ハロー関係で、自分が最も好きな編曲者(作曲者)が高橋諭一さんです。

森高千里ギターサウンドの一翼を担った音楽家。
仕事ぶりが丁寧で、マジメで穏健な彼が、つんくと出会い、
遊び心のある作風に目覚めるまで、その異なる「2つの顔」に迫っていきたいと思います。

 


① ビートルマニアのギタリスト

もともと好きなミュージシャンがビーチ・ボーイズ、フィル・スペクターで、
ビートルズに強く影響を受けていた高橋諭一は、
手掛けた森高千里の作品に、オールディーズ・ロックのギターサウンドを持ち込み、
アイドルソングのイメージを少しずつ塗り替えていきます。

リバプールの風が吹くゴキゲンナンバー。

●「素敵な誕生日」森高千里 (1994年)


ハローの仕事をするようになってからも、アコースティックギターを使った編曲を
メインにやっていきます。

 

スライドギターがおりなす高揚感と哀愁感。

●「せんこう花火」モーニング娘。(1999年)


ビートルズが好きな人が聴けば、すぐニヤリとするようなオマージュ作品も。
「strawberry fields forever」の逆回転取り入れながら小粋に仕上げるプロの業。

●「蝉」Berryz工房(2004年)


ここまでわかりやすくビーチ・ボーイズに寄せても、堂々とした潔さとセンスに感服してしまう。

●「♡桃色片想い♡」松浦亜弥(2002年)


間奏の切ないアコースティックギターが「これぞ諭一さん」と呼べる傑作モノ。
定期的に何度も聴きたくなる超名曲。
それにしても、アコギの音色とあややの歌声の相性が抜群すぎる。

●「私のすごい方法」松浦亜弥(2002年)



② コメディタッチな打ち込みサウンド

「ズルい女」でシャ乱Q時代のつんくと知り合って以来、ハロプロの編曲に携わるように
なるんだけど、つんくが変態に走り始めてから、「自分も新境地を切り開かねば」と
遊び心溢れるポップでキュートなアイドルソング的アプローチを試みるようになっていきます。

珠玉のデビュー曲。横ノリでうねりまくるグルーヴ感が最高。

●「ドッキドキ!LOVEメール」松浦亜弥(2001年)


オールディーズを基調としながらも、明るく楽しいポップナンバー。

●「恋人は心の応援団」カントリー娘。に石川梨華(モーニング娘。)(2001年)


子供のような純真な心がなければ、こういう音楽は作れません。
この曲でつんくも、高橋諭一も、壁を突き抜けたような気がします。

●「ファイティングポーズはダテじゃない!」Berryz工房(2004年)


●「大きな愛でもてなして」℃-ute(2006年)


●「レインボーピンク」久住小春・道重さゆみ(2006年)


●「もしも…」ハロー!プロジェクト モベキマス(2011年)


●「大好き100万点」譜久村聖・石田亜佑美(2012年)


●「リアル☆リトル☆ガール」ハロプロ研修生北海道(2017年)


はーちゃん(太田遥香)の「悪い子だべー!」がまた聞きたいぞ。

それにしても、今のハロプロに足りないのは、
こうした高橋諭一的アイドルソングなんじゃないかと思ってます。