2010年冬から、ハロコンは2本立てが定番になってきます。
シャッフルユニットを中心とした「シャッフルデート」、
各グループ毎のパフォーマンスを中心とした「モベキマス」。
中野3DAYSが定着し、
1日3公演とか「一極集中型」の興行スタイルの中で、
だいたいハロコンに来るヲタといえば、
何回も足を運んでくれる「常連さん」ばかり。
2本立ては、そんな「おまいつ」を飽きさせないための
ささやかな工夫だったのかもしれません。
◆Hello! Project 2010 WINTER 歌超風月 ~シャッフルデート~
(中野サンプラザ)
01.浮気なハニーパイ(全員)
VTR(メンバー紹介)
02.ペンペン兄弟(新ミニモニ。)
03.ミニ。ストロベリ~パイ(新ミニモニ。)
04.Going On!(ガーディアンズ4)
MC
05.FIRST KISS(あぁ!)
06.夢と現実(あぁ!)
07.ピラッ!乙女の願い(プッチモニV)
08.ちょこっとLOVE(プッチモニV)
MC
09.王子様と雪の夜(タンポポ#)
10.アンブレラ(タンポポ#)
11.Bravo☆Bravo(Buono!)
12.恋愛♥ライダー(Buono!)
13.BE ALL RIGHT!(新垣里沙・ジュンジュン・リンリン・徳永千奈美・岡井千聖・萩原舞・和田彩花・前田憂佳・福田花音・小川紗季・佐保明梨)
MC
14.好きすぎて バカみたい(道重さゆみ・田中れいな・須藤茉麻、矢島舞美)
15.LOVE LIKE CRAZY(高橋愛・亀井絵里・清水佐紀)
16.白いTOKYO(ZYX-α)
17.行くZYX! FLY HIGH(ZYX-α)
MC
18.ONLY YOU(続・美勇伝)
19.恋する♡エンジェル♡ハート(続・美勇伝)
20.DESTINY LOVE(High-King)
21.DIAMONDS <ダイアモンド>(High-King)
22.C\C(シンデレラ\コンプレックス)(High-King)
MC
23.恋愛レボリューション21(全員)
◆Hello! Project 2010 WINTER 歌超風月 ~モベキマス!~
(中野サンプラザ)
01.ボンキュッ!ボンキュッ!BOMB GIRL(全員)
02.ジンギスカン(全員)
VTR(メンバー紹介)
03.スキちゃん(スマイレージ)
04.Love & Peace = パラダイス(真野恵里菜)
05.ラッキーオーラ(真野恵里菜)
MC
06.SHOCK!(℃-ute)
07.EVERYDAY 絶好調!!(℃-ute)
08.都会っ子 純情(℃-ute)
MC
09.雄叫びボーイ WAO!(Berryz工房)
10.HAPPY!Stand up(Berryz工房)
11.ライバル(Berryz工房)
MC
12.マノピアノ(真野恵里菜)
13.オトナになるって難しい!!!(スマイレージ)
14.女が目立って なぜイケナイ(モーニング娘。)
MC
15.すべては愛の力(モーニング娘。)
16.Ambitious! 野心的でいいじゃん(モーニング娘。)
17.気まぐれプリンセス(モーニング娘。)
MC
18.メドレー(モーニング娘。・Berryz工房・℃-ute)
~みかん
~私の未来のだんな様
~まっさらブルージーンズ
~女に幸あれ
~MADAYADE
~FOREVER LOVE
~なんちゃって恋愛
~JUMP
~友情 純情 Oh 青春
~ラヴ&ピィ~ス!HEROがやって来たっ。
19.青春ソング(℃-ute・真野恵里菜・スマイレージ)
20.流星ボーイ(Berryz工房・℃-ute・真野恵里菜・スマイレージ)
21.そうだ! We're ALIVE(モーニング娘。)
MC
22.青空がいつまでも続くような未来であれ!(全員)
「モベキマス」とは、モーニング娘。、Berryz工房、℃-ute、
真野恵里菜、スマイレージのそれぞれ頭文字をとった称号。
この時、各グループはどういう状態だったかというと、
モーニング娘。はプラチナ期の真っ最中。
もちろん当時はプラチナ期という呼び方はなく、
メディアへの露出度も減り、人気は右肩下がり、
それでも誇りは失わずに、パフォーマンスを追求していた時期でした。
つんくも「こういう時代だからこそ技術をつけよう」と
メンバーに対し、檄(げき)を飛ばしていたよう。
この年の秋ツアーで、
亀井絵里、ジュンジュン、リンリンが卒業し、
娘。史上、最小となる5名体制(高橋、新垣、光井、田中、道重)になります。
ベリキューも、皮肉なことに子供だったメンバーが成長していくにつれ、
人気面では伸び悩みました。
とくに℃-uteは2010年1月、
例の「SHOCK事件」でほぼ全員が解散を考えるという、
最大の危機に直面していた時期です。
グループの存在意義が問われ、
メンバーは精神的に追い詰められましたが、
「大きな舞台に立つ夢を諦めたくない」との思いで、
辛うじて踏みとどまります。
真野ちゃんは真野ちゃんで、
ソロのプレッシャーに圧し潰されそうな日々を送り、
マノピアノ路線でいくのか、
自分よりも先輩であるエッグ達をバックダンサーに
従える路線でいくのか、迷走中。
唯一、スマイレージだけが5月のデビューに向け機運を高めていたものの、
ハロー全体としては、CDの売上もかなり落ち込み、
沈滞ムードが漂っていた年といえるでしょう。
ライブが盛り上がったこと!
ハローからAKBに流れたファンも多い中、
それでもハロプロに残ったファンは正真正銘のハロヲタ連中。
カラーTシャツ全盛時代だったこともあり、
当時は客席もカラフルで、
より先鋭的でマニアックな現場文化が創られていきました。
ハロコンといえば「ひな壇」ですが、
ハロメン(というか嗣永桃子)が「ひな壇芸」をやり出したのもこの頃。
文化だけでなく、ライブパフォーマンスの質も向上していきました。
とくにこの頃のモーニング娘。は、高橋愛、田中れいなを中心に、
過去最強に歌唱メンが揃っていた時代でしたよね。
相対的な人気は下がっても、CDの売上は落ちても、
「現場は楽しい!」と思える現場主義がハロプロの生命力となります。
◆Hello! Project 2010 SUMMER ~ファンコラ!~
(中野サンプラザ)
01.ALL FOR ONE & ONE FOR ALL!(全員)
VTR(メンバー紹介)
02.○○ がんばらなくてもええねんで!!(スマイレージ)
03.元気者で行こう!(真野恵里菜)
04.Danceでバコーン!(℃-ute)
05.本気ボンバー!!(Berryz工房)
06.青春コレクション(モーニング娘。)
MC
07.愛すクリ~ムとMyプリン(続・美勇伝)
08.抱いてよ! PLEASE GO ON(High-King)
MC
09.チュッ! 夏パ~ティ(スマイレージ)
10.ぁまのじゃく(スマイレージ)
11.桃色片想い(真野恵里菜)
12.春の嵐(真野恵里菜)
MC
13.キャンパスライフ~生まれて来てよかった~(℃-ute)
14.FOREVER LOVE(℃-ute)
15.抱きしめて 抱きしめて(Berryz工房)
16.ギャグ100回分愛してください(Berryz工房)
MC
17.泣いちゃうかも(モーニング娘。)
18.ここにいるぜぇ!(モーニング娘。)
19.スキちゃん(スマイレージ)
20.世界はサマー・パーティ(真野恵里菜)
21.まっさらブルージーンズ(℃-ute)
22.スッペシャル ジェネレ~ション(Berryz工房)
23.SEXY BOY~そよ風に寄り添って~(モーニング娘。)
MC
24.元気ピカッピカッ!(全員)
この年の夏のハロコンは、事前にファン投票で選ばれた曲をやるという
さながら「ファン感謝祭」。
日替わりで
「好きすぎてバカみたい」(スマイレージ)
「愛のスキスキ指数 上昇中」(Berryz工房)
「大きな愛でもてなして」(℃-ute)
「真夏の光線」(モーニング娘。)
「Say Yeah!-もっとミラクルナイト-」(モーニング娘。)
など、人気曲がいっぱい。
真野ちゃんの「ロマモー」でマワるひな壇のハロメン達。
この年の5月に「夢見る15歳」でデビューを果たしたスマイレージは、
年末の日本レコード大賞で最優秀新人賞を受賞します。
翌年の冬のハロコンで、
9期新メンバー発表(「譜久村、降りといで」の名シーン)、
そしてエース高橋愛の卒業発表があり、
モーニング娘。に新しい時代が到来。
夏のハロコンでは、スマイレージのサブメンバーが発表され、
小川紗季、前田憂佳が立て続けに卒業し、
モベキマス時代を盛り上げたスマイレージに
変革の時が訪れます。
ここまで、モベキマス時代を簡単に振り返ってきましたが、
まとめると、
☞ 事務所主導で大胆な世代交代を図るため、エルダークラブを切り離した
☞ 人気低迷する中、よりスキル重視に舵を切った
☞ ハロヲタ、ハロメンの求心力が高まり、現場主義の風潮が生まれた
☞ アジア戦略は失敗したが、グローバル化の先駆けとなった
今のハロプロのベースが形成された時代、
ということが言えるかもしれませんね。