拉致問題に関する小説について不当な論評をブログに掲載して名誉を傷つけたなどとして、兵庫県姫路市の著者が、特定失踪者問題調査会の荒木和博代表らに７３００万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が２０日、大阪高裁であった紙浦健二裁判長は「元北朝鮮工作員の告白を作り話だと断定的に述べている」などと名誉毀損（きそん）を認定原告側請求を棄却した１審神戸地裁姫路支部判決を変更し、荒木代表に慰謝料１００万円の支払いを命じた
紙浦裁判長は判決理由で「論評の影響で多額の印税を失ったとする主張を認める証拠はない」とし、賠償は慰謝料のみと判断原告は荒木代表が所属する大学の学長らも被告に含めていたが、「関与はなく、使用者責任はない」と退けた
荒木代表は「認めることができない判決代理人弁護士と相談し、今後の対応を決めたい」とコメントしている
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開かれた日本と北朝鮮の外務局長級の政府間協議は、拉致問題の協議を継続することで一致したが、解決に向けた実質的進展はないまま終了した
北が拉致問題の議題化と協議継続に応じたのは当然といえるが、日本側が提起した横田めぐみさんら拉致被害者の安否に関する再調査要求に今回も応じなかった言語道断である
懸念されるのは、首相周辺がめぐみさんの両親の訪朝を画策し、官邸側も外務省に協議の早期開催へ圧力をかけていたことだ拉致問題を政治や選挙の道具に使うことは断じて容認できない
拉致問題の完全な解決が日朝関係における全ての大前提であることはいうまでもない
北は平成２０年に拉致問題の再調査を約束、調査対象も日本政府認定の拉致被害者だけでなく、拉致の疑いがある特定失踪者に広げるとしていただがその直後に約束を破棄して以降、北は今に至るまで「拉致問題は解決ずみ」として再調査に応じていない
北がまずなすべきは、「解決ずみ」の立場を改め、約束を誠実に果たして拉致被害者らの再調査と帰国を早期に実現させることだ協議継続について被害者の家族会は「真剣に協議するとの約束は大きい」としているこの期待を再び無にすることは許されない
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