15年に渡る波乱万丈のアイドル人生。

あやちょが辿り着いたその先には、アンジュルムと名付けられた、
青春を共にした「友」との邂逅があった。


輪廻転生、あるとき生まれた愛の提唱。


<セトリ>

オープニングアクト(BEYOOOOONDS「眼鏡の男の子」)

01.赤いイヤホン
02.愛さえあればなんにもいらない
03.出すぎた杭は打たれない
04.恋はアッチャアッチャ
MC
手紙&花束贈呈:矢島舞美
05.夢見る15歳
06.ミステリーナイト!
07.忘れてあげる
08.帰りたくないな。
VTR
09.メドレー
~スキちゃん(和田彩花、太田遥香、伊勢鈴蘭)
~私、ちょいとカワイイ裏番長(上國料萌衣、笠原桃奈、船木結、川村文乃)
~嗚呼、すすきの(室田瑞希、佐々木莉佳子)
~私の心(中西香菜、竹内朱莉、勝田里奈)
~シューティングスター(和田彩花)
10.交差点
11.夢見た15年
MC
12.次々続々
13.ドンデンガエシ
14.マナーモード
15.泣けないぜ…共感詐欺
16,大器晩成

アンコール

01.ぁまのじゃく(あやちょソロ)
あやちょ卒業MC
02.旅立ちの春が来た
各メンバーの感想(あやちょへの言葉)
03.46億年LOVE
04.友よ

ダブルアンコール

あやちょ挨拶


今回の卒業コンサート、一番強く感じたのは、
あやちょと後輩メンバーの絆、
とくに約10年間、一緒に過ごしてきた2期メン(竹内朱莉、中西香菜、勝田里奈)
との絆だった。

最初のクライマックスは、10曲目の「交差点」。
メンバーが卒業する時のアンジュ定番曲。
円の真ん中にいるあやちょに向かってメンバーが歌う時、
最初にりなぷーが思わず言葉を詰まらせ、歌えなくなったのを皮切りに
一斉にメンバー達が泣き始める。
(あやちょは満面の笑顔でいるもんだから、それが余計に泣けてくる)

かつて福田花音、田村芽実を送り出すとき、
歌詞の「ありがとう」の言葉を贈るのは、リーダーのあやちょの役割。

そして今回、あやちょに「ありがとう」の言葉を伝えたのは、
新リーダーのタケちゃんだった。

タケは「ありがとう」を言い終えると、あやちょの頬に顔をうずめ、
まるで子供のように泣きじゃくった。
それは、いつもは強がっているタケが見せた初めての姿だった。

普段、どんなにタメ口をたたいて、その「変わり者」ぶりをイジり倒したとしても、
タケちゃんにとって、あやちょは初期スマイレージ時代からずっと大きな憧れの存在。
それは、かななん、りなぷーにとっても同じ。
どんなに辛い時も、ずっとその背中を追い続けてきた。

心の中にずっとしまっていた尊敬と憧れ。
2期の3人の表情からは、その思いの丈が見て取れた。


一方で、あやちょにとってアンジュメンバーは、
様々な価値観が共存することの意味を教えてくれる人達だった。

アンジュルムは、みんな性格や個性がバラバラで、それぞれが好き放題やって。
でもそれでいいんだと気づかせてくれた。

この15年、本当にあやちょは変わった。

ぁまのじゃくで頑固者なところはそんなに変わっていないのかもしれないけど、
初期スマのリーダーの頃は、もっと凝り固まった考え方をしていたもの。

華々しいデビュー、そして苦しみもがいてきたどん底時代。
その落差が大きいほどに、苦労も大きかったはず。

苦しかった時を共有した仲間(友)の存在が、あやちょを救ってくれた。

“ありがとう 出会ってくれたこと”
“ずっとずっと 君はかけがえない――”



そして、もう一つのアナザー・ストーリー。

あやちょがソロで「シューティングスター」を歌った時、
その視線の先(関係者席)には、
初期スマイレージの3人(福田花音、前田憂佳、小川紗季)がいた。
彼女達は、当時のあやちょのメンバーカラー、青のサイリウムを振っていた。

これからアンジュルムもさらに大きく羽ばたこうとしているが、
最初に伝説を作ったのは、この4人である。



アンコール後のあやちょの挨拶(MC)は、卒コンにしては異例のもの。

真っ白なコスチュームに身を包んだあやちょは、
手紙を用意するわけでなく、
マイクを片手に握り、通常のコンサートのMCと同じように、
「お話をしますね」と、
ファン、スタッフ、メンバーへそれぞれの感謝の気持ちを述べた。

それは、これからあやちょが体現していくであろう、
自立した女性(アイドル)のスタイルであり、一つの表現方法の提示だと思った。

卒コンおなじみの1人ずつ向かい合ってのメッセージを伝える→抱き合うシーンも
ナシ。
あくまで自然体にこだわった。

それが逆にアンジュらしく、いろいろな個性と、涙と、笑いも混じって、
(ふなっき、莉佳子、タケのやつはもはや泣き芸だ)
あやちょを送り出すにふさわしい締めになったと思う。

仕事仲間を超えた、運命が結び付けた本当の「友」、
それがアンジュルム。

だから、さよならじゃない、そう、バイバイだ! あやちょ!

これでまた、ハロプロの一つの時代が終わった。