ラジオなどで、鈴木愛理の新曲音源を聴く機会もだいぶ増えてきましたが、
ちょっと気になった点が2つあります。

 


1つ目は「あれ、これホントに愛理の声だっけ?」と思ったこと。

曲紹介がなければ、ホントに愛理が歌っているなんて気がつかないほど、
曲によって、かなりニュアンスが違っています。

勿論、曲によって歌い方を変えるのは悪いことではないけれど、
これだけコロコロと変わると、器用貧乏に陥ってしまわないか少し心配です。

愛理くらいの実力があれば、安室ちゃん風に歌ったり、誰かに似せて
歌うことは簡単に出来ると思うんですよ。

でも、俺としては「そういう本格的なモノもできますよ」というのを求めているわけでは
ないのでね。

これぞ鈴木愛理だ、と唸るほど愛理らしい生の声を聴きたい。

今回、「SCANDAL」、「赤い公園」、「SPICY CHOCOLATE」など錚々たるアーティストが
アルバム作成に携わっていますが、事務所の本気度だけでなく、
彼女の人徳があるからこそ、親身に協力してくれているところもあると
思うんですね。

そんな個性豊かなアーティストに囲まれても、
芯の部分では、鈴木愛理の確固たるアーティスト像というものを
持っておかなければならない。

そのスタイルを作るには、しばらく時間がかかるかもしれません。

実際、ライブで聴くとまた印象が変わってくると思うので、そこらへん
武道館までどう仕上げてくるか期待しています。


もう1つは「バンドの音がおとなしい」こと。

ソロデビューに際して、「バンドサウンド」と「ダンスミュージック」の“二刀流”のコンセプトで
売り出しているわけですが、
それぞれ「Buono!」「℃-ute」で培ってきたバックボーンを生かすことができるわけで、

いいアイデアだと思うんですよ。

そのうちの「バンドサウンド」ですが、
彼女の持っている声質は、そのバンドを先導するほどパワフルというわけではありません。
むしろ、透明感があって明るく伸びやかな感じが特徴です。

俺は、ハリルホジッチさんが大迫勇也(FCケルン)に
「前線でパスコースを限定するプレスを仕掛けて」
「味方からのタテパスを収めてタメを作って」
「ついでに裏のスペースに走るフリーランニングもやって」
と、本人の得意不得意はガン無視した挙句、一度に幾つもの役割を要求するのは好きではありません。

だから、鈴木愛理にもパワフルさ、エッジの効いたボーカルは求めていない。

その分、バンド演奏にパンチ力が欲しい。
生バンドの良さを実感するような迫力があって、かつ個性的な音を聴きたい。
ちょっと線が細い印象を受けるんですね。

バンドも含めて“あいりまにあ”なんだってこと。

極端な話、椎名林檎の東京事変のように、
ギターの浮雲とか、ベースの亀田誠治みたいに、ボーカルよりバンドマンが
目立ったって全然いいんですよ。

一般受けするかどうかのカギは、意外とそんなところにあるような
気がしますよ。


まぁ、そんな未完成からのスタートは判っていたことですからね、
これから進化していく姿をしっかり見届けたいと思います。