部活が再開するので一人暮らしの家へ帰ってきた。
時間は夜10時頃。真っ暗な中、家一つ無い一本道を車で走らせていると、昨日まで目に映っていた渋谷や新宿のネオンが明るくフラッシュバックする。
このギャップにもだいぶ慣れてきた。ここへはただ勉強をしに戻ってきたのだと割り切ればいい。
医学部、特に地方の医学部は非常に閉鎖的で時代遅れだ。
縦社会であり、サークルなるものは存在せず、ほとんどの医学生が部活に入るが、一度入ってしまうと簡単にはやめれない。
クリスマス・お正月返上で、ギチギチに組まれた暗記地獄のテストラッシュはモンスターととも乗り越えた。睡眠時間が4,5時間なのは当たり前になっていた。
キラキラ輝くInstagramのストーリーが目に入らないように、こっそり友達のアカウントをミュートにした。
成人式の前日は数日後に控えた試験範囲の病名が全然覚えられなくてお風呂で泣いてしまった。その後目が腫れないように冷たいタオルと温かいタオルを交互に目にあてた。
医学生は将来当たり前に医師になるからこそ、試験をいかにラクに切り抜け進級するかのテクニックを堂々と話す同級生の姿に疑問を持っていた。みんなが前ならえをして、あぶれないように、足並みを揃えている様子に居心地の悪さを感じた。
医学部独特のコミュニティの狭さに辟易としてきていた。
あんなに憧れていたのに、医学部に入ったことを何度も後悔した。
でも最近大切なことに気づいた。それは”自分軸”を持つこと。私にはこれがある、このために頑張りたい、そんな軸を能動的に持つことが今の私の課題だと思った。
「敷かれたレールの上をなんとなく歩いてるみたいだけど、こんなんでいいの?自分。」
春休みにも入り時間があったので帰省した折に自分の人生について真剣に考えてみた。
歩いてる時もお風呂でもトイレでも考え続けた。
出た結論は、
仕事にするなら私はやはり『医師』を主軸にして生きていきたい。だった。
趣味も多い方だが趣味はスパイスのようなもの。私の人生のメインはやっぱり医学だなと。
私の心をを惹きつけてやまない医学の奥深さには他のものは太刀打ちできなかった。
と、やっぱ医師になろう。と思い直したところで次は医師と自分の好きなことを掛け合わせて仕事したいと考えた。
医師×旅行、医師×ネイル、医師×花、医師×アート、、、
検索エンジンにキーワードを打ち込みどんどん調べていく。
ワクワクする。
いろんな姿が見えてきた。
医学部に入ったからといって全員が全く同じ進路を辿るわけではない。
医師という職業にどうアレンジを加えるかは私のセンス次第だ。
一回きりしかないこの人生、周りの目なんか気にせず自分に正直に生きたらいい。
やれるだけやってみる。私は自分のした選択には責任を持つつもりだ。