■ 「複素数」に関する知識を強化する!
普段の生活には全く縁がないと思われる数学知識ですが、市場分析という
世界に足を踏み入れたのであれば無関係とは言えない知識になるでしょう。
でも今更学生時代の教科書を引っ張り出すには・・ (ノ_・。)
あ~微分って難しくてわからなかったなぁ・・
と知識の取得を諦めてしまう方も多いことでしょう。当コンテンツは、そんな方々
へお贈りいたします。
■ 今回扱う知識以外に必要な知識
■ 今回扱う知識は「複素数の計算」
【複素数の計算は特殊】
複素数の計算は通常の計算というよりもベクトルの計算に似ています。ちょっと
特殊なので一通りの計算を知っておきましょう。ちなみに、
複素数の計算は科学技術を用いるなら必須 (ノ゚ο゚)ノ
となります。ちなみにフーリエ変換の冒頭解説でも複素数の計算を活用します。
Excelでも複素数の計算はできるのでExcel関数をベースにしながら実際の値の
変化と変化の特徴を覚えていきましょう (^-^)/
【加算と減算】
複素数の加算と減算は単純に実部と虚部をそれぞれ加算・減算するだけです。
この計算はベクトルの計算と同じなので簡単です。ちなみに実部と虚部とは、
z=a+bi
a : 実部
bi : 虚部
となります。ではExcel関数の紹介と併せて計算を行いましょう。計算に使用する
複素数は下記の複素数としますね (^-^)/
z1=4+2i
z2=2+6i
■ 加算 Excel関数 : IMSUM関数
z1+z2=(4+2i)+(2+6i) ⇒ 6+8i
■ 減算 Excel関数 : IMSUB関数
z1-z2=(4+2i)-(2+6i) ⇒ 2-4i
赤線が計算の元となる複素数となり青線が計算結果の複素数となります。
単純な実部と虚部の加算・減算になっていることがわかります。
【乗算と除算】
乗算と除算はちょっと特殊です。乗算は虚数「 i 」のN乗で回転していく様
子を解説したので時計と逆回りの回転をするという予想はできると思います
が除算は想像つかないでしょう。まずは計算をして結果を考察します (^-^)/
■ 乗算 Excel関数 : IMPRODUCT関数
z1×z2=(4+2i)×(2+6i) ⇒ -4+28i
■ 除算 Excel関数 : IMDIV関数
z1÷z2=(4+2i)÷(2+6i) ⇒ 0.5-0.5i
乗算と除算の結果を比較すると、乗算は時計と逆回りに進み、対して除算
は時計方向に進んでいます。結論を言えば除算も回転を表すのです。た
だし時計方向への回転を意味することになります。これは極形式で考えれ
ば理解が早いのですが・・・
参考 : 複素数の極形式表示
参考 : 虚数「 i 」は回っている?
ちょっと手間がかかるので、
乗算と除算は回転を表し
乗算 ⇒ 時計と逆回りの回転
除算 ⇒ 時計方向への回転
と覚えましょう。また極形式で考えますと除算には二つの複素数における、
角度の差 Σ(゚д゚;)
も求められます。いわゆる「偏角(なす角)」ですが計算方法は事項にて扱い
ますね ('-^*)/
Excelの関数で計算すれば簡単に複素数の計算は可能ですが、検算目的で
手動で複素数の計算が行えることも大切です。その際の四則演算法則を下記
にて示しますので必要とあらば活用してください o(^▽^)o
【様々な計算】
複素数の計算には一般的な計算全てが行えます。例えばN乗や平方根な
どです。対応するExcel関数の紹介がてら計算の仕方を覚えておきましょう。
■ 偏角 Excel関数 : IMARGUMENT関数 (ラジアンで出力)
※ 角度表示したい場合はラジアンの値に対してDEGREES関数を使用
■ 累乗 Excel関数 : IMPOWER関数
■ 絶対値 Excel関数 : IMABS関数
■ 平方根 Excel関数 : IMSQRT関数
【複素数の操作に関わる便利なExcel関数】
複素数の計算とは関係ありませんが、Excelの関数には複素数表示されてい
る値に対しての操作が可能な関数があります。その中でも便利な関数をいくつ
か紹介しましょう (^-^)/
■ 実部の取り出し Excel関数 : IMREAL関数
■ 虚部の取り出し Excel関数 : IMAGINARY関数
【次回への布石】
複素数の計算が出来れば困ることも少なくなります。早速複素数の計算を行う
内容を扱いたいところですが、複素数において最も重要な項目があるのですよ。
次回はその最も重要な項目である
オイラーの公式 (`・ω・´)ゞ
を扱います。これはフーリエ変換において重要な公式になるので飛ばさず読んで
もらえると有り難いです (;^_^A