魔法の最終魔法。
自らの命を対価として神そのものをその体にそそぎ込む。
究極の神化魔法
超高位魔法 神級
魔人に力の化身が在るように、森人に超獣があるように。
それは神級と称される究極の魔法の一つとして、あった。
―― 降臨
舞神ユーロパの光臨
鬼魔化オマケ
蛇人スーマ(暗殺の化身)
――― 超騎士 連続で少なくとも6連の魔法式【主人公防御】
加速。
単純な速さでは子供に軍配が上がるようだ。
暗殺拳の超人たる蛇人の数段上の速さ。
―― 斬鉄
剣が魔力を帯びる。それが如何なるものか【主人公防御】
――― 三重加速砲!!
私はその魔法式を手で無造作に掴み砕いた。
――― 魔式斬り
――― 二連!!
位置とタイミング的に手で払っていたのでは間に合わない。
私はとっさに奥の手を出す。
体から湯気の様な白い霧が吹き出す。
―― 魔式滅壊
毒の霧に乗せたハジャが魔法式を無差別に破壊する技だ。
―― 召還!!
左手の中の内燃式で私の魔式滅壊を超えて、何かを呼び出す。
何より、拳の技量。 全てにおいて格が違う。 破格というレベルの苛烈さ。
チタンにアンロック、ロックとアシストなどの魔唱・無唱マテリアルの
粒子や構造体を重ねてつくったオリジナルの魔剣クラウソラスを出さざるを得なかった。
僕の手はスペリオルによる超再生で回復済みだ。
――― 四肢繰
―― 【主人公防御】転移
魔唱マテリアル。ついに物質化に成功した魔素結晶。
存在の証明以外に一つ魔法式を内在し、一定の魔法を発動させ続けるのが
魔唱マテリアル。それが無いのが無唱マテリアルとなる。
魔唱マテリアルは魔法を発動させながら自らの魔素を使って小さくなっていく。
そのスピードは極めて緩やかだが永久に使えるものではない。
それでも僕が作れる米粒大の魔唱マテリアルですら単純魔法なら10年以上使える。
さて、僕の使ったボルトの魔法式を内在した魔唱マテリアルを埋め込まれた電磁釘。
これを脊髄に打ち込まれた生物は神経伝達が無茶苦茶になる。
神経が混乱するとハジャは発動しない。
見たところマリオネットも無茶苦茶な神経信号で機能不全を起こしているようだ。
――― 魔解結界【主人公攻撃】
僕は即座に魔素を弾く結界を作って彼の体を覆った。
この中では常に魔素が枯渇するため、魔法は使えない。
魔法を破壊するハジャとは違い、これは魔法を使わせなくする魔法である。
結界内の魔素が完全に抜けきった。これで内燃魔法すらも使えなくなる。
僕は別の制御魔法が込められた魔唱マテリアルの針を体に差し込んだ。その数、12個。
魔素を飛ばしていた効果が針を中心に共振し、彼の内部の魔素を吐き出し始めた。
―― 経験損失【主人公攻撃】
要するにこいつの内側にたまった魔素による強化を失わせる特殊魔法だ。
見たところざっと500オーヴァーという尋常じゃないレベルを有しているみたいだし、
さくっとLV1に戻って貰いましょうか。
―― 記憶探索【主人公攻撃】
お前はどんだけ人殺してるんだよ。
一万人近いぞ。こりゃ。
「じゃー、5才児に戻ってみようか?」
―― 記憶消去【主人公攻撃】
僕は彼の5才以降の脳内情報を、彼の過去を全て消去した。
殺人鬼スーマくんはまた人生やり直しなさい。南無。
神級魔法。 魔法の中でも最高の力。
アイラが使ったそれをライオットもまた研究していた。
―――― 神化
純然たる肉体の限界を呼び起こす戦神魔法の極み。
戦人で無いものが使えば、肉体の限界行使で死を免れられない禁断の絶技。
術の発動と同時に全身をすさまじい光が包んだ。それは体の内より沸き立つ光だ。
全身の破邪門が強制的に開き、あらゆる魔法を完全無効化する光を生み出したのだ。
第二段階の破邪魔法の解放。
――― 後光
【戦闘終了後死亡】
「僕が彼を癒す。下がってろ」僕は言葉に力を込めた。
ただ、実際に上手く行くかは五分五分と言ったところか。
完全に死んだ人間を蘇生させたことは今までない。
――― 超獣
肉体の魔獣化。これで強制的に完全破壊された肉体を別のモノに作り替える。
死んだ肉体の強制再生が始まると同時に精神を確認する。
やはり神化魔法の影響で精神崩壊も始まっている。
今はまだ、集団意識に残ったライオットの固有格の残滓が周囲をさまよっている状態だがすぐに昇華が始まってすべて消える。
――― 神結
魔素結晶化魔法。
時空間を完全に限定できる理論障壁でコレクティブ・アンコンシャスから魂を隔絶し、
魂の昇華を防ぐ。
さて、魔獣と化した魂を持たない死体は魔核をもつ。
魔素が固まった疑似魂に向けて僕は理論障壁を縮小させた。
マテリアルに圧縮された魂入りの魔核が出来上がる。
これで魔素と魂が魔獣の肉体に宿った。
これでライオットは魔獣として蘇った。ここで終わらせるなら。
――― 人化
コレクティブ・アンコンシャスの共有認識面からライオットの全過去情報を取得。
魄と魂。材料の確保と魂の設計図による再構築。
僕の力業で魔核が魂に変わり、魔獣と化した肉体がゆっくりと人間に戻る。
「無事に人間に戻っているか。まぁ、保証はないな」