前回の投稿が昨年のクリスマスということで、ほぼ丸1年が経ってしまった。その間も、私の拙い文章を「読んだ!」と言ってくださる方がちらほらいて、これは何としてもブログを続けなければならないと思ったのであった。


決意も新たに、今回はぜひ書いて欲しいというリクエストをもとに、記事を1本書いていこうと思う。

リクエストの内容は主に3つ。1つ目はクロアチアを好きになった理由。2つ目は高校のアメリカ留学のこと。そして3つ目は趣味について。……趣味について?!これだけどこか漠然としているが、あまり一般受けする話は書けないとだけ今は言っておこう。


さて、今回は1つ目のクロアチアについてがテーマだ。これはかなーり多くの人が疑問に思ったらしく、記憶が正しければ5件以上は確実に質問が飛んできていた。

これについては、実は1つ前の記事「紛争の爪痕 セルビア編」で少し言及しているので、少しだけこれに付け足す形で語りたい。なお、この先、相当ディープなアニメの解説等あるので注意されたし。


時は私が中学1年生のときまで遡る。当時私はかなりのマセガキで、しかも深夜アニメに本格的に興味を持ち始めた時期だった。中学校の図書室にはアニメ関連の雑誌が並べられており、ときおり手にとっては今季のアニメは何かとチェックしていたものだ。

そんな中、かなり刺激的なアニメを見つけてしまう。それが『聖痕のクェイサー』という一部界隈で伝説となっている作品……興味がある方はぜひ自己責任で調べてみて欲しい。主人公はロシア人で、クェイサーと呼ばれる能力者。鉄の元素を操って戦うのだが、そのパワーアップ方法がトンデモ設定すぎて話題を集めたようだ。

私は帰宅後即パソコンに張り付いて見始めた。すると、まあ男子中学生が喜びそうなお色気シーンがわんさか……と同時に、教会がメインに登場するなど宗教色が強い部分や、化学を用いた戦略もあり、何よりも主人公が厨二心をくすぐるかっこよさだったので、すっかりのめり込んでしまった。学校で主人公のセリフを真似て周囲にドン引かれるという黒歴史を量産しながら。


ここで重要になってくるのが、主人公サーシャのパートナーであり、本作のヒロインの1人であるテレサ=ベリア(CV: 茅原実里)というシスターである。彼女が初めてメインとなり過去が語られるのが1期の第5話。テレビアニメでは「中央ヨーロッパのある小国の出身」としか語られていないが、これには明確な設定が存在する。以下、Wikipediaから抜粋すると、

「クロアチア共和国出身のセルビア人で、セルビア正教会の戦争孤児であったが、クロアチア紛争にて民族浄化に巻き込まれ、彼女だけが生き延びた」

このような悲劇的な過去を持ち、かつ常に真顔でクールな彼女を、私は人生でn人目の「嫁」に認定。と同時に興味が湧いた。セルビア?クロアチア?それは一体どこの国?

調べてみると、それはヨーロッパの東の方。さらに確かにアニメでも(そして同時並行してブックオフで立ち読みした原作漫画でも)語られていたとおり、この旧ユーゴスラヴィアという地域では凄惨な紛争があったということが分かった。アニメでは表現が多少マイルドになっていたものの、テレサの関係者が、民族浄化の名の下に、塩素を操るクェイサーに皆殺しにされるシーンは少なからず私の脳裏に衝撃を与えたのだった。


ここで終われば、クロアチアはただの紛争地域として、例えばその当時の印象だったら中東などと一括りにされそうだったのだが、まだ続きが存在する。

この時期ちょうど、父親が仕事の関係で接待に使ったというのが、なんと以前記事にまとめた京橋のクロアチア料理店「Dobro」だったのだ。父親が話してくれた料理の味と美しさ。中学生にとっては手が届かない値段だったものの、自分の中で「危険地帯」と認識していたクロアチアを、うってかわって魅力的なものへと変化させたきっかけがそれだった。その後、観光地として有名であり風景も綺麗であることも知り、ますます関心は高まっていった…


はずだった。


ここから5年ものブランクを作ってしまった理由、それは当時の私が選択した進路による。私は元来理科が大好きで、そもそも『聖痕のクェイサー』に興味を持ったのも、決して女の子の裸が見たかったからというやましい理由だけではなく、クェイサーたちが元素を使って戦うという化学的な要素に惹かれたからでもあるのだ。よって将来自分は理系に進むのだと頑として譲らず、その中でも当然化学と物理を選択したのであった。

高校2年生でアメリカ留学を迎えるまでも世界史はAまでしか手をつけず、とにかくそれも古代が苦手だったので、自分には文系の道は完全にないと決めつけ、クロアチアが登場する部分には当然たどり着くこともなく、頭の中は理系科目でいっぱい。クロアチアなど完全に脳内から消え去っていった。


ところが、留学をきっかけとして文系教科、特に歴史に興味が湧き、日本史を勉強するベく帰国直後の高校3年生の9月に思い切って文転。受験も乗り切り入学すると、教科書販売ブースで運命的な出会いが。


『ニューエクスプレス セルビア語・クロアチア語』


気がついたら手にとって会計を済ませたあとであった。自分の中で記憶がフラッシュバックする。深夜アニメという不純な動機とはいえ、知らない国に興味を持った一時期。クロアチアという全て遠き理想郷……

そうだ。私はまだこの国について何も知れてはいない。この大学には相当な数の言語が存在し、各々が興味を持った言語を齧っているらしい。なら自分がこの言語を履修できるようになる2年後に向けて、ほんの少し背伸びしてもいいのではないか。そして言語と同時に、その歴史や現状も趣味として少しずつ知ることが出来たなら、どんなに幸せだろう。

あわよくば、夢にみた初の完全な一人旅がこの地域で出来るのではないか…。


その後、興味範囲は広がり、ユーラシア大陸をすっぽり覆ってしまうところまで拡大し、肝心のクロアチアに割く時間が少なくなってしまったのは誤算だったが、念願の旅行&短期留学の夢も叶い、さらには民族問題を扱うべく紛争・平和ゼミにも入ることができた(ただし2年生のときから興味がどんどん移り変わっていったので、クロアチアを研究テーマとしてずっと扱っていくことは出来ないかもしれない)。台湾に留学している今でも、中国語の作文のテーマに選んでしまうくらい、自分の中から離れることはない。


以上が、私とクロアチアの馴れ初め(?!)と、ことの顛末である。

「クロアチアは恋人」というのは決して誇張ではない。別れの期間を途中に挟んだとはいえ、このように長い付き合いをしてきたのである。そしてクロアチアについて未だに知らないことはたくさんある。さらに知識を深めていくこと、これは恋人についてもっと良く知りたいという純粋な願いそのものではないだろうか。


今回はここで筆を置かせていただく。

次のテーマである、僕の人生に大きな影響を与えた高校留学について、書き終わるまでしばしお別れ。