もはや、何が起きても驚かないだろうと思っていたが、やっぱり驚いた。
そして、どんどん扱いが酷くなっていくことにヘコむ。
アンジュルム室田瑞希、今年3月22日のひなフェスをもって卒業――。
最初に言っておきたいのは、むろの卒業を「アンジュルムに何が起こっているんだ」
みたいな論調で語るのは正しくないと考える。
2期のりなぷー(勝田里奈)、かななん(中西香菜)の卒業は、ブログに書いてきた通り、
必然のモノだったし、
ふなっき(船木結)の卒業は、細かい説明は省くが、カントリー活動休止に全て起因するものだから、アンジュルムは関係ない。
つまりこの一年、アンジュルムにおかしな事は起きていない。
(あやちょ(和田彩花)以降、行列待ちという“珍現象”だけ起きている)
だから、彼女達の卒業とむろの卒業は、切り離して考えるべきものだ。
●むろにとって、アンジュルムは第二の家族である
むろは、アンジュルムを家族のように思い、メンバー同士の絆を大事にしてきた人である。
逆に「どうしてそこまで?」と不思議に思うくらい、
メンバーがバラバラに、離れ離れになることを嫌った。
それが彼女の家庭環境から来るトラウマだと知ったとき、ようやく腑に落ちた。
それまでは、むろほどアンジュの中で飛び抜けたパフォーマンス力があるのに、
どうしてもっと自分をアピールしないんだろうと思っていた。
モーニング娘。のような実力主義のグループだったら、
むろは圧倒的な存在感を放つエースとして君臨していたはずなのである。
(もしつんくが歌割を指名していたら、メインパートの多くがむろに振られていただろう)
個人的にとくに好きだったのは、「涙は蝶に変わる」間奏部の、むろのソロダンスシーン。
儚さと力強さが同居してて、いつ見てもたまらなく美しかった。
しかしアンジュルムは、キャリア・実力に関係なく、全員平等にチャンスを与える
グループである。
そしてむろも、自身が目立つことでグループの和が乱れることを怖れたのか、
自分からガツガツ前に出ることはしなかった。
安住の地で楽しそうにしているむろを見るのは、ファンにとっても幸せなことだったが、
むろの本当のポテンシャルは内に秘められたまま…。
そんな自己矛盾を抱えながら、時は過ぎていった。
●いつかは蝶になって羽ばたく時がくる
ターニングポイントは、あいあい(相川茉穂)の卒業だったと思う。
あれほど仲良かった同期の卒業。
原因が原因だけに、人知れずむろも内心、傷ついていたはずだ。
そして、いつまでも仲間でワイワイ楽しく一緒にいられるわけではないことを知った。
自分と向き合う時間が増え、自分が目指すべきものは何かを考えた時に、
「家族」であるアンジュルムを離れ、一人になる環境に身を置くことこそ、
自分の能力を伸ばせるとむろは判断するに至ったのだ。
それは本当の意味で、むろがトラウマを克服した瞬間なのだと、私は考える。
研修生の頃から、ストイック少女。
自分が成長するためなら、努力は惜しまない。
そんなむろが自身の可能性を信じ、新たな旅に出るのは、ポジティブなことである。
●事務所の計画性の無さ、あるいはもっと重大な「大人の事情」
むろの卒業そのものがポジティブであっても、
その発表に至るまでの過程は全くポジティブでない。
額面通り受け取るならば、1年以上前から、むろから相談があった事案。
こぶしの件もそうだが、どうしてこの直前のタイミングで発表なのか。
3月末で卒業というのも、急遽決まった印象を受ける。
その玉突きで、船木結の卒業も急遽、6月に延期。
計画性のかけらもないドタバタ劇、管理が追い付いていない状況。
まるで、マルチタスク(複数の卒業案件)をパラレル(並列)で進行させることができずに、
シリアル(直列)で処理するしかない頭の悪い子みたいだ。
それかよっぽど重大な事情があって、3月末で卒業しなければならないのか。
誰か、本当のことを教えて欲しい。
それと何度も言うようだけど、終わり方というのは何事においても大事である。
そのハロメンが納得できる形、というのもそうだけど、
応援しているファンの気持ちに応える卒業の仕方について、(事務所は)考えるべきだ。
ファン不在の一方的な決定通告が多すぎる。
卒業していくハロメンに文面で謝らせるのは筋が違う。
また、多人数グループの弊害、という観点もありそうだが、
それはまた別の機会に。
これでまた実力派アイドルがハロプロを去る。