神の力を亨けるには、誠の心が必要です。

・松陰ははっきりと天照大神を信仰し、その正しい信仰の方法まで語っていますから、ただ単にこの世の現状に不満を抱くだけの共産主義や唯物論的な思想の持ち主ではありません。
また、天照大神を信仰し、天照大神の系譜を継ぐ存在としての天皇を尊崇しているのであり、松陰は、「為政者としての天皇のあるべき姿」についても語っているぐらいなので、盲目的な天皇崇拝者でもありません。

松陰の信仰とは、この日本を守って下さっている「神」への信仰です。そして、自らの心が清く正しければ、たとえこの世でどのような結果になろうとも、必ず神はその心の内をご存じである、と考えていたのです。

人は本来、永遠の生命の世界を生きており、死後もその魂は存在する。自らの正しさは、最後は神のみぞ知る。

この「信仰心」があってこそ、松陰は「不惜身命」の革命家となれたのです。
(「吉田松陰 奇跡の古今名言100」P129