【「真実」と「誠」を求めつづける生き方】

目に見えない心の世界を対象とした仕事は、とても難しい。客観的な証拠など何もなくても、人々はその人の心の歪(ゆが)みを見抜いてくる。
それは宗教に限られることではなく、何においても、道を求める人には要求される条件があるということでもある。
「道の人」となるにはどうしたらよいのか。
さらには、信仰の世界に入って、宗教者として悟りを求めるには、平素からどういう心境や努力が必要なのか。
人は生まれによっても尊いが、完全ではない。
この世で魂を磨くことによって完成するのだ。自分への厳しさを忘れた時、転落は近いと思わねばなるまい。
(「宗教者の条件」まえがき