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流通雑感のブログ

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「流通雑感 臨時号NO.15」2025年 6月20日

 

「流通雑感 臨時号」は、住谷ゼミのOBOGの皆さんに読んでいただこうと思って発行するものです。

《近況》

*長嶋茂雄(89歳)さんが亡くなりました。大ファンだったので寂しい気持ちです。

*角谷比呂志『准教授麻子の事件簿3~最後の恋殺人事件』がkindleストアから出版されました。3作目にしてようやく短編小説といえる分量、形式になったかと思います。また、内容もようやく小説らしくなったかと思います。また、そのように評価してくれる人もありました。どうぞ皆様も読後感想文(レビュー)を書いていただくとうれしいです。

*10年ほど前から、いつか赤倉観光ホテルに宿泊したいと思っていました。あのレストランでフレンチをいただきたいと思っていたのですが、今月、ついに赤倉観光ホテルに連泊してきました。あまりにも期待値が大きかったので、赤倉観光ホテルもそれほどでもないという気持ちになりました。でも、和会席料理は素晴らしく驚きました。温泉の質と温泉施設にも少し感動しました。肝心のフレンチは大したことなかったですね。それよりは万平ホテルでいただいたランチ(フレンチのコース料理)が美味しくて驚きました。来年は、万平ホテルに宿泊してみたいと思いました。

*6月って、高齢者にとっては何かあるのでしょうか?二つのサークルの会員が次々と入院、それに腰痛、骨折などで、サークル活動を休むので驚いています。私も気を付けないといけませんね。

 

1.社会・消費者について

(1)日中韓、超少子化

(2)出生数 初の70万人割れ

(3)70歳代以上で、年に1度も宿泊旅行したことがない人7割

2,小売業について

(1)   ローソン設立から50年

(2)   アイン、「さくら薬局」を買収

(3)   島忠、業績悪化

(4)   ドン・キホーテの「半棒制」

(5)   イオン、原宿にレンタルドレス店

(6)   ウォルマート、単純作業は必要なくなる

3,消費財メーカーについて

(1)   伸びるグミ市場

(2)   日産は再起できるのか?

(3)   トヨタ、チャネル戦略を変更して5年

4,その他

(1)伊藤忠、セブン銀行株の一部取得

 

 

1、社会・消費者について

(1)日中韓、超少子化

日本、中国、韓国、この3カ国に共通しているのは、いずれも出生率が1.5を下回る「超少子化」国であるという点です。

・日本・・・2024年の出生率が1.15。

・韓国・・・24年の出生率は0.75

・中国・・・24年の出生数は954万人でピークの16年から半減しました。

どうやら東アジアは、家事・育児の負担が女性に偏る状況が背景にあるようです。もう一つは、「子供にいい教育を受けさせないと親としての価値がない」という意識が強いということも指摘されています。

子供に教育費がとてもかかること、共働きが普通なってきているのに女性に家事・育児の負担が偏っていることが、どうやら「超少子化」の理由のようです。そのため、「経済不安とジェンダー格差」という言葉で理由が説明されています。

そのため、各国の対応は以下の通りです。

・日本・・・育休の普及、保育所の整備

・韓国・・・児童手当の対象年齢の段階的な引き上げ

・中国・・・幼稚園費用を段階的に無償にする方針、育児手当支給を検討中。

日中韓の男性の意識の変化が必要なのでしょうか?このままでは3カ国とも衰退していってしまいます。

(2)出生数 初の70万人割れ

2024年の人口動態統計を厚生労働省が発表しました、日本で生まれた日本人の子供の数は前年比5、7%減の68万6061人で、統計のある1899年以降初めて70万人を割りました。国の想定よりも15年も早いのです。

1人の女性が生涯に産む子供の数を示す合計特殊出生率1.15でした。前年より0.05%減少です。3年連続で過去最低となりました。24年の婚姻数は48万5063組でした(前年比2.2%増)。

少子高齢化がより極端な形になっていく可能性が高くなってきています。

(3)70歳代以上で、年に1度も宿泊旅行したことがない人7割

2025年版の『観光白書』が閣議決定されました。24年の国内の延べ旅行者数は5.4億人と新型コロナウイルス禍前の19年の5.9億人より少ないのが実態です。

観光庁の調査によると、24年に観光などを目的とした宿泊旅行の回数を聞いたところ、「1回も行っていない」と答えた人の割合は20代が36.0%だったのに対して70代以上は69.3%でした。そのため、高齢層の取り込みが課題だという結論のようです。

私のように70歳代ですが、毎月旅行に行っている人からすると、この調査結果は驚きでした。どこにいっても外人が多いし、ホテルの宿泊料金も上がっています。その上、物価高です。なんだか、ますます旅行にいく人は減りそうな気がします。

70歳代になると、身体は弱くなりますし、いつどうなるかわかりません。だから旅行できるうちは行っておこうと私は思っているのですが、少数派の考えのようですね。

 

2,小売業について

(1)ローソン設立から50年

ローソンは1975年、ダイエーの子会社として設立されました。

➀店舗数は、現在1万4662店です。14年に買収した成城石井も含まれています。

➁平均日販は57万4000円でファミリーマートと同程度ですが、セブンイレブンには約12万円の差を付けられています。

➂連結売上高は1兆1707億円、純利益は599億円です。

④ローソンストア100は不振です。店舗数はピーク時の半分の641店舗です。まいばすけっとの猛攻を受けているからです。

➄からあげクンの累計販売額は46億食。これはフライヤー調理の先駆け商品です。

⑥海外店舗は約7300店舗ですが、6年以内をめどに現在の2倍の1万4000店舗に増やす計画です。

⑦国内を8エリアに分割して管理する方法を2023年から開始しています。エリアカンパニー制と呼びます。国内を8地域に分割し、各カンパニーに権限を委譲しています。

⑧店舗の作業時間を30%削減することを30年までに達成する事が一つの目標になっています。KDDIの腕の見せどころではないでしょうか。

成長するローソンですが、三菱商事とKDDIが半額ずつ出資し、いまではローソンは非上場企業です。

(2)アイン、「さくら薬局」を買収

調剤薬局首位のアインHDが「さくら薬局」を運営するクラフトを買収することになりました。アインHDはクラフトの全株式を、8月をメドに591億円で取得します。負債の引継ぎ分を含めると、実質的な買収額は1000億円を超えるようです。クラフトの連結売上高は1536億円、アインHDの調剤薬局事業の売上高は3800億円。買収後は、単純合計で5000億円を超える調剤薬局グループが誕生します。

再編を迫ったのは、調剤報酬の改定です。厚生労働省は「医薬分業」や地域に根ざして幅広く患者に対応する「かかりつけ薬局」を推進立場で、調剤報酬は受け付ける処方箋が特定の医療機関に集中しない調剤薬局が有利となる改定が続いています。そのため、「敷地内薬局」や「門前薬局」には向かい風、追い風はドラッグストア併設の薬局です。

そんな中、アインHDは規模を拡大することによって、商品の調達力を高め、医薬品の薬価と仕入れ値の差である「薬価差益」を広げようとしているわけです。また、DXや調剤報酬を底上げするノウハウを共有し、クラフトの収益性向上を図る予定です。同時にクラフトは薬剤師の確保に苦戦していて、コストの高い派遣薬剤師を多く活用しているのですが、薬剤師の確保が得意なアインHDが薬剤師を確保し、クラフトの正社員にすると、それだけでもコストが削減されます。このようにしてクラフトの利益を増やして、アインHD全体の利益も増やそうとしているわけです。

(3)島忠、業績悪化

島忠の25年3月期の売上高は1195億円と22年2月期から13%減少し、経常利益は26億円と19%減少しています。

この島忠の業績悪化に直面し、ニトリの似鳥会長が島忠の会長にもなり、ニトリ会長の陣頭指揮で島忠を建て直そうとしています。

➀売上高に占めるPB比率を3年後に現在の2.5倍の4割(現在16%)に引き上げる。

➁テナントの入れ替え(集客力のあるテナントに入れ替える)

➂クーポンの配信などで島忠のアプリ会員を130万人から25年度中に200万人まで増やす。

はたして、「ニトリの手法を島忠に移せば成功するという考えが失敗だった」と言われている時に、似鳥会長がどのようにして島忠を建て直すことができるのか?大いに注目されると思います。

(4)ドン・キホーテの「半棒制」

ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルHDの時価総額が初めて3兆円を超えました。これは、ファストリテイリング、セブン&アイ、イオンに次ぐ4番目の小売企業です。

そんなドン・キホーテの現場主義が成功している要因の一つは、成果配分にあると思うのですが、それが報道されることはほとんどありません。今回の記事に、少し書かれていました。「PPIHでは、店舗ごとに収支責任をとり、売上高・粗利益・在庫回転日数の3つの経営指標で従業員を評価する。成果に応じて半年ごとに給与に反映する『半棒制』も特徴だ」と記載されています。給与が半年ごとに変わるというのは初めて知りました。この記事を読んで、ドン・キホーテはスピード感を重視しているんだなーと感じました。

(5)イオン、原宿にレンタルドレス店

イオンは、原宿にレンタル衣装専門店「ルルティ」をオープンしました。結婚式やパーティ向きのドレスを扱っています。レンタル料価格は3泊4日で6600円からだそうです。目的は「女子会やパーティの多い地域でZ世代の女性との接点を作り、ニーズを検証する」ことだそうです。イオンがドレスといってもピンときませんけどね。どうなりますやら。

(6)ウォルマート、単純作業は必要なくなる

AIを導入しているウォルマートは、単純作業は、これから必要なくなると考えています。そのため毎年30万人(全従業員の15%)の従業員にリスキニング(学びなおし)の機会を与えていくと表明しました。対象は、店舗で荷出しや顧客対応、オンライン注文の発送作業などを担当していた従業員です。

「手作業の荷詰めや簡単な機械操作はもう必要ない。新しくてより高度なスキルが求められるようになっている」(ザネス副社長)と述べ、同時に「これまでは外部業者を利用してきたが、コスト上昇が続いている。技術者を内部で雇用する方が合理的だ」と述べています。

必要なくなった従業員には辞めてもらって、必要な技術者を雇用すれば良いというのがアメリカ企業の考え方だと思っていましたが、ウォルマートは、従業員を再教育して、活用して行こうとしています。多少、驚きました。効率が悪いからです。でも従業員の立場になったら、うれしいことだと思います。AI時代に働く人も大変ですね。

 

3,消費財メーカーについて

(1)伸びるグミ市場

グミの売上高はガムの売上高を21年に逆転しました。その後も、グミ市場は成長を続けています。

ロッテは30年以上前にグミの自社工場から撤退し、委託生産してきました。この方針を転換し、グミの自社生産のため狭山工場に約30億円投資し、新たに機械を導入し、5月に稼働を始めました。既存製品の生産量を増やすほか、25年内にグミの新製品を発売し、数年後には生産量を4倍にする予定です。

ノーベルは、グミを生産する三重美旗工場に約100億円を投じて、ラインを増強する事を検討しています。生産量を今の1.5倍にする計画です。

ロッテのグミ市場のシェアは現在10位以下です。もしも生産量を4倍にしてもシェアは9位程度とか。ロッテにしては珍しく出遅れていますね。

(2)日産は再起できるのか?

日産自動車がまたもや経営危機です。1990年以降で同社は5回に及ぶ危機を経験し、6000億円を超える最終損失(25年3月期)を計上した今回は実に6回目のピンチです。

イバン・エスピノーザ新社長は、5月に再建計画を発表しました。世界中の7工場を閉鎖するというもので、実現すれば日産の生産能力は250万台に縮小します。

現時点での有利子負債は1.9兆円で、純資産は5.4兆円ですから、大胆なリストラが成功すれば、まだまだ何とかなりそうです。

あるアナリストは「25年度は新車不足で反転攻勢は厳しい。26年度に米国に投入する多目的スポーツカー(SUV)の成否が再建のカギを握る」と言っています。どうやら、リストラがうまく進んでも、ヒット車が出るかどうかだということのようです。まずは縮小均衡を実現する事です。再起の可能性は十分にあるのではないかと私は思っています。また、縮小均衡が実現できたら、どこかに買収される可能性も大きいのではないかとも思っています。

(3)トヨタ、チャネル戦略を変更して5年

トヨタは5チャネルを自慢していました。「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」それに「レクサス」です。他のメーカーには実現不可能な5チャネル戦略でした。

そのトヨタが、2020年から「全社車種併売」に大きく変化させました。

➀系列販売店の統廃合によって、販売会社は34社減少。現在は231社になっています。店舗数も約300店が減少しました。現在、約4300店。

➁ただし販売台数は年間150万台前後を維持しています。約5割の新車シェアを維持しています。

➂トヨタ本社としては、チャネル管理費用が大幅に減少したことが予想できます。

④弊害としては、併売で人気車種を購入しやすくなった結果、供給体制が間に合わず納車時期が遅れる事態も起きています。高級ミニバン「アルファ―ド」で受注制限が起きましたし、大型多目的スポーツ車「ランドクルーザー」も受注停止が続いているようです。各販社とも売れる車種を拡販するわけですから、売れない車と売れる車ははっきりと色分けができてしまうでしょう。19年比でカローラは6万台増加しましたが、プリウスは4万台減です。これらの変化を、生産台数を決める責任者が予測できるか?という課題もあるようです。もちろん、販社の社員がすべての車種の特徴を覚えきれないという課題も出てきています。

 レクサスは別ですが、これからも、まだ系列販売店(「トヨタ店」「トヨペット店」「カローラ店」「ネッツ店」)の統廃合は続くものと予想されます。販売店の役割も少しずつ変化していくようです。

 

4,その他

(1)伊藤忠、セブン銀行株の一部取得

セブン&アイグループは、約46%のセブン銀行株を所有しています。そのセブン銀行株の1割弱を伊藤忠に売却することになりました。

ファミリーマートには1万6千台のATMが設置されていますが、これはイーネットという会社に設置や運営を委託しています。この1万6千台のATMをセブン銀行にしたい意向です。そうすることによって、すでにセブンイレブンに設置されている2万8千台と合わせると4万4千台となり、運営コストも安くなります。セブン銀行の1台当たり利用件数は108件と3年前から12%増えています。新しい機能を付ける事も可能なので、将来性は大いにあります。

伊藤忠は、個人向け金融事業の裾野を広げるために、セブン銀行の株式を将来的には20%程度は取得したい意向です。セブンイレブンは、セブン銀行を連結決算から除外したいと考えているようです。そして、セブンイレブンは、いろいろな企業といろいろな事業分野で連携しやすくしようと考ええているようです。

 

                                      以上