アンジュルムにとっては
約1年ぶりの単独コンサート。

そのブランクが、
本来なら顕著に表れてしまうハズだが、、

たったこの1公演に向けて、
どれだけたくさんの練習を積んできたか、
その練習量がよく見えた公演だった。
(...とくに三色団子のフィット具合)

そのたくさん練習した時間が、
アンジュルム、
そして笠原桃奈にとって
とても大切な時間だったことが
わかる公演だった。



<セトリ>

OA.Go Your Way(ハロプロ研修生ユニット)
OA.ビタミンME(BEYOOOOONDS)

01.赤いイヤホン
02.次々続々
03.愛されルート A or B?
04.乙女の逆襲
MC
05.ミラー・ミラー
06.七転び八起き
07.限りあるMoment
08.愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間
09.出すぎた杭は打たれない
~ダンストラック(笠原・竹内・川村・佐々木・上國料) 
~ぁまのじゃく(伊勢・橋迫・川名・為永・松本)
~新・日本のすすめ!(伊勢・橋迫・川名・為永・松本)
10.魔女っ子メグちゃん
11.マナーモード
12.Uraha=lover
13.交差点
MC
14.泣けないぜ・・・共感詐欺
15.タデ食う虫もLike it!
16.はっきりしようぜ
17.ドンデンガエシ
18.46億年LOVE
アンコール
01.地球は今日も愛を育む(笠原)
手紙朗読(笠原)
MC(メンバーの感想)
02.友よ
03.大器晩成


 

アンジュルムは、
よく「強い」(もしくは「最強」)という

表現をされるグループだけども、
反逆のエネルギーというか、
たまっていた鬱憤を爆発させるような
圧倒的なパワーが持ち味の

グループであることに違いはない。

それが最近は、
新しく入ってきたメンバーの性質や、
楽曲の趣向など、
少しずつ洗練されたグループにも

なってきてるわけだけど、

かっさーは、
その古き良きアンジュルムの

強さ、勢いというものを
本能的に持っていた秘蔵っ子だった。

(だからこそ、あのタイミングでの1人デビューだったのかも?!)

久々にイントロ聞いて

懐かしくて嬉しくなった
「乙女の逆襲」や、
「七転び八起き」、「出すぎた杭は打たれない」、
「ドンデンガエシ」といったあたりは、
アンジュルムの強さの象徴となる曲であり、
実際、かっさーによく似合っている。

そして、今日のコンサートを見て、
その強さの遺伝子は、

しっかり後輩達にも
息づいていることを確認した。

橋迫鈴、為永幸音、川名凜、松本わかな。
4人に自信なさげな様子は一切なく、
ちゃんと「アンジュルムの(強い)顔」になっていたのだ。

本来ならこうした伝統は、

一緒にツアーを回って直に体験してこそ、

受け継がれるものだが、
そのような時間がない中、
この1回の公演のため、

かっさーの門出を祝うため、
1つになって力を合わせた練習時間が、
その代わりになったのだろうか。



そして、そのパワフルなアンジュルムが
少しずつ洗練される進化過程の真っただ中を
過ごしてきたのもかっさーである。

デビュー後の思い出深い初シングル

「愛のため~」や
「赤いイヤホン」といったEDM曲、
キャッチーな「マナーモード」、「Uraha=lover」、
ダンサブルな「ミラー・ミラー」、

ジャズ調の「愛されルート A or B?」など、
アンジュルムの

パフォーマンスの幅が拡がった5年間。

その進化に貢献してきたかっさーも、
これからは自分の進化のために生きていく。

卒コンでやりたいこととして、
(5人での)ダンスパフォーマンスに

こだわったこと、
アンコール後の衣装が

(アイドルらしからぬ)黒ドレスだったこと、
この2つから、

卒業後に自らが進んでいく道への

強い意志を感じさせた。

もともとは、ソロ(1人)で

道を切り開いていくのが
得意なタイプの人間である。
研修生時代、実力診断テストで

無名のダークホースからいきなり

最優秀パフォーマンス賞をかっさらって、
周りをあっと言わせた。
そして今日、アンコールで歌った

「地球は今日も愛を育む」も、

実に堂々としていた。
でも、笠原桃奈はまだまだこんなもんじゃないだろう。

ファン、そしてメンバーに宛てた手紙は、
文学的な表現により、

自身の心の機微を

繊細に映し出した名文であり、
いかにもかっさーらしい。

頭の中でどんどん先のことを考える大人びたかっさー。
心の中身、実態はまだそこに追いついていないまだまだ幼いももな。
これから、その時間差を埋める旅に出る。



それにしても「交差点」のタケちゃんはズルい。
タケが「交差点」になると

ボロ泣きしてしまうように、
「交差点」でボロ泣きするタケを見ると、

わかっていてもこっちもボロ泣きしてしまう。
なぜかタケの涙に弱い。

タケちゃんにも「交差点」の真ん中に立つ日が

やがてくるのだろうか。
あんまり想像したくない。

かみこは、強い決心をもって、

笑顔で親友を送り出そうとしていた。
かみこの力強い歌声に、かっさーが頷く。
2人の信頼関係に、また涙が出た。



みんなで円陣になった「友よ」、
アンジュルムという青春、ここにあり。
卒業する者にも、
ここに残る者にも、

(そしてそれらを見守ったヲタクにも)
明日からまた新しい一日が訪れることに変わりはない。


早熟の大器晩成型、笠原桃奈よ、元気でな!