ぎたため今は居ない。また雌雄はない。
 人族の間では言語を有しているとは思われておらず、魔物として扱われていた。実際は魔族だったのである。