半蔵門
The ハロプロバーイベの聖地。
ここに来るのも久々だ。
ここの会場が好きなのは
ステージと客席の距離感。
客席から演者のことがよく見えるし、
その逆もまた真で、
ステージ上から客席もよく見える。
RuRu Balladの初日。
この日のるーちゃんは、
1人1人のお客さんの
顔をゆっくり見ながら、
気持ちを込めて歌っていた。
まるで、自分のためだけに
段原瑠々が歌っているような
錯覚を抱くかのよう。
息をのむような素敵なドレスで
現れたるーちゃん。
いつもは猫背の彼女だが、
今日はスラッと立ち姿も
美しかった。
以下、セトリもありますので、
ネタバレ注意です。
<セトリ>
01.歌うたいのバラッド(斉藤和義)
02.First Love(宇多田ヒカル)
03.ひまわりの約束(秦基博)
04.やさしいキスをして(DREAMS COME TRUE)
・リクエストコーナー
05.あなたに逢いたくて~Missing You~(松田聖子)
06.プラネタリウム(大塚愛)
07.366日(HY)
08.奏(かなで)(スキマスイッチ)
09.逢いたい(Kiroro)※弾き語り
10.カブトムシ(aiko)
11.明日への手紙(手嶌葵)
1曲目からいきなりグッとくるやつ、
「歌うたいのバラッド」。
やはりこの曲を1曲目に選んだのは
るーちゃんなりの
メッセージなのだろう。
1つ1つの音の響きを確かめるように
落ち着きを払いながら、
とても丁寧に歌っている。
歌声がすごくクリアで
磨き抜かれた美しさがある。
るーちゃんが「プロ」になって、
そしてここ数年とくに、
変わった点だと思う。
(昔は基本的にパワー系だった)
こういうバラードだけの
「聴かせにかかる」リサイタルは、
とかく歌のテクニックを
ひけらかしがちだが、
「歌の心」を知っている
るーちゃんはそうはならない。
「First Love」や
「やさしいキスをして」のような
繊細で切ない心情を歌う曲が
るーちゃんによく合っている。
リクエストコーナーは
抽選で選ばれたファンが
事前に配られたリストから
好きな曲を選び、
それをるーちゃんが
良かったなあ。
選ばれたファンは
最前席で聴けるという
謎のオプション付き。
もし自分が選ばれたら
「オリビアを聴きながら」を
リクエストするつもりだったが、
選ばれなくてよかった。
1部ですでに
「オリビア」を歌っていたらしく、
あやうく
空気を読めないヲタクに
なるところだった。
るーちゃんの弾き語りは
今まで何曲か聴いてきたが、
今日の「逢いたい」は格別だった。
ピアノと歌が一体となっていた。
聞けば子供(小5)のときに
初めて弾き語りに
チャレンジしたのが
この曲だそう。
久々に弾いたが、
ちゃんと指が覚えていたと
るーちゃん。
彼女は小さい頃から
将来は歌を歌う仕事をするんだと
心に決めていた人。
だから、
ハロプロに入ることを決断した。
歌を生業とすることは
彼女にとって宿命なのである。
そこに気負いはなく、
ただただ歌で人を
元気にさせられたら
こんなに素晴らしいことはないと
思っているだけの人なのだ。
歌うことが好き。
好きなことに勝るものなし。
そんなるーちゃんの
歌の最大の武器は
純粋でまっすぐなハートである。
「カブトムシ」、
久々に聴いたがいい曲だ。
ラス曲前のMCで、
背広を着た俺の方を見ながら
「そういえば今日月曜日ですよね。
仕事終わりに駆け付けた方も
いらっしゃって…」って
それもうピンポイントで俺じゃん、
周りに背広着ている人、
ほぼいなかったし。
「少しでも癒しになっていたら
うれしいです」
ここのところ仕事もしんどくて
頭ではわかっていても
身体が動かないことも
しばしば。
もう若くはないので
無理が効かない身体になっている。
それでもハロプロのイベントだけは
定期的に来ている。
最後に歌った「明日への手紙」は
るーちゃんが自分のために
歌ってくれる気がした。
優しい歌声が、
心に、疲れた身体に
染みわたった。
涙がつつーと頬を伝った。
癒しのナイチンゲール。
彼女が本物の歌姫である理由。