イタリアのフェデリコ・フェリーニ監督の代表作の一つに「道」(La Strada)がある。
大道芸人のザンパノ(アンソニー・クイン)が、
少し頭が弱い(淀川長治の言葉を借りれば「頭がイカれている」)が、
純粋無垢で素直なジェルソミーナ(ジュリエッタ・マシーナ)と共に旅に出る。
ピエロ役を演じるジェルソミーナとのコンビは意外とウケが良かったが、
粗暴な性格のザンパノは、日常生活ではジェルソミーナに冷たくあたる。
やがて、ジェルソミーナはザンパノの元を去り、身を寄せるところがないまま死んでしまう。
ザンパノは数年後、港町でジェルソミーナが亡くなったことを知り、
深い孤独感と絶望に打ちのめされる。
戦後イタリアのネオレアリズムを象徴しており、悲しい結末の物語であるが、
ここで怪演を見せるジュリエッタ・マシーナと、
アンジュルムの新メンバー・はーちゃん(太田遥香)がよく似ているのである。
ザンパノはジェルソミーナのことが好きだったのだが、
清々しいほどに純粋無垢な彼女の前では、ザンパノという存在は無力であった。
握手会でいろいろとたくらんでいたヲタ達も、
実物のはーちゃんの前では無力だったか。
そんなはーちゃんも、初のホールコンサート(座間)を前に不安と緊張に苛まれながらも、
原風景である北研、そして後輩5人を思い出して奮起、
無事乗り切ったようだ。
旅芸人としての日々は始まったばかりだ。