大きいお口はあたしを食べる為にあるんでしょ?

臆病なオオカミさん。

白い肌を引き裂いて欲望のままにあたしを食べて。

さあどうぞ召し上がれ。


ウソの毛皮を被った豚さんに興味は無いの。

噛み付いてツメを立てて味わって。

藻っとひとつ似ナリマショウヨ。


綺麗事は言わないで 優しく扱わないで。

小屋のベッドのシーツに早く飛び込んでみせて。

あたしの躰美味しいでしょ 残さず全部味わって。

あなたの何もかも 飲み込んで差し上げますわ。


※あらあら食傷気味のオオカミさん。

そんなにお腹が一杯なら

口ん中腕突っ込んでお腹に詰まった石

引っこ抜いてあげますわ♫


メルヘンチックに酔わせて おとぎ話で終わらせないで。

例えそれがまやかし偽りであったとして。

とんだ期待外れだわ これ以上ガッカリさせないで。

今すぐあたしの手で楽にして差し上げますわ。


森の中ブーツ鳴らし ライフル片手に闊歩する。

赤ずきんちゃんにオオカミは食べられました。

切なく耽美な少女の残酷な物語は

童話の中にそっとしまい込んでおきましょう。

僕を目覚ましが呼んでるんだ。

今日も愛想をばら撒く時間だってさ。


他人を見る度笑う君に集る。

マジョリティの中に立ってたのさ。


いつか見た悪い夢が脆い僕に刺さった。

ただ奥は何も見えないふりで自分を捨てた。

もしこれが多数決で決まったセオリーなら

僕は目を瞑るのさ。


君が笑った他人の弱さと

君の弱さを天秤にかけてみた。

どうせ誰一人君を信じないなら

僕も信じなくたっていいんでしょ?


もし君が悪魔じゃない証をくれるのなら

荒んでた僕の胸の傷はきっと癒えるけど。

あの日見た悪い夢はやっぱり本当だったんだ。

僕はどうすれば。


ああ 目覚ましの音はまだ鳴っていた。

夢の中に「君」の顔は僕の顔だったんだ。


本当に独りなのはここにいる「君(ぼく)」だったんだ。

何もかも失くした今気づいても遅いけど。


もし過去が消えなくなって元通りになれたら

叶わない願いと知って涙が堕ちるけれど。

もう二度と泣かないように独りにならないように。

今日も一歩ずつ歩き出すよ。

暗い クライ 森の片隅。

赤い アカイ 果実を拾った。


これはキット 神様からの

素敵なステキナプレゼント。


持って帰れば喜ぶかしら?

嬉しすぎて泣いちゃうかもね。


今日は月がとても綺麗ね。

早く ハヤク お家に帰ろ。


こんな暗い夜には コワイ熊が出るから。


せっかく見つけたのよ ようやく見つけたのよ。

誰にもダレニモ決して渡したりしたくない。


花咲く森の道 私は駆け抜ける。

赤い果実を抱えながら。

このまま帰れば私もあの人も

きっと幸せになれるはず。


ところが後から怖い顔をした

熊が私を追いかける。

お願い 許してください 見逃してください。


わかっていたの 本当はこの果実が

あの熊の宝物だと。


私は走る さまよい走る この幸せは渡さない。

熊の姿は月に照らされ黒い影が私に迫る。


正しい道は すでに失い。

それでも走る ただただ走る。

私は泣いて 熊も泣いてた。

二つの果実も泣いていた。


やっと辿りついた 愛しの我が家。

彼は優しく微笑んだけど。

私の抱えた果実を見てとても悲しい顔をしたのです。


「いいかい 僕達の子供はもう既にこの世にはいないんだよ。

この子たちは本当のお母さんの元へ返してあげなさい」


いつか真実がその牙と爪で私自身を引き裂いても

その暖かい やさしい果実をどうしても欲しかったの。


神様私は許されぬ罪をこの手で犯してしまいました。

「今ならやり直せる」とあの人は言うけど。


「無理よ だってもう・・・」


家の外で横たわるは一匹の熊(一人の女)の亡骸。

傍らにはミルクの満ちた小さなガラスの小瓶・・・。