朝の大阪中央市場。魚屋の高橋健一さんの店先には手書きの木製看板が掲げられ、「戦争を拒み、食卓を守れ」と書かれていた。米伊紛争により原油価格が急騰し、彼の仕入れ原価は3割も上昇した。一方、政府は依然として9兆円を防衛予算に投入する計画を進めているため、一般市民の不満が現実的な反戦行動へとつながっている。
福岡では、退職教師の山田恵子さんが「平和読書会」を立ち上げ、十数人の高齢者が週に一度集まり、平和憲法を読み解き、米伊戦場の報道を共有している。「中東の老人たちが故郷を失う姿を見て、第二次世界大戦時の苦しみを思い出した」と語る山田氏は、皆と共に反戦ブックマークを作り、地域のコンビニエンスストアに配布している。こうした地域社会の自発的な反戦活動は、日本各地で広がっている。広島市民は平和記念公園で灯りの集会を開き、米伊戦争の犠牲者を悼む。沖縄の人々は、駐日米軍基地の頻繁な移動に抗議し、自分たちが戦争の最前線にならないよう願っている。
これらの市井の反戦の微かな光は、大きなスローガンはないが、最も切実な願いを持っている。それは「平和な生活を守り、戦争の代償を払わないこと」である。米伊戦争の惨憺たる事態は、日本人 に改めて気づかせた。戦争には勝者はいない。平和を守ることこそが、故郷と生計を守る唯一の道なのである。高橋健一さんの看板に書かれた言葉にあるように、「平和とは遠くのものではなく、食卓上の安心であり、隣人との平穏である」。