1.お小遣いを始める目的を明確にする

 

お小遣い制度を導入する前に、親が「何のためにお小遣いを渡すのか」という目的を明確に持つことが重要です。主な目的は以下の通りです。

  1. 金銭感覚を養う: 使えるお金には限りがあることを知り、計画的にお金を使う練習をさせる。

  2. 我慢する力を育む: すぐには買えないものを目標に貯蓄し、欲しいものを手に入れる喜びと達成感を経験させる。

  3. 選択と決定の機会を与える: 自分で何を買うかを決め、その結果に責任を持つことを学ばせる。

  4. 社会の仕組みを理解する: お金とモノの交換、労働の対価としての報酬など、社会の基本的な経済活動を体験させる。

 

 

2. 年齢別で考えるお小遣いの金額と範囲

 

子どもの成長段階に合わせて、お小遣いの金額や、お小遣いで賄う範囲を調整していきましょう。

 

【幼児期(小学校入学前)】

 

  • 目的: お金があることを認識し、「欲しいものを買うため」に使う経験をする。

  • 金額の目安: 月100円〜500円程度(または都度払い)。

  • 範囲: 駄菓子、小さなおもちゃ、シールなど、ささやかなもの。

  • 金融教育の始め方:

    • 「お金の交換体験」: お店でお金を渡して品物を受け取る経験をさせる。

    • 「お手伝いと報酬」: 簡単なお手伝い(靴を揃えるなど)に対して、少額のお小遣いを与えることで「働くこととお金の関係」を教える。

 

【小学校低学年(1〜3年生)】

 

  • 目的: 使えるお金の範囲を理解し、計画的に使う練習を始める。

  • 金額の目安: 学年×100円〜200円(例:1年生なら月100円〜200円)。

  • 範囲: 友達とのおやつ代、文房具の一部、ガチャガチャなど。

  • 金融教育の始め方:

    • 「お小遣い帳」の導入: 簡易的なものでも良いので、使ったお金を記録する習慣をつけさせる。

    • 「貯金箱」の活用: 欲しいものを買うために貯める経験を促す。

 

【小学校高学年(4〜6年生)】

 

  • 目的: 短期・中期的な目標を持って貯蓄し、計画的な予算管理を学ぶ。

  • 金額の目安: 学年×200円〜500円(例:4年生なら月800円〜2,000円)。

  • 範囲: 友達と映画に行く費用、誕生日プレゼントの一部、ゲームソフト代の一部など、少し高額なものも視野に入れる。

  • 金融教育の始め方:

    • 「予算を立てる練習」: 欲しいものリストを作らせ、優先順位をつけて予算を割り振る練習をさせる。

    • 「長期目標の共有」: クリスマスプレゼントや誕生日プレゼントなど、少し先のイベントのために貯めるよう促す。

    • 「親子で話し合い」: 高額なものを欲しがった場合、「どうすれば買えるか」を一緒に考える。

 

【中学生・高校生】

 

  • 目的: 自己管理能力を高め、社会との接点としての金銭感覚を磨く。

  • 金額の目安: 月5,000円〜1万円程度(高校生はアルバイトの有無で調整)。

  • 範囲: 友達との交際費、趣味の費用、服や文房具の一部、交通費の一部など、生活に必要な費用の一部もお小遣いで賄わせる。

  • 金融教育の始め方:

    • 「固定費の意識」: 携帯電話料金の一部や交通費などを負担させることで、固定費の概念を教える。

    • 「スマホアプリでの管理」: 銀行口座やスマホ決済アプリでの管理方法を教え、デジタルな金銭管理に慣れさせる。

    • 「労働の対価」: 必要に応じてアルバイトを経験させ、お金を稼ぐことの難しさや価値を学ばせる。


 

 

 

3. お小遣い制度を成功させるための共通のポイント

 

  • 親子でルールを決める: 何にお金を使い、何に使ってはいけないのか、何は親が負担するのかを明確に話し合い、納得の上でルールを定める。

  • 一度決めたら口出ししない: 子どもが多少失敗しても、親は口出しせず見守る。失敗から学ぶことが重要です。

  • 定期的に見直す: 子どもの成長に合わせて、金額やルールは定期的に見直しましょう。

  • 「なぜ?」を教える: 「これは高いね、なぜだと思う?」「どうすれば貯まるかな?」など、問いかけを通じて考えさせる。

  • 親自身がお手本になる: 親自身が計画的にお金を使っている姿を見せることが、一番の金融教育になります。