今夜、こぶしはラストライブで、確かに「伝説」になった。

無観客なのに、観客がいるような臨場感溢れるライブ。
こぶし組のコールが何度も聴こえる。
よほど自分の頭がおかしくなって、幻聴まで聞こえるようになってしまったのかと思った。

いや、たぶん似たようなことを感じた人はたくさんいたはず。
こぶしの5人は、彼女達の目の前にこぶし組がいるような、

そんなパフォーマンスをしてくれた。
普段のライブ以上に、こぶし組の存在を身近に感じてライブをしてくれた。

こぶしとこぶし組が仮想空間の中で繋がり合う。
世の中、クラウド(仮想化)の時代なのか、はたまた、

スピリチュアル(霊的)な時代なのかはわからないが、
これこそ、ライブを極めたこぶしだからこそ辿り着くことのできた、
奇跡的な境地なのかもしれない。

 


<セトリ>   ※場所:東京ドームシティホール(18:30~)

01.Yes!We are family ~こぶしver.~
02.念には念
03.これからだ!
04.Come with me
05.好きかもしれない
MC
06.アカペラメドレー
LOVEマシーン
~チョット愚直に!猪突猛進
~念には念
~GO TO THE TOP!!
~サンバ!こぶしジャネイロ
~桜ナイトフィーバー
07.開き直っちゃえ!
08.消せやしないキモチ
MC
09.Oh No 懊悩
10.アンラッキーの事情
11.ハルウララ
12.青春の花
VTR(5人それぞれMV青春の花の続き)
13.ラーメン大好き小泉さんの唄
14.バッチ来い青春!
15.エエジャナイカ ニンジャナイカ
16.サバイバー
17.オラはにんきもの
18.ピッチピチトモダッチ
19.闇に抜け駆け
20.ドスコイ!ケンキョにダイタン
21.押忍!こぶし魂
22.懸命ブルース
23.TEKI
24.明日テンキになあれ
25.亀になれ!
26.スタートライン
アンコール
01.明日の私は今日より綺麗
MC
02.辛夷の花
03.シャララ!やれるはずさ


やりたい曲(やって欲しい曲)は全部やった。

途中、なぜか「ジェケニン」を強めに推してくるコーナー(嫌いじゃない)があったが、

オールタイム、こぶしのライブを彩ってきたキラーチューンや、
5人の個性が詰まった、『辛夷第二幕』の5人それぞれのフィーチャー曲など、
全て「やり切った」「出し切った」後悔のないライブだったと思う。

唯一、後悔があるとしたら、そこにこぶし組がいなかったことだけだ。
こればっかりは、誰のせいでもない。


●雑草軍団が、真っ白で力強い辛夷の花を咲かせるまで

「スタートライン」のMVもそうだったが、このライブでもちょくちょく昔の映像が
流れるたびに、5人の表情が逞しく変わっていくのが手を取るようにわかる。

言い方は悪いけど、雑草のように地味であまり目立たない存在だったのが、
切磋琢磨し合って、これほどまでに素晴らしいライブができるグループになったこと、
この5年4ヶ月がどれだけ濃密な時間であったかを証明するかのよう。

特に、3人(藤井、小川、田口)の離脱による挫折は、残った5人を大きく変えた。
出て行った3人にとっても、背負った傷とともに、人生が大きく変わった。
たぐっち(田口夏実)は、きっとどこかでこのライブを観て、涙を流してくれたと思う。

アカペラという武器を携え、

今年はこぶしが新しいファンに「見つかる」年になるはずだった。
昨日の最後の地上波放送(CX系『LOVE MUSIC』)も、

初めてこぶしファクトリーを観る人にとって、インパクトが残るものだったに違いない。


だからこそ、この解散は早すぎる、と誰もが惜しむ。
しかし、多くの人に気付かれる前に、ひっそりと、それでいて清く美しく、
何よりも力強く鮮やかに咲き誇るのが、いかにもこぶしらしい。
派手な花ではなくとも、

この5年間でじっくり土に根を張ってきたあやぱん(広瀬彩海)らしくあり、

のむさん(野村みな美)らしくもあり、はまちゃん(浜浦彩乃)らしくもあり、

さこ(和田桜子)らしくもあり、そしてれいれい(井上玲音)らしい。

冬のように凍えてる人々の心に、春を告げる花になれ―――。
この慎ましく、いつまでも記憶に残る純白の辛夷の花たちを、心から愛します。


●こぶしに贈る言葉

最後のMCで、れいれいが、あやぱんが「寂しい」とたくさん言ってくれて、
ちょっとだけ救われた気持ちになった。同じ気持ちなんだなと。

あやぱん
駄々をこねる子供みたいに、解散するのは寂しいと素直な感情を伝えてくれた。
いつも理性で感情を抑えるタイプだったので、最後に本当の気持ちが知れて
嬉しかった。「5年間、世界一幸せでした」の言葉に泣きました。
ここまで苦難を乗り越えてこれたのは、あやぱんがリーダーだったからこそ。
ありがとう。

のむさん
ラストライブも心揺さぶる魂の歌声を聴かせてもらいました。
のむさんの前向きなパワーが、いつもこぶし組を明るく照らしてた。
成長著しいこぶしの中でも、一番進化したのはのむさんだと思ってる。
最後、手紙を書いてくれたのは、真摯にこぶし組への気持ちを伝えたかったからだと
その真っすぐな想いに感謝してます。ありがとう。

はまちゃん
自分にとってはまちゃんは最高にキラキラしたアイドルだった。
ライブでヲタを煽るのが、こんなにもカッコいいアイドルは他にいません。
3年前、はまちゃんが悔し涙に暮れた夜、ライブ後の握手会で

ギュッと力強く手を握り返してくれたこと、あのときの情熱は今でも忘れられない。

「シャララ」で最後、「はーまちゃん!はーまちゃん!」を全力で叫びたかった。

最後までこぶし組を大切に想ってくれて、ありがとう。

さこ
さこを見てると、特にツアー中なんかは本当にライブのために生きてるという感じ。
決して器用なタイプではないから、常に全身全霊で挑んでいたんだと思う。
8人時代も、5人時代も、グループの輪を乱さないように気を遣っていたのがさこだった。

青春の全てをこぶしに捧げてくれてありがとう。
こぶし解散とともに芸能界引退の道を選んだのも、いかにもさこらしいと思ってます。

れいれい
こぶし初期の頃は、何を考えているのか一番わからない子だったけれど、
逆に解散間際は、れいれいの気持ちが一番ストレートに伝わるようになっていた。
熱いハートを持ってる子なんだなって。
れいれいがどのグループに入ることになっても(もしくはソロになっても)
推していきます、そしていつかはハロプロのエースに!


素晴らしいライブだったけれど、こぶしファクトリーは伝説になったけれど、
今日が最終回とはどうしても思えない。

やっぱり、こぶし組と再会する日がいつかあるんじゃないかと思っちゃう。
無観客のまま、終われない。

はまちゃんみたいにアップフロントを退社する子もいれば、
のむさんみたいに海外に留学する子もいるけど、
またどこかで、みんなが集まる時がきっとくるだろう。

それが何年後になるかはわからないけど、

再会を楽しみに日々生きていくのも悪くない。