モーニング娘。のシングルカップリングといえば「恋ING」をはじめ、
「インスピレーション」「Happy大作戦」など名曲揃いで有名。

そんな中でも、珠玉の一曲といえば、個人的にコレ。


「弱虫」(38thシングル「泣いちゃうかも」カップリング)(2009年)
 作詞、作曲:つんく、編曲:高橋諭一

 

 

都会で生活するOLの孤独を描いたオムニバス風作品。

1番と2番で描かれている女性は、

都会の暮らしに寂しさを感じているという点では共通しているが、
微妙にタイプが違っている。
  

 

1番は、仕事も1人でテキパキとこなし周りから頼られる強気な女の子。
同僚の気になってる男の子にも、恋愛相談をされてしまい、
ついつい相談に乗ってあげちゃったりしてる。
友達に冗談半分で「孤独が似合うタイプだよねー」なんて言われて、
本当は胸にグサッときてるのに
それを悟られないように笑ってごまかしちゃうところがいじらしい。

 


2番は、残業もそこそこに切り上げて、料理教室通ったり、
ウインドウショッピングに出かけたりする女の子。
一見、アクティブに見えるんだけど、感情表現はヘタ。
自分が思っていることを素直に表に出せず、相槌ばかり打ってる。
気が付いたら、駅と駅、家と会社を行ったり来たりの毎日。

 

 

この曲の歌詞が良いのは、女の子の心情が、普段の生活の情景とリンクして
イメージし易く描かれていることだ。
「ああ見もしないのに、テレビをつけたまま寝る」や
「そう週末ならば ぶらぶら買い物もいい また新しいのを 意味なく買ってしまった」
といった場面は、誰もが1回は経験していることであり、簡単に共感できる。


この曲では1番をガキさん(新垣里沙)、2番をさゆ(道重さゆみ)が歌っており、
このキャスティングも1番と2番のタイプの違いを示していて、秀逸である。

 


歌詞の言葉がそのままリズムになってる。
最後のサビのさゆコーラスの味が良い。
高橋諭一のシンプルなアレンジも良い。

昨年末から「弱虫」をずっと聴いてる。
こういう個性を生かした曲が、ハロプロでも最近はあまり聴けなくなっているのが寂しい。



P.S. 「泣いちゃうかも」と言えば、吉橋くるみ。