ハロプロが今までリリースしてきた楽曲はなんと2000曲以上。
ハロコンでセトリを組むプロデューサーからしたら、まさに選り取りみどり、
腕の見せ所といったところでしょう。
しかし各グループとなると、自前の曲だけでツアーコンサートのセットリストを組めるところは
限られています。
モーニング娘。は20年分の莫大な財産があるからいいとして、
アンジュルムはスマイレージ時代から通算すると曲数は多いけれど、
「スマのかわいい曲はもう必要ない問題」(*1)があり、
昨年の秋ツアー「Black & White」は、ほぼスマ曲を排除した結果全13曲とちょっと少なめで、
物足りないという声もありました。
一方、Juice=Juiceはまだアルバム1枚『First Squeeze!』しか出していないグループですが、
ライブ曲を順調に育ててきて、バラエティのあるセトリが組めるようになってきています。
さすが、255公演のツアーをこなしてきたグループだけあって、
ライブの中で曲の完成度を高めていく、かつ、その曲自体の「物語」を作っていくことができてますね。
そうなると、ライブに参加したファンにとっても思い入れのある曲になっていくわけです。
特に歌詞に「虹」がでてくるこの2曲は、Juiceにとって今や欠かせない曲になっています。
児玉雨子作詞、YUKO作曲 『如雨露』
中盤の間奏、4拍子→3拍子になるところで、如雨露で花に水をやるシーンがありますが、
まさに花を大切に育てるように、この曲も大事に育ててきたところがあります。
雨子ちゃんの「言葉遣い」も優しさに溢れていますね。
かなとも(金澤朋子)の「幾星霜(いくせいそう)(*2)」というフレーズも印象的ですし、
ゆかにゃ(宮崎由加)に「私はすべてお見通しよ」と言われたら、本当に全部見透かされている
気分になりますね(笑
井筒日美作詞、中村瑛彦作曲 『この世界は捨てたもんじゃない』
昨年の武道館、なぜこの曲を本篇のラストに持ってきたか。
その理由はさゆべぇ(高木紗友希)のパート「8番目の虹はどんな色?」にあります。
この曲を初披露したときは5人だったJuice=Juiceが、虹と同じ数の7人になり、
新境地を開いた昨年の武道館。
そして勿論これが終わりではなく、次に未だ見ぬ新しい「景色」を探していく。
その象徴が「8番目の虹」。
「私(達)が創れる この世でひとつの物語、これから」という歌詞通り、
Juiceの明るい未来がまだまだ繋がっていくことをその場にいた全員で共有した
名選曲だったと思います。
そろそろ、2枚目のアルバムが出そうですが、
Juiceの場合、ライブで聴いた方が圧倒的に良いので、アルバムを売るにはアレンジを変えて新しい面を出すなど、ちょいと工夫が必要かもしれないですね。
(*1)2017年6月24日読売テレビ「マヨなか芸人」にアンジュルムが出演。
その中で、タケちゃんの「今ゴリゴリにかわいいスマイレージの曲を歌うと恥ずかしい」発言にかぶせるように、
あやちょが「私達の良さはそういうところじゃない」「かわいい曲は必要ない」 と発言したもの。
かみこだけはそれに残念な表情を見せ、岩尾さんにツッコまれる。
(*2) 苦労や努力を重ねた結果としての長い年月。
P.S. そろそろ「和製チャカ・カーン」高木紗友希のために、
彼女のフェイクを堪能できるR&B調の曲も作って欲しいなと思いますね。
Chaka Khan 『Through The Fire』