宮本佳林は、最後まで宮本佳林だった。
一番それを感じたのが
「続いていくSTORY」の最後の1小節の歌い回し。
いかにもの佳林節。
意識的にやってるというよりも
無意識的に身に染みついてる感じ。
どんなシチュエーションでも、
そのパフォーマンスはいつも変わらない。
つまり、鍛えの入り方が他のアイドルとは段違い。
Juice=Juice Familyとして、
今までそれを当たり前のように聴いてきた。
それが聴けなくなったとき、
はじめて宮本佳林の不在を実感するのだろう。
<セトリ>
01.「ひとりで生きられそう」って それってねぇ、褒めているの?
02.好きって言ってよ
03.プラトニック・プラネット
MC
04.風に吹かれて
05.禁断少女
06.愛・愛・傘
07.銀色のテレパシー
08.如雨露
MC
09.メドレー
~伊達じゃないよ うちの人生は/宮本・井上
~アレコレしたい!/宮本・工藤
~背伸び/宮本・松永
~Vivit Midnight/宮本・稲場
~SEXY SEXY/宮本・段原
~スクランブル/宮本・植村
~ラストキッス/宮本・高木
~香水(J=J 2015Ver.)/宮本・金澤
~大人の事情/NEXT YOU
MC
10.CHOICE & CHANCE
11.ポップミュージック
12.この世界は捨てたもんじゃない
13.未来のフィラメント/宮本佳林
14.がんばれないよ
MC
15.微炭酸
16.私が言う前に抱きしめなきゃね
17.ロマンスの途中
18.生まれたてのBaby Love
19.泣いていいよ
VTR
アンコール
01.続いていくSTORY(Symphonic Version feat. Karin)
MC
02.Magic of Love(J=J 2015Ver.)
03.Wonderful World
ダブルアンコール
佳林挨拶
やっぱり、Juice=Juiceには武道館が似合う。
Juice=Juiceにとって、武道館は今回で通算5回目。
そのうち、
段原瑠々はすでに4回目。
稲場愛香は3回目。
今日、この2人には余裕が感じられた。
中核として、Juiceを引っ張っている自信も感じられた。
安心して、これからのJuiceを託せるメンバーである。
工藤由愛、松永里愛、井上玲音にとっては
これが初めて。
タコちゃんは舞台が大きければ大きいほど力を発揮するタイプ。
やふぞうは緊張こそしていたが、
先輩達に引っ張られ、
久しぶりに力のある歌声を響かせていた。
この2人に比べ、れいれいがまだ馴染んでいない印象を受けたが、
たぶんこっちの耳が慣れていないだけだろう。
「CHOICE & CHANCE」では、
挨拶代わりのボイパをぶちかましてみせた。
昨日に引き続き、
佳林ちゃんとJuiceメンバー1人ずつの
対バンメドレーがあった。
タコちゃん、やふぞう、れいれいにとっては
とっても貴重な時間。
この3人の中で最も宮本佳林から
吸収するものがあったのは
松永里愛だろう。
いつの日か、松永里愛の中に
宮本佳林を見る日がくると思っている。
メドレーの中で一番アツかったのは、
稲場愛香と宮本佳林のダンスバトルだ。
まなかんがJuiceに加入した時は
「ガチのダンサーが来た」と思ったもの。
そんなまなかんに対し、
ライバル意識を燃やしたのが佳林と紗友希、
ダンスでも負けないぞという意地をむき出しにしていた。
その頃を思い出すシーンだった。
2013年
宮本佳林のハロプロ人生とは、
エッグ時代の苦境に始まり、
Juice=Juiceとしてようやくデビューを果たしたと思ったら、
足の骨折に見舞われた。
つまり、逆境の連続だったが、
その逆境が佳林を強くした。
よく、佳林が自分の人生を振り返って、
肩に力が入っているときはうまくいかない時で、
逆に、肩の力が抜けているときこそ結果が出たりすると言う。
もともとメンタルの強さは並外れていて、
こうだと決めたら、
その目標に向かって全身全霊で打ち込むところがある。
しかし、そんな意志の強さを持ってしても、
上手くいかないときが人生にはあるものだ。
デビュー当初の佳林は、
自分がJuiceを引っ張っていかなきゃという気持ちが
強過ぎたところがあったが、
少しずつ、肩の力を抜き自然体で物事に取り組むこと、
1人でやるのではなく、
メンバーのみんなを信頼することを
覚えていったような気がする。
そんな中で変わらなかった部分といえば、
パフォーマンスをとことん追求する姿勢。
菅井秀憲の門を自ら叩き、
グループとして歌唱力という絶対的な武器を手に入れた。
アイドルとしてコンディション作りには気を配り、
常にベストな自分でいることにこだわった。
2015年
Juice=Juiceが生ライブの圧倒的な実力を磨いていったのが、
2015年~2016年の「LIVE MISSION 220」ツアー。
グループの結束力が本格的に高まった時期。
このロングランツアーにおいても、
佳林は不動のエースとして君臨し、
グループを牽引した。
今日の武道館でもそうだったように、
その場の閃きでアドリブを入れたり、
先陣を切って客席を煽る役割を果たすようになったのもこの頃からだ。
佳林ちゃんといえばキメ顔だが、
そんなキメ顔のバリエーションも一気に増えた。
2016年
そして忘れもしない、
ようやくたどり着いた最初の武道館。
あのとき味わった感動は、一生の宝物。
最後のMCで佳林が言った
「感謝の気持ちをパフォーマンスで伝えられるようになりたい。
パフォーマンスで信頼関係を築いていきたい」
その言葉がずっと記憶に残っている。
そしてその約束を守り、証明してくれた7年間だった。
革命は十分起こしたよね、佳林ちゃん。
2017年
2019年
卒業セレモニーは、
佳林らしく湿っぽい雰囲気はナシ。
自然体で肩の力が抜けたモノだった。
メンバー1人1人から送る言葉はなかったが、
紗友希の表情だけじっと見てた。
紗友希の顔が全てを語ってくれた。
そして朋子、あーりー。
長年連れ添ったオリメン同士、
交わす言葉などなくとも、
分かり合える仲間。
5人が残した伝説は、ずっと語り継ぐ。
最後、言葉でもファンへの感謝を
力強く伝えてくれた佳林。
お礼を言わなければいけないのは
こっちのほうだ。
本当に寂しいけど、
Juice=Juiceの宮本佳林は今日で終わり。
Juice=Juiceも、宮本佳林も、これから続いていくSTORY。
佳林、次は、ソロで革命起こそう。