7月7日、七夕の日。
おばあちゃまが亡くなった。
95歳になって一カ月と5日。
長い95年の人生を閉じた。
おばあちゃまは千葉に住んでいたからお正月にしか会えなかった。
おばあちゃまはすごくいい人だった。
悩み事の相談にちゃんとのってくれるし、そのたびにいいアドバイスをいっぱいくれたんだ。
優しくて、笑顔が可愛くて、孫やひ孫にいっぱい囲まれて、おばあちゃまは幸せそうだったな。
そんなおばあちゃまの訃報は突然だった。
おばさんから、
「おばあちゃま、急に具合悪くなって亡くなっちゃいました。」
と、明け方の4時くらいに留守電が入っていた。
それを聞いた瞬間、頭の中が真っ白になった。
亡くなった・・・
全然実感はわかなかった。
実感はわかなかったけど、涙は止まらなかった。
その日は普通に学校に行った。
けど、思い出さないようにすることで精一杯だった。
そしてなぜか一人ではいたくなかった。
次の日はお通夜だったから学校を休んだ。
車で千葉まで行き、お通夜が始まるまで待った。
お通夜の前に亡くなったおばあちゃまと会った。
やっと実感がわいた。
そこには、ただ、寝ている風に見えるおばあちゃまがいた。
本当に亡くなったんだ。
と、胸がいっぱいになった。
おばあちゃまの手や足は黄色くなり人の肌の色とは思えなかった。
手の爪は真っ黒でしわしわで祈るように手を握っていた。
顔はお化粧をしていなかったから真っ白で見ていられなかった。
そんなおばあちゃまの顔にいとこのおねえちゃんがお化粧をしてあげた。
おばあちゃまの顔は全然変わった。
笑っているように見えた。
おばあちゃまの頬を触った。
柔らかかった。
どうしてこんなに柔らかいの・・・
まだ生きているように思えた。
今でもあの柔らかさは忘れられない。
ずるいよ。
おばあちゃまを棺桶に入れ、そこに愛用していたものをたくさんいれた。
お通夜は1時間ほどで終わった。
そして次の日は告別式であった。
前日と同様、たくさんの方がお焼香に来てくださった。
そして、おばあちゃまの棺桶に家族、親族、お焼香に来てくださった皆様がお花を入れる時が来た。
おばあちゃまにありがとうって、みんなみんな顔を近づけて言っていくんだ。
おばあちゃまはすごい人だったんだね。
みんなおばあちゃまに感謝の言葉を言いながらお花を入れていった。
そのたびに涙があふれてきた。
泣かない、そう思っていたがこの時は我慢できなかった。
そして、最後のお別れが終わり、棺桶のふたが家族の手によって閉められた。
もう、おばあちゃまの顔を見ることはないんだと思うとこみあげてくるものがたくさんあった。
そして、このまま火葬場へ向かった。
車から棺桶を下し、焼かれる場所まで運ばれていった。
棺桶が焼かれる部屋に入り自動のドアが閉まった。
この中はどうなっているんだろう・・・
ホントに焼かれてしまうの・・・
もう生きてはかえって来ないのはわかってはいるけどあの柔らかいほっぺさえもがなくなるのはすごく悔しかった。
焼かないで・・・
そう思った。
火葬場は怖い。
一時間もたたないうちに人が人ではなくなってしまう。
悲しくて悔しくてすべてがなくなっちゃう気がした。
1時間後、遺骨となって私たちのもとへおばあちゃまは帰ってきた。
影も形もなにもなかったから本当におばあちゃまなのか、これが人の最後の姿なんだと思ったら言葉が出なかった。
遺骨を骨壷にしまいおばあちゃまは一生を終えた。
おばあちゃまはたくさんの人に見送られながら天国へと旅だっていった。
わたしは、おばあちゃまはすごく幸せだったと思う。
「ありがとう、おばあちゃま。
相談にいっぱいのってくれたね。
すごくいいアドバイスをたくさんもらったよ。
おばあちゃまがいたから私はここまでこれたんだよ。
おばあちゃま、
何もしてあげられなくてごめんね。
もっともっとおしゃべりしたかったよ。
肩だってもんであげたかったな。
突然いなくならないでよ。
困るでしょ。
でも、私は頑張るよ。
これから、まだまだいっぱい楽しいことが待ってるから。
おばあちゃま、
わたしね、彼氏ができたんだよ。
おもしろくてね、いつも笑わせてくれるの。
ちょっとバカなんだけどね。
でも大切な人だよ。
おばあちゃまがいい人だねって言ってくれたときは嬉しかったなぁ。
連れていくって約束したじゃん。
まだ、会ってもらってないよ。
でもね、おばあちゃま、
わたしは一生彼氏と生きていくつもりだよ。
おばあちゃまがおじいちゃまを選んだみたいにね。
だから、天国から見守っててね。
ちゃんと生きていけるように。
間違ったことしたら教えてよね。
ありがとうおばあちゃま。
わたし、おばあちゃまを越せるような一人前の人になるからね。
もしそうなれた時はほめてくれると嬉しいな。
また、お正月に会おうね。
今まで通りちゃんと会いに行くからね。
待っててよね。
本当にありがとう。
ちゃんとお布団かけて寝るのよ。
おやすみ、おばあちゃま。