タンポポは、

モーニング娘。から最初に生まれた
グループ内ユニットである。
(2番目は「プッチモニ。」)

【第1期】
石黒彩、飯田圭織、矢口真里

【第2期】
飯田圭織、矢口真里、石川梨華、加護亜依

【第3期】
石川梨華、柴田あゆみ、紺野あさ美、新垣里沙


タンポポ初期は、
艶っぽいボーカルが持ち味の石黒彩、飯田圭織に
オールラウンダーの矢口真里を加えた
プチセクシー路線のユニットであった。

1stシングル
『ラストキッス』(編曲:小西貴雄)

名曲。
ハローでコーラスが美しい曲というと
「Memory 青春の光」と

この「ラストキッス」が双璧。
つんくの泣きのメロディに
とくに飯田圭織の粘っこい声質がマッチし、
より叙情的なコーラスを聴かせる。


2ndシングル
『Motto』(編曲:河野伸)

2作目はより背伸びして、
演奏陣にニューヨークカルテット、
アレンジャーに河野伸を迎え、
1作目よりさらにアダルトな仕上がりを狙ったが
不発に終わる。


3rdシングル
『たんぽぽ』(編曲:小西貴雄)

タンポポで一番好きな曲。
前作2曲とは打って変わって、明るくポジティブなポップス。
サビに向かっての高揚感と
サビのコード進行の美しさは
(個人的に)つんく楽曲の中でも五指に入る。
風雨に負けないたんぽぽのように
力強く前向きな歌詞が感動的。


4thシングル
『聖なる鐘がひびく夜』(編曲:小西貴雄)

これがハロプロで最初に作られたクリスマスソング。
今やクリイベの定番曲。

石黒彩にとって

これがタンポポでのラストシングル。


5thシングル
『乙女 パスタに感動』(編曲:永井ルイ)

石川梨華、加護亜依が加入後の初シングル。
若い2人のキュートな歌声が加わり、
10代の女の子の恋愛模様を

ポップに歌うスタイルに変わっていく。
楽曲的には、QUEEN「Killer Queen」へのオマージュ。
以降、永井ルイの起用により、
ブリティッシュ・ポップ路線に傾倒していく。

C/W『私の顔』は、
メロウで切なくなるようなミディアムバラード。
デート帰りの電車の中、
窓に映る自分の顔を見て感傷的になる、
そんなアコースティックピアノによる隠れ名曲。


6thシングル
『恋をしちゃいました!』(編曲:渡部チェル)


前作に引き続いて、

原宿的ティーン向けアイドルポップス。
デートの途中でメールするという発想は

なかなか出てこない。
これがタンポポ最大のセールスとなった。

一転してC/W『BABY CRY』は、
高橋諭一のジミ・ヘンドリックス風ギターが炸裂するロックナンバー。


7thシングル
『王子様と雪の夜』(編曲:永井ルイ)

こちらはELO「コンフュージョン」へのオマージュ。
一番の聴きどころは

間奏のモータウン調サウンドとコーラス。
こちらもクリスマスの定番曲である。

この翌年にアルバム「All of タンポポ」をリリース。
中でも『I&YOU&I&YOU&I』は、

2002年のハロプロ楽曲大賞に選ばれた。
イントロのブライアン・メイ風ギターにサビで跳ねるベース、
全ての楽器を永井ルイが演奏している。

 

8thシングル
『BE HAPPY 恋のやじろべえ』(編曲:永井ルイ)

3期による最初で最後のシングル。
ラップを取り入れ新境地を目指した。
石川梨華、柴田あゆみの仲良しコンビに、
フレッシュな紺野あさ美、新垣里沙の新生タンポポで

何ができるかというのも、

もう少し長く見てみたかった気がする。



メンバーの変遷に合わせて、
プチセクシー路線から

ブリティッシュ・ポップ路線へと
柔軟に形を変え、
モーニング娘。本体とはまた違った
独自の魅力、ポジションを確立していたタンポポ。

メンバーにとって、
モーニング娘。では脇役でも、
タンポポには自分の居場所があり、

そこで輝くことができた。

かつて飯田圭織が

「命に代えても惜しくない」ほど
好きだと語ったタンポポだが、
大人の事情(ハロマゲドン)によって、
彼女達の思いは踏みにじられ、
結果として、解体に追い込まれてしまう。

タンポポ2期のラストステージ、
横浜アリーナ一面を埋め尽くした

黄色のサイリウム。


今みたいにSNSが発達していない時代、
ハロヲタにとってほぼ唯一のコミュニケーションツールであった

2chの何気ない1つの書き込みが、
瞬く間にファンの間に広がって実現したものだ。
事務所への抵抗、

タンポポへの思い入れ。
会場が一色のサイリウムで埋まったのは、
あれが初めての出来事である。


今でも、タンポポの楽曲は
ハローのイベントでよく歌われ、
数多くのハロヲタやハロメンに愛されている。