【国境の南、太陽の西】 村上春樹
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「他人のために泣くには僕はあまりにも身勝手な人間にすぎたし、
自分のために泣くにはもう年を取りすぎていた。」
(講談社文庫 1998 p.215)
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他人のためには泣けないというほど、身勝手ではないし、
自分のためには泣けなくなったほど、まだ年を取っていない。
そして、ときどき、泣くのは、
他人のためであるのと同時に、
また自分のためでもある。